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肉食兄弟
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あの日、今日行ってもいいですか?
そんな風に連絡しておけば、かける先輩は警戒して一乃を呼ばなかったと思う。
あるいは、もし、悪さをしようとしても、鍵くらいはかけたんじゃないかな。
浮気の事実を知ることになったとしても、真っ最中のその光景を見ることにはならなかったと思う。
はあ、とため息が漏れた。
「芦野さんの家は、賑やかそうだね。ひょうは実家にいるみたいだし」
「大学生のお姉ちゃんもいますよ。めちゃくちゃ美人の才女です」
「うん、つや先輩のことは知ってるよ」
宮久土先輩はそう答えただけで深入りしてこない。
「私は芦野つやの妹、芦野ひょうの妹として伝令役させられてました。ラブコールって言うか。私はごくごくフツーで話しかけやすいみたいで」
「ラブコール?なんかひょうと聞いた話と違うけど、そうなんだ」
「お兄ちゃんから?」
そう、とだけ宮久土先輩は言った。それ以上話すつもりはないようだ。
さらに前を歩く男女のシルエットを見て、私はそれ以上会話を続けられなくなる。
そんな風に連絡しておけば、かける先輩は警戒して一乃を呼ばなかったと思う。
あるいは、もし、悪さをしようとしても、鍵くらいはかけたんじゃないかな。
浮気の事実を知ることになったとしても、真っ最中のその光景を見ることにはならなかったと思う。
はあ、とため息が漏れた。
「芦野さんの家は、賑やかそうだね。ひょうは実家にいるみたいだし」
「大学生のお姉ちゃんもいますよ。めちゃくちゃ美人の才女です」
「うん、つや先輩のことは知ってるよ」
宮久土先輩はそう答えただけで深入りしてこない。
「私は芦野つやの妹、芦野ひょうの妹として伝令役させられてました。ラブコールって言うか。私はごくごくフツーで話しかけやすいみたいで」
「ラブコール?なんかひょうと聞いた話と違うけど、そうなんだ」
「お兄ちゃんから?」
そう、とだけ宮久土先輩は言った。それ以上話すつもりはないようだ。
さらに前を歩く男女のシルエットを見て、私はそれ以上会話を続けられなくなる。
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