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彼女の本意
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希久にコメントをもらったことで、俄然やる気が出てくる。
数か月ぶりに自分から一乃へ声をかけた。
休み時間に隣のクラスに行って、一乃を呼んでもらう。廊下にやって来た彼女は第一声、
「拡散してるの私じゃないし、疑うのはやめて」
と言った。
不機嫌をかわいい顔全体に表してみせるので、迫力が凄い。
「別の話したかったんだけど」
そう告げたら、迫力が少し和らいだ。意外に分かりやすい。
「一乃の好きな人の話」
何度も瞬きをして、長い睫毛が忙しなく動くのを見た。
周りを見渡し、
「な、なんでこんなとこで言うの?」
と言う。
「他で話せる場所ってあったっけ?」
思ったままに言えば、手を引かれて視聴覚準備室に連れ込まれた。
「それで、脅しのつもりなの?」
と一乃は物々しい言い方で詰め寄って来る。
「かける先輩のこと?それとも宮久土先輩のこと?」
と焦った様子で矢継ぎ早に言って来た。どれも違う。
「一乃が好きな人ってお兄ちゃん?」
前置き抜きに聞いたら、ぼっと頬が赤らむのを見た。一乃はどちらかと言えば、大人びているし、自分のペースを保っている印象が強い。
けれど今は視線をあちこちに動かして、頬に手を当てていた。私の言葉を待っている様子だ。
数か月ぶりに自分から一乃へ声をかけた。
休み時間に隣のクラスに行って、一乃を呼んでもらう。廊下にやって来た彼女は第一声、
「拡散してるの私じゃないし、疑うのはやめて」
と言った。
不機嫌をかわいい顔全体に表してみせるので、迫力が凄い。
「別の話したかったんだけど」
そう告げたら、迫力が少し和らいだ。意外に分かりやすい。
「一乃の好きな人の話」
何度も瞬きをして、長い睫毛が忙しなく動くのを見た。
周りを見渡し、
「な、なんでこんなとこで言うの?」
と言う。
「他で話せる場所ってあったっけ?」
思ったままに言えば、手を引かれて視聴覚準備室に連れ込まれた。
「それで、脅しのつもりなの?」
と一乃は物々しい言い方で詰め寄って来る。
「かける先輩のこと?それとも宮久土先輩のこと?」
と焦った様子で矢継ぎ早に言って来た。どれも違う。
「一乃が好きな人ってお兄ちゃん?」
前置き抜きに聞いたら、ぼっと頬が赤らむのを見た。一乃はどちらかと言えば、大人びているし、自分のペースを保っている印象が強い。
けれど今は視線をあちこちに動かして、頬に手を当てていた。私の言葉を待っている様子だ。
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