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26. 五夜、情欲を抑制すべし②※

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「······ええ、と······、」

「皇国では、男性は神殿に寄付をする事でこのの施しを受けることができます」

? ですか?」


「 はい、我々巫女は女神『サーシャ』の使者として、神殿長の元で経験を積み治癒の技術を習得しております。 我々は大聖女であられた女神様のように全ての治癒を回復させる事は出来ませんが、小さな治癒でしたら此処で回復させることが出来ます」


「 ······男性は分かったのですが。では女性は? 
 怪我などをした女性は、誰が治癒するのですか?」

「女性であれば、男の神官が対処致します。
 ですが、治癒はとても貴重な能力です。私共の力にも限りがあります。 ですので、寄付が必要になるこの治癒に、あまり女性は来られないですね」


 なるほど、とリリアーナは納得する。
 基本的に、男性に養われている女性に治癒をうける権利はない、という事なのだろう。その治癒も神官との性交渉を伴って行われるのだから、余計に。きっと普通に治癒する事も可能なのだろうが、それをしない。


 ───のか、のか、は不明だが。


 そんな時、脇からやってきた他の巫女がサニヤの耳元で何かを告げた。そして彼女は頷くとリリアーナを振り返る。


「リリアーナ様。本日は誠に運が良いようです。
 一人新しい巫女が『神力』を神殿長から授かる儀式が今から始まるそうです。
 折角ですので、そちらも見学しましょうか」


 彼女はゆっくりと歩きながら、女神像の真裏にある隠された扉を押し開けた。
 螺旋階段を下り、地下の奥まった場所に着くと物々しい雰囲気の部屋に足を踏み入れる。


 そこは『処女検査』で以前リリアーナが使った部屋と同じような造りをしていた。
 中央には金色の縁取りのされた寝台があり、真っ白なシーツの上に一人の女性が縛り付けられていて、彼女の脚元には小太りの男性が座っている。


「本来は縛る事はないのです。しかし、彼女はどうも未だに聞き分けがなっていないようで······、」


 お見苦しい所をお見せします。と頭を下げたサニヤの隣で、そのあまりに異様な光景にリリアーナは思わず声をあげそうになって両手を口で覆った。
 そして同時に目を見張る。その寝台の上、女性の脚を無理矢理開き秘部に顔をうずめているのが、神殿長、その人であったからだ。


「っ、いやああッ、ん······やめへっ、······ひぃやぁあ、、ッん!!」


 びちゃびちゃと汚い音を盛大に立てながら彼女の秘部を啜り、顔を上げた彼は『はぁはぁ、』と興奮したような鼻息を漏らす。

 その太ったお腹を抱えるようにして贅肉の下に隠れていた自分の男性器を取り出すと、待ちきれない様子で彼女の蜜口にあてがった。


「っ、いや······。やめ、やめてええぇ─────ッ、ううっ、、ぁあ"ッ」


 ずぷりと無慈悲に肉棒を挿しこまれた彼女はそのあまりの衝撃に目を見開く。瞳孔が開き、瞳が絶望に染まった。
 一方で、神殿長は悦楽に浸りながら大きな声を上げる。


「おおッ、素晴らしい!これは良い器だッ!」


 そして彼はその贅肉を、たぷんたぷんと揺らしながら腰を打ち付ける。
 何度も何度も、肌がぶつかりあう音と、女性の啜り泣く声が響き渡り、リリアーナは見ているだけしかできない悔しさに両手を握りしめた。

 そして無慈悲にもその音は速さを増し、遂に神殿長が吠えるように唸った。


「 ────────んんん"ッ!!!
 さあッ、その器に、 “神力” を授けよう!」

 
 彼は身体をぶるりと震わせながら、その贅肉を彼女に押し付けるように覆いかぶさり力尽きる。
 それを見届けて、サニヤは静かにリリアーナに声をかけた。


「······さあ、皆さま、行きましょう」

「あの······今の彼女は、巫女になるのですか?」


 リリアーナは促されるがままにその場を立ち去る。そしてリリアーナの疑問に答えたサニヤの口から更なる衝撃的な事実を聞く事となったのだ。


「ええ。もう巫女としてすぐに皇国の苦しむ民のために働くことができます。ですが、私達巫女は定期的に ”神力” を補充して頂かないといけません」


 その夜、リリアーナは神殿で見た光景が脳裏に蘇り何度も目を覚ました。下腹部がぞわりと疼き、蜜口から蜜が溢れるのを感じ脚を捩る。汚れた下穿きが肌に付き、その不快感に顔を顰めた。
 

 身体を動かそうとして、じゃらじゃらと金属音を立てて揺れる鎖を見つめる。


 『慣らし五夜』の五夜目は、女性の性欲を視覚で十分に高めたのち禁欲する為にある。この手に付けられた鎖も、自慰行為をさせないためのもの
 
 こうして心身共に最大限まで性欲を高めた状態で初夜を迎える事が、初夜前行われる最後の儀式なのだ。


 「神殿長のあんな媚態、いえ、醜態を見せられるとは。吐き気がします。娼館の方がよっぽどマシでしたね、」というシャルロッテの苦言を思い出しながら、リリアーナは再びその目を閉じた。
 
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