やる気が出る3つの DADA

【緊急事態（22）】ジパング×ジパング×ジパング⇔ウイルスの名前？⇔兄貴を探せ、そろそろ

「ジパングの人たちの、ウイルス感染が少ない理由か」
　倉橋が言った。
　正直いって、分からなかった。専門家でさえ分からないものを【未完のアンドロイド】の倉橋が、説明できるはずもなかった。
「分からないって、顔に書いてあるぅ」
　少女Ｇが笑う。
　少女は、ガスマスクをつけたまま、（あっかんべー）をした。
「かわいい」
　倉橋が呟いた。
　いうまでもなく、（あっかんべー）をした少女は、超キュートだった。

「きっとね、あなたが言っていたように、清潔な人々だからだよ、ジパングの人々は」
「清潔？」
「うん。まず、ジパング国民は、もとからマスク超好きだし。それに、靴を部屋の外で脱ぐでしょ。これは、室内も土足の欧米と、明らかに違う。ジパングの人々は、手洗いも好きだし、ハグする習慣も無いし……ゴキブリも嫌いだし……」
　倉橋は、言葉に詰まった。
　やはり、的を得た上手い説明ができそうになかった。専門家でさえ分からないものを【未完のアンドロイド】の倉橋が、説明できるはずもなかった
　　
「……実はね」
　少女が切り出す。
「実は？」
「ある人物が、事前にウイルスを撒いたからだって、説があるの」
　少女Ｇが言った。
「ウイルス？　ある人物？」
「そう。それで、初めから集団免疫ができていたんだって。私の国の専門家のなかでは、割と知られている説なの……」
「へえ。そのウイルスの名前は？」
　倉橋が聞いた。

「ダチュラ」
　少女がきっぱりと言った。