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どれが本当?
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「麻井緋々来って覚えてる?」
と花菜野は急に話を入れ込んできた。
私は別の意味でドキっとして、さらに食が進まなくなってくる。
「覚えてる」
と一言言って、ワインを飲む。
「花菜野の元カレでしょ」
と私は言った。
そしたら、花菜野はクスクスと笑う。
「すごく引き離した言い方。碧衣はかなり仲良かったのに」
「そうだったかな」
「そうだよ、何なら。常盤よりもお似合いだったしね」
と言うのだ。今さらなんでそんな話をしてくるのか分からない。
「その緋々来がどうしたの?」
「最近さ、花屋さんで緋々来から依頼されたでしょ?なんで教えてくれなかったの?」
と言うのだ。
ごくり、と唾を飲み込む。なんで緋々来の話を花菜野とするときには、妙な緊張感がある。それはきっと、やましいと思っているからこその緊張感だ。
「マネージャーをしている弟さん経由の依頼だったと思うし、別に直接取引があったわけじゃないから。一々話す話じゃないと思って」
言い訳じみていないかな、と思いながら、花菜野の顔色をうかがう。
「まあ、いいけど。緋々来の話は私にも流れてくるんだよね」
「なんで?」
「緋々来の麻井姓って、母方の実家の姓なんだよ。麻井家は家族経営でうちのパパの会社の下請け会社をやってる。でもまあ、緋々来の両親はもう亡くなってるから、緋々来からすれば母方の親戚って感じかな」
「そうなんだ」
初めて聞いた話だ。
と花菜野は急に話を入れ込んできた。
私は別の意味でドキっとして、さらに食が進まなくなってくる。
「覚えてる」
と一言言って、ワインを飲む。
「花菜野の元カレでしょ」
と私は言った。
そしたら、花菜野はクスクスと笑う。
「すごく引き離した言い方。碧衣はかなり仲良かったのに」
「そうだったかな」
「そうだよ、何なら。常盤よりもお似合いだったしね」
と言うのだ。今さらなんでそんな話をしてくるのか分からない。
「その緋々来がどうしたの?」
「最近さ、花屋さんで緋々来から依頼されたでしょ?なんで教えてくれなかったの?」
と言うのだ。
ごくり、と唾を飲み込む。なんで緋々来の話を花菜野とするときには、妙な緊張感がある。それはきっと、やましいと思っているからこその緊張感だ。
「マネージャーをしている弟さん経由の依頼だったと思うし、別に直接取引があったわけじゃないから。一々話す話じゃないと思って」
言い訳じみていないかな、と思いながら、花菜野の顔色をうかがう。
「まあ、いいけど。緋々来の話は私にも流れてくるんだよね」
「なんで?」
「緋々来の麻井姓って、母方の実家の姓なんだよ。麻井家は家族経営でうちのパパの会社の下請け会社をやってる。でもまあ、緋々来の両親はもう亡くなってるから、緋々来からすれば母方の親戚って感じかな」
「そうなんだ」
初めて聞いた話だ。
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