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45.ゴッツさんとクーガさん
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「そうかぁーー。良かったぜ。役に立って!」
こう言って胸をなで下ろしているのはゴッツさんだ。
いざ、旅立とうとした時にばったり会ったのであった。
会おうとしていたのに昨日のアーノルド家での出来事と、今日のギルドでの出来事で忘れてたなんて、そんなことは言えない。
時を少し遡ろう。
『はい! では、行きましょう! お姫様!』
「あっ! そのローブはナイルか!? あれ!? ミリアも居るじゃないか!」
さっきの事があるので、ちょっと外へと促して一緒に外でお茶をしながら話をすることにした。
俺はコーヒー。ゴッツさんとクーガさんはエール。ミリアはハチミツミルクを頼んだ。すぐに飲み物が来たために話を再開する。
『実は、ゴッツさんの言っていた通りレベル100になって進化の条件を満たした時にミリアを生き返らせることが出来ました。本当に有難う御座いました』
「有難う御座います!」
俺とミリアは深々と頭を下げた。
ゴッツさんには本当に感謝している。
何か返せるものでもあればいいのだが。
『ホントに貴重な情報を有難う御座います。なにかお礼が出来ればいいんですが』
ゴッツさんは目を瞑り少し考えた後に目を見開いてこちらを見つめた。
「情報で返してくれればいい。実の所、伝承であって実際に生き返らせた人の話は聞いたことがないんだ。詳しく教えてくれないか?」
『それでいいなら、まず────』
そこからは詳しくレベルアップの状況、進化の選択肢に最初は生き返らせる項目がなかったこと。
世界の声にお願いしたら削除されていたと言われたこと。そして、髪の毛を持っていたことにより生き返らせることが出来たということ。
全て詳しく話した。
そして、レベルが1になりミリアもレベルはそのままだからスキルポイントはあったが、スキルが全部解除になっているということ。
頷きながら、たまに目を見張ったり顔を顰めたりしていたが、話が終わると深く息を吐いた。
「かなり伝承とは違かったみたいだな。本当にミリアが生き返ることが出来てよかったな?」
『本当に感謝しています!』
「実は、俺も不安だったんだ。あんなことを言ったけど、本当に生き返らせることなんて出来るのか!? ってな。ホッとしたぜぇ」
「ヨナッタナ! ナイル!」
『クーガさんも有難う御座います! ホントに、良かったです。でも、ゴッツさんとクーガさんのあの時の励ましが無ければ、俺の心は折れていたかも知れません。本当に有難う御座いました!』
「良いってことよ!」
そう言うとエールを煽った。
「いやー! お祝いしたいところだなぁ!? なっ!? クーガ!?」
「ソウダナ」
まぁ、自分達も急ぐ旅では無い。
チラリとミリアを見ると頷いてくれた。
『では、お言葉に甘えて皆でお祝いと行きましょう!』
「それなら、俺が出すぜぇ! じゃあ、移動だ!」
ゴッツさんの行きつけの店に行くことになり、魚介系のあるお店だったので刺身とエールで乾杯した。
そこでまた色々と聞くことにしたのである。
「実は俺、進化の時にちゃんと進化先のリスト見てなかったんですよ。ヴァンパイアとかリビングアーマーとかアンデッド系があったと思うんですけど、人間ってなれるんですか?」
少し上を向いてその時のことを思い出しているようだった。
少しの沈黙の後に口を開いた。
「人間って項目はなかったと思う。何か違う名称だった様な。ちょっと思い出せねぇな。すまない。実はな────」
そこからはクーガさんのテイムした時の話とこれまでのゴッツさん達の話を聞くことが出来た。
ゴッツさんは元々一人で戦えるようになる為に旅をしていて戦い方を勉強していたんだそうだ。
そんな時にクーガさんと会ったそうなんだが、クーガさんは今では剣を持って戦っているが、元は手が物を握れるような形ではなくボクシングのグローブのような形をしている種族だったんだそう。
クーガさんはずっと武器が使いたくてそれを願って日々鍛錬していたんだそうだが、モンスターが鍛錬しただけではレベルが上がる訳ではない。
一番最初は敵同士。ゴッツさんも素手で戦い、結果は引き分けであったそうだ。両者とも力がなくなり倒れてしまったんだとか。
それで仲良くなった二人。ゴッツさんはクーガさんをテイムすることに決め、一緒に旅に出て居たんだそうだ。
俺達とは理由が違うが、進化を目指すのは一緒だな。
「それで、どこでレベルを上げるんだ?」
『北に行こうかと思ってます』
「あぁ、未開拓地帯な。あそこは危険だが、レベルは上がるのが早い。正解かもな。それでな、変な爺さんがいるからあったら宜しくな!」
『変な爺さんですか?』
「俺に戦い方を教えてくれたんだ。どこにあるのか家の場所は分からないが、もしあったらナイルも戦いを学ぶといい」
『是非会いたいですね』
「私も会ってみたいなー! 頑張って探そうね!」
ミリアも乗り気みたいでよかった。
楽しみが増えたな。
「しかしよぉ、ナイルはなんでそんなに強えんだ? ずっと不思議だったんだよぉ」
答えようかどうか迷うところだが、ここまで話してくれたんだ。俺も話さないとな。
『実は、前世の記憶があるんです』
「っ!? そんな事が?」
『はい。前世では剣聖と呼ばれる人間でした』
「ははははっ! いやー。これで謎は解けたわ! だから強えんだ。クーガも頑張んねぇとな?」
「オレモ、ケンセイヲメザソウ」
二人は楽しそうにこれからの事を話していた。俺達も、楽しい未来になる為に頑張ろうな。隣にいたミリアを見ると。
ニコッと笑ってくれた。
俺の心は念話が無くてもミリアには分かるらしい。
こう言って胸をなで下ろしているのはゴッツさんだ。
いざ、旅立とうとした時にばったり会ったのであった。
会おうとしていたのに昨日のアーノルド家での出来事と、今日のギルドでの出来事で忘れてたなんて、そんなことは言えない。
時を少し遡ろう。
『はい! では、行きましょう! お姫様!』
「あっ! そのローブはナイルか!? あれ!? ミリアも居るじゃないか!」
さっきの事があるので、ちょっと外へと促して一緒に外でお茶をしながら話をすることにした。
俺はコーヒー。ゴッツさんとクーガさんはエール。ミリアはハチミツミルクを頼んだ。すぐに飲み物が来たために話を再開する。
『実は、ゴッツさんの言っていた通りレベル100になって進化の条件を満たした時にミリアを生き返らせることが出来ました。本当に有難う御座いました』
「有難う御座います!」
俺とミリアは深々と頭を下げた。
ゴッツさんには本当に感謝している。
何か返せるものでもあればいいのだが。
『ホントに貴重な情報を有難う御座います。なにかお礼が出来ればいいんですが』
ゴッツさんは目を瞑り少し考えた後に目を見開いてこちらを見つめた。
「情報で返してくれればいい。実の所、伝承であって実際に生き返らせた人の話は聞いたことがないんだ。詳しく教えてくれないか?」
『それでいいなら、まず────』
そこからは詳しくレベルアップの状況、進化の選択肢に最初は生き返らせる項目がなかったこと。
世界の声にお願いしたら削除されていたと言われたこと。そして、髪の毛を持っていたことにより生き返らせることが出来たということ。
全て詳しく話した。
そして、レベルが1になりミリアもレベルはそのままだからスキルポイントはあったが、スキルが全部解除になっているということ。
頷きながら、たまに目を見張ったり顔を顰めたりしていたが、話が終わると深く息を吐いた。
「かなり伝承とは違かったみたいだな。本当にミリアが生き返ることが出来てよかったな?」
『本当に感謝しています!』
「実は、俺も不安だったんだ。あんなことを言ったけど、本当に生き返らせることなんて出来るのか!? ってな。ホッとしたぜぇ」
「ヨナッタナ! ナイル!」
『クーガさんも有難う御座います! ホントに、良かったです。でも、ゴッツさんとクーガさんのあの時の励ましが無ければ、俺の心は折れていたかも知れません。本当に有難う御座いました!』
「良いってことよ!」
そう言うとエールを煽った。
「いやー! お祝いしたいところだなぁ!? なっ!? クーガ!?」
「ソウダナ」
まぁ、自分達も急ぐ旅では無い。
チラリとミリアを見ると頷いてくれた。
『では、お言葉に甘えて皆でお祝いと行きましょう!』
「それなら、俺が出すぜぇ! じゃあ、移動だ!」
ゴッツさんの行きつけの店に行くことになり、魚介系のあるお店だったので刺身とエールで乾杯した。
そこでまた色々と聞くことにしたのである。
「実は俺、進化の時にちゃんと進化先のリスト見てなかったんですよ。ヴァンパイアとかリビングアーマーとかアンデッド系があったと思うんですけど、人間ってなれるんですか?」
少し上を向いてその時のことを思い出しているようだった。
少しの沈黙の後に口を開いた。
「人間って項目はなかったと思う。何か違う名称だった様な。ちょっと思い出せねぇな。すまない。実はな────」
そこからはクーガさんのテイムした時の話とこれまでのゴッツさん達の話を聞くことが出来た。
ゴッツさんは元々一人で戦えるようになる為に旅をしていて戦い方を勉強していたんだそうだ。
そんな時にクーガさんと会ったそうなんだが、クーガさんは今では剣を持って戦っているが、元は手が物を握れるような形ではなくボクシングのグローブのような形をしている種族だったんだそう。
クーガさんはずっと武器が使いたくてそれを願って日々鍛錬していたんだそうだが、モンスターが鍛錬しただけではレベルが上がる訳ではない。
一番最初は敵同士。ゴッツさんも素手で戦い、結果は引き分けであったそうだ。両者とも力がなくなり倒れてしまったんだとか。
それで仲良くなった二人。ゴッツさんはクーガさんをテイムすることに決め、一緒に旅に出て居たんだそうだ。
俺達とは理由が違うが、進化を目指すのは一緒だな。
「それで、どこでレベルを上げるんだ?」
『北に行こうかと思ってます』
「あぁ、未開拓地帯な。あそこは危険だが、レベルは上がるのが早い。正解かもな。それでな、変な爺さんがいるからあったら宜しくな!」
『変な爺さんですか?』
「俺に戦い方を教えてくれたんだ。どこにあるのか家の場所は分からないが、もしあったらナイルも戦いを学ぶといい」
『是非会いたいですね』
「私も会ってみたいなー! 頑張って探そうね!」
ミリアも乗り気みたいでよかった。
楽しみが増えたな。
「しかしよぉ、ナイルはなんでそんなに強えんだ? ずっと不思議だったんだよぉ」
答えようかどうか迷うところだが、ここまで話してくれたんだ。俺も話さないとな。
『実は、前世の記憶があるんです』
「っ!? そんな事が?」
『はい。前世では剣聖と呼ばれる人間でした』
「ははははっ! いやー。これで謎は解けたわ! だから強えんだ。クーガも頑張んねぇとな?」
「オレモ、ケンセイヲメザソウ」
二人は楽しそうにこれからの事を話していた。俺達も、楽しい未来になる為に頑張ろうな。隣にいたミリアを見ると。
ニコッと笑ってくれた。
俺の心は念話が無くてもミリアには分かるらしい。
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