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裏切ったのは誰?

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 私は常盤と花菜野との間に、何かの関係があったことを疑っていた。

 あの日、とても華やかな香水の香りをさせた常盤は、花菜野と会っていたのかもしれない。
 だとすれば、常盤は亡くなる直前の花菜野と会っていたのでは?と思うのだ。
 常盤に聞いてみたいことはあった。

 自分達の焼香の番になり、ふと私は隣で焼香をする常盤を見あげる。

 そこで、私は目を見張る。
 常盤が微笑んでいたからだ。

 ――――え?

 思わずもう一度視線を来れば、その口元は既に引き締まっていた。

 気のせい?と思う。

 私は、自分の感情に向き合うよりも前に、常盤の顔に浮かんだ表情の意味を考えていた。
 彼の口元に浮かんだ穏やかな笑みの意味が、分からない。
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