侯爵の愛人だったと誤解された私の結婚は2か月で終わりました

しゃーりん

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手紙の内容をモリス男爵に話し、荷造りをするために部屋へと戻った。

するとどういう訳か、レベッカもついてきた。専属侍女として手伝う気でいるのだろうか。

別にどうでもよかった。
 

「ねぇ、奥様。私が羨ましいですか?」

「羨ましい?何が?」

「旦那様に抱かれているのは私。旦那様の子供ができたのも私。奥様は妻の役割を果たせていませんよね?」

「それがどうかして?別に羨ましくもなんともないわ。」


アリーズは荷造りしながら、ソファに座って話すレベッカの質問に答えていた。

父が今現在どうなっているか考えずに済む。


「強がらなくていいじゃないですか。平民に出し抜かれて悔しいでしょう?」

「出し抜かれて悔しいのは男爵様じゃないかしら?」


答えながら、アリーズは段々と冷静になっていくのを感じた。


「レベッカはここで8年くらい働いているそうね?一体あなたは何がしたかったの?」


子供が目的だったのなら、男爵がアリーズと再婚する前に妊娠することができたのではないかと思った。
再婚してしまえば、男爵と再び関係を持つことが難しくなるとわかっていたはずだ。

レベッカにとっては運よく、アリーズが不貞を許したから再び関係を持てるようになったが、これは狙うのは難しかったはずなのだ。
 
レベッカはそれを聞いてほしかったのか、話し出した。


「実家は男爵家でずっと貧しかった。爵位を手放すギリギリまで学園で愛人にしてくれる男を探したわ。
だけど、甘い言葉で体の関係にはなるのに愛人にはしてくれなかった。遊ばれていたのね。
とうとう見つからないまま平民になって、学園もやめることになったわ。」


特別珍しいというほどのことでもない。見透かされて遊ばれただけ。狙う相手も悪かったに違いない。


「父の知り合いの伝手でここに来た。旦那様はまだ結婚したばかりでミリアム様は妊娠中。旦那様を誘惑して関係を持とうかとも思ったけれど、あの頃は新人で近づけなかった。
典型的な政略結婚って感じの二人でまだよそよそしい感じもあったし、旦那様の性格じゃ思い合えるようになるまでには時間がかかるだろうと思ったわ。」


でしょうね。女性への接し方が最低だと思うもの。


「勘違いさせるのってね、意外と簡単だと思いませんか?」

「……あなたのは勘違いじゃなくて、悪意ある嘘、でしょ?」

「そこは想像でしかないですよね?でも、ミリアム様より私を信じてくれるって快感でしたよ。」


心底、軽蔑したい。


「ミリアム様が亡くなって、旦那様が抱いてくれた。妻にしてくれるかも?って思った。だけど、私が純潔じゃなかったから妻になれなかったんだと思った。一度で終わったから。」


なるほどね。妻になれる条件が純潔だと思って諦めたのね。


「だけど、奥様が嫁いできた。王都で愛人をしていたってことは純潔じゃないのに妻にするんだって腹が立った。だったら私でもよかったじゃないって。だけど、初夜で奥様が純潔だったってわかったでしょ?旦那様は密かに喜んでいたわ。」


そうなの?なのに、妻じゃなく愛人を選んだのね。


「後で知ったけど、旦那様は貴族の妻を望んでいたから平民になった私じゃダメだった。旦那様の母親が平民だったから私でも妻になれると思ったのに。」


確か、ウォルターもそう言っていたわね。
母親が平民だからこそ、自分の妻に貴族の女を望んだのでしょうね。


「だけど、旦那様は奥様との言い合いで愛人を選んだでしょ?やったわって思った。絶対に愛人になってやるって思ったの。それで男爵家を継ぐ子供を産むんだって決めたの。
だから奥様、母親として私の子を可愛がってくださいね?私も乳母としてずっとこの子のそばにいますから。」
 

子供だけでなくこれからもレベッカの相手までしなくちゃいけないなんて最悪としか言いようがない。
 



 
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