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40.雪の戦場
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雪がやんできた。
皆には雪用のシューズを履くようにとお達しが出ている。
皆準備万端である。
「みんなー! 腹ごしらえはすんだなぁ!?」
「「「「おぉぉぉおぉぉ!」」」」
「出撃じゃぁぁぁぁぁぁぁ!」
「「「「おぉぉぉぉおぉぉぉ!」」」」
街から一斉に出撃して行くプレイヤー達。
一メートル以上積もった雪の上を踏みしめながら駆けていく。
その先にはホーンラビットが雪の中を飛び跳ねながら攻めてくる。
よく見るとその後ろからは雪玉を転がしている雪男が何体かいる。
前にいた集団がホーンラビットと激突した。
足止めをくらい中々前に進めない。
その隙に後ろの雪玉が雪男の手を離れて転がってきた。
「盾しょーく! 受け止めろー!」
────ズズゥゥゥンンッ
何とか受け止めた。
と思った時だった。
「うわぁぁぁ!」
一人のプレイヤーが叫び声を上げた。
声の方を見ると雪玉が立っていたのだ。
二本足で。
「なんだあれ?」
俺も思わず声を上げてしまった。
「ギャハハハハ! 雪玉が立ってるぜ! しかも目と鼻と口もあるじゃねぇか!」
バカラさんは笑っているが、笑い事ではない。腕と足は黒い何か。先端に雪が付いている。人が入っているのではないかと思うような姿だ。
「アイツ、なんやねん! 面倒くさ!」
応戦している人は倒そうとするがなかなか硬いみたいで剣でも槍でも砕けない。このエリアの気温がドンドン低くなっているので、雪玉は硬くなっていく。
俺も攻撃に加わろうと思うが前の人達が多くてなかなか前に行けない。空を駆けるしかないか。
「ワタクシは属性が氷の杖なので、攻撃が意味をなさないんですわ」
「シルフィ、威力下がってもいいから別の杖にした方がいいぜ」
バカラさんに指示を受けたシルフィは杖を装備し直す。
「いきますわ! ファイアーアロー!」
複数の炎の矢が雪玉に迫る。
激突した炎の矢は当たった部分の雪玉が溶けていく。
「溶けた所を狙えー!」
号令により溶けた所に集中した攻撃でダメージエフェクトが流れていっている。
ただ雪玉も黙っていなかった。
殴り掛かって来て前に居たプレイヤーをぶん殴った。
雪玉は後ろに飛び跳ねるとゴロゴロと後ろに転がったいく。すると欠損していた部分がもとに戻った。
こうなってはキリがない。
「なんだあれは!?」
「ギャハハハハ! ありゃやべぇな。一気に片付けないと。そらっ! 雪男もきたぞぉ!」
走っていた雪男は重低音を響かせながら駆けてくる。
「雪男がきたぞぉぉぉぉ!」
ソラさんの叫ぶ声が聞こえる。その瞬間、雪男が一斉に跳躍した。
「こっちに来るぞぉぉぉぉぉ!」
俺は咄嗟に叫んだ。
「ギャハハハハ! きたきたぁぁ! シルド! 止めてくれ!」
「任せるのだ!」
────ズドォォォォンッッ
「ぐぅぅ」
シルドさんが苦しそうな声を上げる。
「ナイスです! シルドさん!」
受け止めて少し硬直した雪男に渾身の踏み込みからの居合斬りを放つ。
助走がないのでトップスピードがのらずあまりダメージは通らない。
雪男は切りつけた俺をターゲットにしたようだ。
ギラリと目を光らせこちらを向き直る。
こうなればこちらの勝ちだ。
「よく引き付けた! 終わりだぁぁ!」
バカラさんの渾身の拳が後ろから頭に突き刺さり、雪男の頭は爆散してダメージエフェクトになった。
「流石! バカラさん!」
「ふんっ! あったりめぇよ! 次だ! 行くぞ!」
次の雪男を目掛けて駆けて行く。
雪玉もいるのでどうしたものか。
「雪玉もシルド抑え込めるか!?」
「任せるのだ!」
シールドバッシュの勢いで雪玉を押していく。
暴れているので中々抑えられない。
「盾職の人! 抑えて!」
俺がそう叫ぶと周りにいた盾職はハッとして抑え込むのに協力してくれた。
「オラオラオラァ!」
バカラさんがどこかのチンピラの様に雪玉をタコ殴りにしてダメージエフェクトを溢れさせる。
何度かダメージを与えると完全に消えた。
バカラさんのステータスでここまでもつという事は相当タフだ。
「次々行きましょう!」
そこから雪玉を抑えて殴るを繰り返して行った。
元々動きの遅い雪玉はそれでいけたのだが、雪男はそうもいかなかった。
これまで、何人かのプレイヤーが雪男の攻撃を受け、デスペナをくらっている。
「ウオォォォォ!」
雪玉を相手取っていた俺達をみた雪男がこちらに向かってきてしまった。
「すまん! タゲが外れた!」
雪男を相手取っていたプレイヤーから謝罪の言葉が届いた。
「マジか! おい! マセラ!」
「行きます!」
それをうけて俺が出撃。
まだ距離がある。
トップスピードで迎え撃つ。
一瞬で肉薄した。
「しぃっ!」
首に一閃。
ダメージエフェクトが首から溢れる。
「後は頼みます! そのまま行きます!」
俺はそう宣言すると空中を駆けて続けて視界にいる雪男を次々と切りつけていく。
全部にダメージを与え終わったと思い立ち止まると全ての雪男が倒し終わっていた。
雪玉と残してきた雪男もバカラさんがなんとか倒したようだ。
「マセラこの野郎! しっかり倒してから行けよ!」
「はははっ! すみません! 残してもいけると思ったんで!」
「危なく死ぬとこだったわ!」
バカラさんに猛烈な批判を受け平謝りするしかなった。
「まぁ、いいじゃありませんか。マセラ様のおかげで雪男は片付きましたわ」
シルフィさんマジ優しいなぁと感動してしまった。
ネムさん以外に優しくされるのは中々ないからなぁ。
「まぁな。しっかし、雪はまだ溶けねぇのか?」
「次のモンスターたちはこの状態でくるんですかね?」
クランメンバーと話していると前に居た人が何やら騒いでいる。
「雪が! 雪が集まりだした!」
耳を疑い空に立ってみると確かに雪がそこかしこで一人でに動いてくっつき始めていた。
これはまた大規模な戦闘になりそうだなぁと冷たい汗が背中を震わせた。
皆には雪用のシューズを履くようにとお達しが出ている。
皆準備万端である。
「みんなー! 腹ごしらえはすんだなぁ!?」
「「「「おぉぉぉおぉぉ!」」」」
「出撃じゃぁぁぁぁぁぁぁ!」
「「「「おぉぉぉぉおぉぉぉ!」」」」
街から一斉に出撃して行くプレイヤー達。
一メートル以上積もった雪の上を踏みしめながら駆けていく。
その先にはホーンラビットが雪の中を飛び跳ねながら攻めてくる。
よく見るとその後ろからは雪玉を転がしている雪男が何体かいる。
前にいた集団がホーンラビットと激突した。
足止めをくらい中々前に進めない。
その隙に後ろの雪玉が雪男の手を離れて転がってきた。
「盾しょーく! 受け止めろー!」
────ズズゥゥゥンンッ
何とか受け止めた。
と思った時だった。
「うわぁぁぁ!」
一人のプレイヤーが叫び声を上げた。
声の方を見ると雪玉が立っていたのだ。
二本足で。
「なんだあれ?」
俺も思わず声を上げてしまった。
「ギャハハハハ! 雪玉が立ってるぜ! しかも目と鼻と口もあるじゃねぇか!」
バカラさんは笑っているが、笑い事ではない。腕と足は黒い何か。先端に雪が付いている。人が入っているのではないかと思うような姿だ。
「アイツ、なんやねん! 面倒くさ!」
応戦している人は倒そうとするがなかなか硬いみたいで剣でも槍でも砕けない。このエリアの気温がドンドン低くなっているので、雪玉は硬くなっていく。
俺も攻撃に加わろうと思うが前の人達が多くてなかなか前に行けない。空を駆けるしかないか。
「ワタクシは属性が氷の杖なので、攻撃が意味をなさないんですわ」
「シルフィ、威力下がってもいいから別の杖にした方がいいぜ」
バカラさんに指示を受けたシルフィは杖を装備し直す。
「いきますわ! ファイアーアロー!」
複数の炎の矢が雪玉に迫る。
激突した炎の矢は当たった部分の雪玉が溶けていく。
「溶けた所を狙えー!」
号令により溶けた所に集中した攻撃でダメージエフェクトが流れていっている。
ただ雪玉も黙っていなかった。
殴り掛かって来て前に居たプレイヤーをぶん殴った。
雪玉は後ろに飛び跳ねるとゴロゴロと後ろに転がったいく。すると欠損していた部分がもとに戻った。
こうなってはキリがない。
「なんだあれは!?」
「ギャハハハハ! ありゃやべぇな。一気に片付けないと。そらっ! 雪男もきたぞぉ!」
走っていた雪男は重低音を響かせながら駆けてくる。
「雪男がきたぞぉぉぉぉ!」
ソラさんの叫ぶ声が聞こえる。その瞬間、雪男が一斉に跳躍した。
「こっちに来るぞぉぉぉぉぉ!」
俺は咄嗟に叫んだ。
「ギャハハハハ! きたきたぁぁ! シルド! 止めてくれ!」
「任せるのだ!」
────ズドォォォォンッッ
「ぐぅぅ」
シルドさんが苦しそうな声を上げる。
「ナイスです! シルドさん!」
受け止めて少し硬直した雪男に渾身の踏み込みからの居合斬りを放つ。
助走がないのでトップスピードがのらずあまりダメージは通らない。
雪男は切りつけた俺をターゲットにしたようだ。
ギラリと目を光らせこちらを向き直る。
こうなればこちらの勝ちだ。
「よく引き付けた! 終わりだぁぁ!」
バカラさんの渾身の拳が後ろから頭に突き刺さり、雪男の頭は爆散してダメージエフェクトになった。
「流石! バカラさん!」
「ふんっ! あったりめぇよ! 次だ! 行くぞ!」
次の雪男を目掛けて駆けて行く。
雪玉もいるのでどうしたものか。
「雪玉もシルド抑え込めるか!?」
「任せるのだ!」
シールドバッシュの勢いで雪玉を押していく。
暴れているので中々抑えられない。
「盾職の人! 抑えて!」
俺がそう叫ぶと周りにいた盾職はハッとして抑え込むのに協力してくれた。
「オラオラオラァ!」
バカラさんがどこかのチンピラの様に雪玉をタコ殴りにしてダメージエフェクトを溢れさせる。
何度かダメージを与えると完全に消えた。
バカラさんのステータスでここまでもつという事は相当タフだ。
「次々行きましょう!」
そこから雪玉を抑えて殴るを繰り返して行った。
元々動きの遅い雪玉はそれでいけたのだが、雪男はそうもいかなかった。
これまで、何人かのプレイヤーが雪男の攻撃を受け、デスペナをくらっている。
「ウオォォォォ!」
雪玉を相手取っていた俺達をみた雪男がこちらに向かってきてしまった。
「すまん! タゲが外れた!」
雪男を相手取っていたプレイヤーから謝罪の言葉が届いた。
「マジか! おい! マセラ!」
「行きます!」
それをうけて俺が出撃。
まだ距離がある。
トップスピードで迎え撃つ。
一瞬で肉薄した。
「しぃっ!」
首に一閃。
ダメージエフェクトが首から溢れる。
「後は頼みます! そのまま行きます!」
俺はそう宣言すると空中を駆けて続けて視界にいる雪男を次々と切りつけていく。
全部にダメージを与え終わったと思い立ち止まると全ての雪男が倒し終わっていた。
雪玉と残してきた雪男もバカラさんがなんとか倒したようだ。
「マセラこの野郎! しっかり倒してから行けよ!」
「はははっ! すみません! 残してもいけると思ったんで!」
「危なく死ぬとこだったわ!」
バカラさんに猛烈な批判を受け平謝りするしかなった。
「まぁ、いいじゃありませんか。マセラ様のおかげで雪男は片付きましたわ」
シルフィさんマジ優しいなぁと感動してしまった。
ネムさん以外に優しくされるのは中々ないからなぁ。
「まぁな。しっかし、雪はまだ溶けねぇのか?」
「次のモンスターたちはこの状態でくるんですかね?」
クランメンバーと話していると前に居た人が何やら騒いでいる。
「雪が! 雪が集まりだした!」
耳を疑い空に立ってみると確かに雪がそこかしこで一人でに動いてくっつき始めていた。
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