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疑惑の第三王子と第四王子

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 ルートラン様は緑がかったブラウンヘア、キーリム様は赤みがかったブロンド。
 髪の色で区別できるけれど、お二人はよく似ていらっしゃる。
 一つ違いのご兄弟のようだ。

 ランドルフ様とルートラン様、リドムンド様とキーリム様は、それぞれ年齢が同じだった。

 お妃様たちの立場により継承権が順番につけられている。ランドルフ様ご正室のご子息であり、第一位。リドムンド様は第二妃様のご子息で第二位、第三妃様のルートラン様、キーリム様、ラルズス様の順で第三位から第五位までが決まっていた。

 それぞれのお妃様同士は反目し合っているけれど、ランドルフ様とリドムンド様が気が合うらしく、よく連れ立っていらっしゃる。

 同じようにルートラン様とキーリム様はよく連れ立っていらっしゃるのと見かけていた。ラルズス様はお一人でいらっしゃることが多かったように思う。

 恐らく、継承権への思い入れの違いだろうと傍目に見て思っていた。ラルズス様は我関せずとして、学を極めることを良しとしていた印象だ。

 もう一度現場に戻ろうと思い、図書館へ向かえば、ちょうどルートラン様とキーリム様がいらっしゃる。

 遠目に見つめていれば、床に視線を落としながら歩いていらっしゃる。

 何かを探している様子だったけれど、何も見つからないと分かると二人で顔を見合わせて、
「大丈夫そうだな」
 と言い合っていた。

 そして、私の視線の脇を何かが横切ったのを見る。黒いものだ、と認識した瞬間に、お二人の視線がこちらに向いた。

 私にではなく、その黒いものへと向けられているのに気づく。

 透過性のある黒い羽根を持つ小人のようなものが見えた。
 思わず、あ、と声をあげてしまったのが運のつきだ。

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