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結実の九夜目

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 謁見を終えて晩餐を終えた後で、客室に通される。
 一体何のお肉だったのか不可解な血の滴るステーキや後味にやや鉄の味が残るワインに舌鼓を打った。

 石の寝台に棺桶が載っている不可思議な寝所だ。
 私が赤い瞳を見つめれば、キリムド様は顔を寄せていらっしゃる。その唇の前に手の平をあてがい、拒んだ。

「ミリア、なぜだ?」
 落胆し諫めるような声音は、ウィリエール様のものではない。

「私の主はウィリエール様お一人です」
「この身体はウィリエールのものだよ、同じだろう?」
 としばしばキリムド様は口説き落そうとなさるのだ。

 どの辺をお気に召していただいたのか分からないけれど、キリムド様は三年前のことを持ち出してくる。

「私達が交わるのは、初めてではないはずだよ」

 そのお言葉が暗に示していることを知り、私はキリムド様を見つめ目を伏せた。
 あの強引な交わりを何度も強要していたのは、キリムド様だったの?

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