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41.スノーゴーレム襲来
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一人でに動き出した雪たちは固まっていき徐々に人のような様相を呈してきた。
「でけぇな。ありゃ。スノーゴーレムってか!?」
高さが五メートル程あろうかという雪のゴーレムが出来上がった。
こういうモンスターには弱点がつきものだが、今の所何も弱点らしきものは見当たらない。
ゴーレムは見渡した限り十体ほどいる。
それぞれが複数パーティで事にあたるようなレイド規模だ。
どうするのかと様子を伺っているとソラさんが指示を出した。
「それぞれのパーティ、もしくはクラン毎に人数を見ながらゴーレムを倒して欲しい! 各々の判断に委ねる! 絶対倒すぞぉぉぉ!」
「「「「おおぉぉぉぉぉ!」」」」
ゴーレムがこちらに進行してきた。
「俺達はあのゴーレムを相手取るぞ!」
バカラさんの指示に従い、タゲをとることを優先して攻撃する。
「シルフィ! 頼む!」
「わかりましたわ! ファイアーボール!」
炎の球が一体のスノーゴーレムに飛んでいく。胸の辺りにあたりこちらを認識したようだ。
重そうな身体を動かしながらこちらに歩いてくる。
「よぉーしっ! そのまま後ろに下がれー!」
後ろに下がって他のゴーレムと距離をとる。こうすることで他のパーティやクランの邪魔をしないようにするのだ。
たまにシルフィが炎の球を撃ったりしながら下がっていき、広い所を確保した。
「よしっ! マセラ行ってこい!」
なんだか扱いが酷いようなところは気になる。しかし、俺が行かなければまずい状況である。
宙を蹴り上へと跳ぶ。
少し距離を取り離れた所から助走を取ってトップスピードで肉薄する。
「しっ!」
渾身の居合を放ったのだが、腕に阻まれてしまった。だが、ゴーレムの片腕はなくなった。
「どこ狙ってんだよ! ちゃんと狙えー!」
そんなことをバカラさんが言っている。ホントに扱いが酷くて涙が出そうである。
だが、こんな時はネムさんの笑顔を思い出すんだ。
さっきまで俺に生姜焼きをくれていたではないか。
あの笑顔を守る為なら俺は何だってできる。
身体から力が漲って来るではないか。
「はぁぁぁ!」
渾身の踏み込みで肉薄すると背をのけ反って避けられてしまった。そんなことをゴーレムがするとは予想外過ぎた。そして確信した。頭への攻撃を避けるという事はそこが弱点のハズだ。
通り過ぎてしまったので、後ろから頭を狙う。
すると、俺が見えなくなったからか、目の前にいたバカラさん達へ向けて拳を振り上げていたのだ。
「やばっ!」
咄嗟に振り上げていた腕を狙って切り飛ばす。これで両手がないから攻撃できないはずだ。そう思っていた。
今度は蹴りを放ってきたのだ。これはシルドさんが何とか抑え込んだ。
障害がなくなった俺は頭をとどめを刺しに行く。
「しっ!」
放たれた居合は頭を切り裂いて上半分は下へ落ちて行った。
「よっしゃぁ」
手を挙げて勝鬨を上げて皆の元へ戻る。
ゴーレムには背を向けていたのだが、急に暗くなった。
上を見るとゴーレムの足が迫っていたのだ。
「おい! マセラ!」
「しっかり倒せや!」
「うわぁぁぁ!」
なんとか転げるようにしてその足による踏み付けを避ける。
すぐ横を衝撃が通り過ぎた。
身体と足だけで動いているゴーレム。
「なんじゃこりゃ!」
変な形で活動を続ける奴をどうしたらいいのか。
答えは簡単だった。
「ギャハハハハ! ありゃあ、全部切り離さないとダメだんじゃねぇか!?」
そうか。それは盲点だった。
上が亡くなって動きやすくなったのか、急に動きが速くなった。
縦横無尽に動く足を何とかよけながら空中に繰り出す。
そして、胴体を目掛けて肉薄する。
なんと胴体をのけ反ったかを思ったら体当たりをしてきた。
もう進路変更なんぞできないほどのスピードが出ていた。
「うらぁぁぁぁ!」
渾身の居合期斬りを放つ。
体当たりと衝突した結果。
刀の耐久性がなくなり折れてしまったのだ。
その代わり相打ちでゴーレムの方も砕け散り、活動を休止させた。
「のぉぉぉぉぉぉ!」
俺は折れた刀を手にして血の涙を流していた。
「ギャハハハハ! まさかのレアな武器が耐久性を無くすとは。相当硬かったんだな!」
「ぷっ。ドンマイやマセラ。ワイが武器作ったるさかいに」
「ほんとうでずがぁぁ? おでのがだながぁぁ! ごれじがないのにぃぃ」
絶望のあまり話すこともままならない。
「ギャハハハハ! ご愁傷様だったなぁ。イベント、後は見てるだけかぁ? ギャハハハハ!」
その言葉で再び絶望する。
「マセラ様、初期装備があるのではないですの?」
頭の上から後光がさしているように見えたシルフィ。
そうだよ。初期装備があるじゃん。しかも耐久性無限のやつ。
「シルフィ! ありがとう」
思わず手を握って顔の目の前でお礼を言ってしまった。
「べ、別にいいのですわ。そんなに近づかれると……」
「あっ! すまん!」
咄嗟に離れる。こころなしかシルフィの顔が赤い気がする。大丈夫だろうか。
「よかったじゃねぇか。他が終わるの待とうぜ」
ここからは皆が終わるのを待った。最速は俺達だったみたいだ。倒し方を見て次々とやられていくスノーゴーレム。
ご愁傷さまだったな。
こうして第四波は終わった。
「でけぇな。ありゃ。スノーゴーレムってか!?」
高さが五メートル程あろうかという雪のゴーレムが出来上がった。
こういうモンスターには弱点がつきものだが、今の所何も弱点らしきものは見当たらない。
ゴーレムは見渡した限り十体ほどいる。
それぞれが複数パーティで事にあたるようなレイド規模だ。
どうするのかと様子を伺っているとソラさんが指示を出した。
「それぞれのパーティ、もしくはクラン毎に人数を見ながらゴーレムを倒して欲しい! 各々の判断に委ねる! 絶対倒すぞぉぉぉ!」
「「「「おおぉぉぉぉぉ!」」」」
ゴーレムがこちらに進行してきた。
「俺達はあのゴーレムを相手取るぞ!」
バカラさんの指示に従い、タゲをとることを優先して攻撃する。
「シルフィ! 頼む!」
「わかりましたわ! ファイアーボール!」
炎の球が一体のスノーゴーレムに飛んでいく。胸の辺りにあたりこちらを認識したようだ。
重そうな身体を動かしながらこちらに歩いてくる。
「よぉーしっ! そのまま後ろに下がれー!」
後ろに下がって他のゴーレムと距離をとる。こうすることで他のパーティやクランの邪魔をしないようにするのだ。
たまにシルフィが炎の球を撃ったりしながら下がっていき、広い所を確保した。
「よしっ! マセラ行ってこい!」
なんだか扱いが酷いようなところは気になる。しかし、俺が行かなければまずい状況である。
宙を蹴り上へと跳ぶ。
少し距離を取り離れた所から助走を取ってトップスピードで肉薄する。
「しっ!」
渾身の居合を放ったのだが、腕に阻まれてしまった。だが、ゴーレムの片腕はなくなった。
「どこ狙ってんだよ! ちゃんと狙えー!」
そんなことをバカラさんが言っている。ホントに扱いが酷くて涙が出そうである。
だが、こんな時はネムさんの笑顔を思い出すんだ。
さっきまで俺に生姜焼きをくれていたではないか。
あの笑顔を守る為なら俺は何だってできる。
身体から力が漲って来るではないか。
「はぁぁぁ!」
渾身の踏み込みで肉薄すると背をのけ反って避けられてしまった。そんなことをゴーレムがするとは予想外過ぎた。そして確信した。頭への攻撃を避けるという事はそこが弱点のハズだ。
通り過ぎてしまったので、後ろから頭を狙う。
すると、俺が見えなくなったからか、目の前にいたバカラさん達へ向けて拳を振り上げていたのだ。
「やばっ!」
咄嗟に振り上げていた腕を狙って切り飛ばす。これで両手がないから攻撃できないはずだ。そう思っていた。
今度は蹴りを放ってきたのだ。これはシルドさんが何とか抑え込んだ。
障害がなくなった俺は頭をとどめを刺しに行く。
「しっ!」
放たれた居合は頭を切り裂いて上半分は下へ落ちて行った。
「よっしゃぁ」
手を挙げて勝鬨を上げて皆の元へ戻る。
ゴーレムには背を向けていたのだが、急に暗くなった。
上を見るとゴーレムの足が迫っていたのだ。
「おい! マセラ!」
「しっかり倒せや!」
「うわぁぁぁ!」
なんとか転げるようにしてその足による踏み付けを避ける。
すぐ横を衝撃が通り過ぎた。
身体と足だけで動いているゴーレム。
「なんじゃこりゃ!」
変な形で活動を続ける奴をどうしたらいいのか。
答えは簡単だった。
「ギャハハハハ! ありゃあ、全部切り離さないとダメだんじゃねぇか!?」
そうか。それは盲点だった。
上が亡くなって動きやすくなったのか、急に動きが速くなった。
縦横無尽に動く足を何とかよけながら空中に繰り出す。
そして、胴体を目掛けて肉薄する。
なんと胴体をのけ反ったかを思ったら体当たりをしてきた。
もう進路変更なんぞできないほどのスピードが出ていた。
「うらぁぁぁぁ!」
渾身の居合期斬りを放つ。
体当たりと衝突した結果。
刀の耐久性がなくなり折れてしまったのだ。
その代わり相打ちでゴーレムの方も砕け散り、活動を休止させた。
「のぉぉぉぉぉぉ!」
俺は折れた刀を手にして血の涙を流していた。
「ギャハハハハ! まさかのレアな武器が耐久性を無くすとは。相当硬かったんだな!」
「ぷっ。ドンマイやマセラ。ワイが武器作ったるさかいに」
「ほんとうでずがぁぁ? おでのがだながぁぁ! ごれじがないのにぃぃ」
絶望のあまり話すこともままならない。
「ギャハハハハ! ご愁傷様だったなぁ。イベント、後は見てるだけかぁ? ギャハハハハ!」
その言葉で再び絶望する。
「マセラ様、初期装備があるのではないですの?」
頭の上から後光がさしているように見えたシルフィ。
そうだよ。初期装備があるじゃん。しかも耐久性無限のやつ。
「シルフィ! ありがとう」
思わず手を握って顔の目の前でお礼を言ってしまった。
「べ、別にいいのですわ。そんなに近づかれると……」
「あっ! すまん!」
咄嗟に離れる。こころなしかシルフィの顔が赤い気がする。大丈夫だろうか。
「よかったじゃねぇか。他が終わるの待とうぜ」
ここからは皆が終わるのを待った。最速は俺達だったみたいだ。倒し方を見て次々とやられていくスノーゴーレム。
ご愁傷さまだったな。
こうして第四波は終わった。
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