あいつの身体を手に入れた日、私は。～その友達はヤンデレの味がした～

包囲網の中の本音

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　翌朝、私が目覚めたときにはすでに花菜野はいなかった。スマホに、
「先に授業出るね」
　と言って連絡が来ている。

　私は途方に暮れていた。
　花菜野をしてしまったこと、そして、まだ元の姿に戻れないことに困り果てていたのだ。

　花菜野と緋々来はあんな風に身体を重ねていたんだな、と思う。花菜野はあんな声を出すんだ、と知ってしまった。
　彼女は私のことを緋々来だと思って身体を許しているのに、心が私であるなら、それは花菜野にとっては望ましくないことだと思うのだ。

　私と花菜野は仲のいい友達だけれど、女同士だし、それぞれ男性が恋愛対象だ。こんな風に、身体で結ばれるのはおかしい。この現状は、何もかもが狂っているのだ。


　私の姿をした緋々来がどうしているのか気になったので、私は自分のスマホに連絡を入れる。
　緋々来のアカウントでは、私のアカウントが一番上にピン留めされている。それを見たら、何だか無性に切なくなった。

　私のアカウントでも、一番上に緋々来がいたことがある。よく遊んでいた時、予行演習をする前のことだ。今はピン留めを外して、履歴も見えないようにしてしまっていたけれど。

「会えない？」
　と緋々来が少し前にくれたメッセージの後に、
「今どこ？」
　と入れておく。

　私のことを緋々来はどう思っていたんだろう？なんで、花菜野じゃなく、私を一番上にアカウントの上に置いているんだろう？