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順調ってどういうこと?

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「いらっしゃいませ」
 と私は声をかけた。触れなければ、交換はされないはずだ。

「どんなお花をお探しですか?」
 と少し他人行儀に聞いてみる。

 緋々来は少しだけ困ったようにして、それから、
「店員さんのおすすめの花ってなんですか?」
 と聞いてきた。

「私のおすすめは、トルコキキョウです」
 私はショーケースを開けて、トルコキキョウのストッカーをそれぞれ出してくる。白地に紫の縁取りのあるバイカラーのもの、全体が紫や白のもの、うすピンクのもの四種類だ。
 一重咲き、八重咲き、フリンジ状の三種類のものを仕入れていた。

 元々は母の好みだったけれど、見ているうちに好きになっていたのだ。
「綺麗ですね」
 と緋々来は言う。わざと他人行儀にする感じが、新鮮だった。

「どのタイプが好きですか?」
 と私は四種類のトルコキキョウを指差してみせる。

「それは、何かの診断ですか?占いとか?」
 と緋々来が生真面目に言うので、
「いいえ。お花、買いに来たんですよね?」
 と私は言った。

「あ。そうですね」
 と緋々来は言う。
「どれがいいですか?」
 と聞いたら、緋々来は白色のトルコキキョウを指差した。

「これ。一番、碧衣に似合いそうだから」
 と言う。

 何気なく言った言葉なのかもしれないけれど、実際に私が一番好きな種類だったので、動揺してしまった。

「そ、そう?」
「プレゼントしていい?」
 と言ってくる。

「花菜野に?」
 と言ったら、
「おい、どうして、この流れでそうなる」
 と緋々来はツッコミを入れてくるのだった。これには、私は笑ってしまう。
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