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32.想定外
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地底湖から先に進むとまた分かれ道があった。松明で風を読むやり方で進んでいる。
「ストッ……プッ!」
また影が見えたので皆に止まるように指示を出し、同時にナイフを投げる。
「ギェェェ」
目に突き刺さったナイフに手をあててもがくリザードマンに即座に近寄りナイフでトドメをさす。
「よしっ! 行こう」
「なんか、やる気になってねぇ?」
賢人が茶化すように言う。
「 そ、そう? そんな事ないよ」
照れ隠しに誤魔化したが、たしかにさっきのやりとりで僕のやり気には火が灯った。そして、このパーティーを守らなければという使命感にも。
松明のある洞窟を歩いているとちょこちょこリザードマンが出てくるが危なげなく処理できている。
「なんかモンスター少なくないか?」
賢人が眉間に皺を寄せながら言った。
そう言われればBランクダンジョンなのになんかおかしいかもしれない。
「更に警戒して進もう」
少しゆっくり洞窟を進んでいく。
また地底湖の部屋に出た。
静かだ。
滴が地底湖に落ちる。
────ピチャン
「ギシャシャシャシャ」
「ギシャシャシャギャシャ」
「ギャシャシャシャ」
次々と地底湖の中から顔を出したリザードマン達。そのままはい出てこようとするが、引きずるように渦ができ始めた。
「なんか渦になってるっすよ!?」
猛が声を上げる。
────ボリッボリッグチャッヌチャッ
異様な骨が砕けるような音が鳴り響く。
地底湖の空間をその音が支配し、僕たちは顔を青くさせる。何が来るんだろうと。このダンジョン何かおかしいともっと早く疑問に思っていれば逃がす時間を稼げたのに。
「グルルルルォォォォオォ」
地底湖から姿を現したのは、歪な形をしたリザードマンロード。ドラゴンのような様相だがなんだか形が歪である。腕が四本、脚も三本、頭は二本出ている。リザードマンなんかより大きい。四メートルあるのでは無いかと言うくらいの大きさ。
吸収したからこのような体になったのかは不明だが、嫌な感じの空気が伝わってくる。強敵だし、恐らく正気ではない。
「あれは、リザードマンロード? なんか歪だね。僕の整理の穴には落とせないよ?」
「だな。いつも通り戦うしかない! 猛!」
「任せるっす! 絶対止めるっすよぉ! 【不動明王】」
僕のスキルでは即倒すのは難しいというのは伝えた。賢人も猛も理解してくれたので、今から倒す。
────ズガァアアアアンンンッ
凄まじい衝撃だが、ビクともしない猛は頼りになる。
僕はその隙にナイフを目に向けて投げる。
弾かれた。
「グルアアアア!」
痛みに暴れている。
隠して投げていた二投目がもう片方の目に刺さってくれたようだ。残った目でこちらを睨みつけてきている。
「私もやる! ファイヤーストーム!」
中級魔法を何とか使っているようだ。まだ制御が難しいらしい。が威力は申し分ない。リザードマンロードが炎の渦に巻き込まれる。
「グルルアアアアアア」
口にエネルギーを溜めるリザードマンロード。
「まずい! 【整頓】」
僕達の前に猛を配置してその後ろに僕、賢人、奈々と配置換えする。
「グルルルェェェェェ」
────ズドオォォォォォォォ
高エネルギー砲の為周囲への影響が大きい。
僕たちがいたところ以外がクレーターになっていた。
「これやべぇな! アイツAランク?」
「なんか、もっと上っぽいよね? 何なんだろう?」
賢人の問いに僕も思った事を口にしてみる。その位強いと思う。なんなのだろうあれは。
「言っててもしょうがないね。やるよ!」
「「「おう!」」」
皆で気を引き締めてことに当たる。
「僕が引きつける! 奈々最大火力! 賢人も決めるつもりで! 猛、守りは頼んだ!」
「わかったよ!」
「おうよ!」
「任せるっす!」
声をかけたら駆ける。少し横に、奈々達が射線から外れるように位置取りナイフを投げる。
僅かに硬い皮膚を傷つけた。
「いけるかも! 【槍出して】」
黒い穴からポンッと出現する槍。
それを受け取ると傷を目かけて投擲する。
────ザクッ
傷口に見事に槍が突き刺さった。
「よっ───」
───ゴシャッ
横から迫っていたシッポに気が付かなかった。
リザードマンロードってこんなにしっぽ長いっけ。そんな事を考えながら吹き飛ばされる。
壁にたたきつけられた。
腕が燃えるように熱い。
視線を下ろすと腕が本来曲がらない方を向いている。
「「「収斗!?」」」
「奈々! 雷魔法!」
みんな心配してくれるけど、このチャンスは逃さない。
「うん! 魔力持ってけ! ライジングキャノン!」
奈々の手に膨大な魔力が集まり、放電しながら凄まじい極太のイナズマが駆け抜けた。
一瞬なので音はあとからやってくる。
雷が落ちたような凄まじい音がする中、放った方を注視する。煙に包まれた先にはまだやつは生きているのか。
「グルルルオオオオオ」
生きていた。
「けん────」
「────首天胴地《しゅてんどうじ》」
────ズバッッッッ
リザードマンロードの得体の知れないからだは二つの頭を同時に失い、大きな音を立てて倒れた。
「流石、賢人!」
「はっはははっ! やったぜ!」
その時賢人に迫る何かを見た。
「【整頓】」
────ザクッ
僕のお腹から剣が生えていた。
「しゅうとぉぉぉぉぉぉ!」
僕……どうなるの……かな。
「ストッ……プッ!」
また影が見えたので皆に止まるように指示を出し、同時にナイフを投げる。
「ギェェェ」
目に突き刺さったナイフに手をあててもがくリザードマンに即座に近寄りナイフでトドメをさす。
「よしっ! 行こう」
「なんか、やる気になってねぇ?」
賢人が茶化すように言う。
「 そ、そう? そんな事ないよ」
照れ隠しに誤魔化したが、たしかにさっきのやりとりで僕のやり気には火が灯った。そして、このパーティーを守らなければという使命感にも。
松明のある洞窟を歩いているとちょこちょこリザードマンが出てくるが危なげなく処理できている。
「なんかモンスター少なくないか?」
賢人が眉間に皺を寄せながら言った。
そう言われればBランクダンジョンなのになんかおかしいかもしれない。
「更に警戒して進もう」
少しゆっくり洞窟を進んでいく。
また地底湖の部屋に出た。
静かだ。
滴が地底湖に落ちる。
────ピチャン
「ギシャシャシャシャ」
「ギシャシャシャギャシャ」
「ギャシャシャシャ」
次々と地底湖の中から顔を出したリザードマン達。そのままはい出てこようとするが、引きずるように渦ができ始めた。
「なんか渦になってるっすよ!?」
猛が声を上げる。
────ボリッボリッグチャッヌチャッ
異様な骨が砕けるような音が鳴り響く。
地底湖の空間をその音が支配し、僕たちは顔を青くさせる。何が来るんだろうと。このダンジョン何かおかしいともっと早く疑問に思っていれば逃がす時間を稼げたのに。
「グルルルルォォォォオォ」
地底湖から姿を現したのは、歪な形をしたリザードマンロード。ドラゴンのような様相だがなんだか形が歪である。腕が四本、脚も三本、頭は二本出ている。リザードマンなんかより大きい。四メートルあるのでは無いかと言うくらいの大きさ。
吸収したからこのような体になったのかは不明だが、嫌な感じの空気が伝わってくる。強敵だし、恐らく正気ではない。
「あれは、リザードマンロード? なんか歪だね。僕の整理の穴には落とせないよ?」
「だな。いつも通り戦うしかない! 猛!」
「任せるっす! 絶対止めるっすよぉ! 【不動明王】」
僕のスキルでは即倒すのは難しいというのは伝えた。賢人も猛も理解してくれたので、今から倒す。
────ズガァアアアアンンンッ
凄まじい衝撃だが、ビクともしない猛は頼りになる。
僕はその隙にナイフを目に向けて投げる。
弾かれた。
「グルアアアア!」
痛みに暴れている。
隠して投げていた二投目がもう片方の目に刺さってくれたようだ。残った目でこちらを睨みつけてきている。
「私もやる! ファイヤーストーム!」
中級魔法を何とか使っているようだ。まだ制御が難しいらしい。が威力は申し分ない。リザードマンロードが炎の渦に巻き込まれる。
「グルルアアアアアア」
口にエネルギーを溜めるリザードマンロード。
「まずい! 【整頓】」
僕達の前に猛を配置してその後ろに僕、賢人、奈々と配置換えする。
「グルルルェェェェェ」
────ズドオォォォォォォォ
高エネルギー砲の為周囲への影響が大きい。
僕たちがいたところ以外がクレーターになっていた。
「これやべぇな! アイツAランク?」
「なんか、もっと上っぽいよね? 何なんだろう?」
賢人の問いに僕も思った事を口にしてみる。その位強いと思う。なんなのだろうあれは。
「言っててもしょうがないね。やるよ!」
「「「おう!」」」
皆で気を引き締めてことに当たる。
「僕が引きつける! 奈々最大火力! 賢人も決めるつもりで! 猛、守りは頼んだ!」
「わかったよ!」
「おうよ!」
「任せるっす!」
声をかけたら駆ける。少し横に、奈々達が射線から外れるように位置取りナイフを投げる。
僅かに硬い皮膚を傷つけた。
「いけるかも! 【槍出して】」
黒い穴からポンッと出現する槍。
それを受け取ると傷を目かけて投擲する。
────ザクッ
傷口に見事に槍が突き刺さった。
「よっ───」
───ゴシャッ
横から迫っていたシッポに気が付かなかった。
リザードマンロードってこんなにしっぽ長いっけ。そんな事を考えながら吹き飛ばされる。
壁にたたきつけられた。
腕が燃えるように熱い。
視線を下ろすと腕が本来曲がらない方を向いている。
「「「収斗!?」」」
「奈々! 雷魔法!」
みんな心配してくれるけど、このチャンスは逃さない。
「うん! 魔力持ってけ! ライジングキャノン!」
奈々の手に膨大な魔力が集まり、放電しながら凄まじい極太のイナズマが駆け抜けた。
一瞬なので音はあとからやってくる。
雷が落ちたような凄まじい音がする中、放った方を注視する。煙に包まれた先にはまだやつは生きているのか。
「グルルルオオオオオ」
生きていた。
「けん────」
「────首天胴地《しゅてんどうじ》」
────ズバッッッッ
リザードマンロードの得体の知れないからだは二つの頭を同時に失い、大きな音を立てて倒れた。
「流石、賢人!」
「はっはははっ! やったぜ!」
その時賢人に迫る何かを見た。
「【整頓】」
────ザクッ
僕のお腹から剣が生えていた。
「しゅうとぉぉぉぉぉぉ!」
僕……どうなるの……かな。
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