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絶望的な進展
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しおりを挟むその後、アバター試用試験は終わり、私は単位を手に入れた。
あの日以降、緋々来から連絡は来ない。緋々来はアバター試用試験が終わった後で学校を転入し、別の大学に行ってしまったからだ。
翌月、私の妊娠が分かったことで、私は常盤と学生結婚することになった。
早すぎる妊娠や結婚に関して、当初私の両親は反対する。
けれど、両親も姉も常盤が早くにお母さんを亡くしていることを知っていたから、常盤なら仕方ない、と言って最終的に認めてくれた。
私はどこかで、もっと反対してくれればいいのに、と思っていたのだ。けれど、堕胎をしないと思った以上、結婚は必然だった。その時点での私は、一人で子どもを育ててはいけなかったのだから。
婚姻届けを出しに行くとに、私はつわりがひどく、歩けないほどだったので姉と常盤にお願いする。委任状を書いて戸籍謄本をとってもらった。
たかが書類だとしても、婚姻届けと提出した後、常盤の様子が少し変わったのを感じた。
それは、結婚した安心感なのだと、私は思う。
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