翼のない竜-土竜の話-

12時のトキノカネ

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4. 10歳,はじめての人化で170cmあった。

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「おばちゃん、サラダもう一杯」

「おばちゃんじゃなくてお姉さんといいな。あいよサラダもう一杯。大盛り」

俺は空になったサラダボウルの横に新たに置かれた野菜てんこ盛りのサラダに
迷いなくフォークを刺す。

んー、レタスうめー。

「おい、あいつサラダばかり10杯だぜ」
「どんな胃袋してんだよ。肉少しは食えよ」

食堂で近くのテーブルから俺の食いっぷりに何か聞こえてくるけど
無視する。俺は無欲の竜である土竜で細かいことは気にしない主義だからね。
おっさん二人組みなんてゴミと一緒でなに言ってたって気にしないさ。

サラダをハムスター並みに頬を膨らませて押し込ませて食ってる
俺の今の状況からわかるように人化の術は成功した。

案外簡単だった。まあチート種族の竜だからね。天才なのかもね。

でも一つ引っかかったのは、はじめての人化で俺は10歳なわけ
でも身長が170だったんだけど…大丈夫か?

170は俺が人間だったころの身長ってこともあるけど
竜だからな、他種族より長身な可能性もある。
そうなると成人したら巨人族並みに大きくなったらどうしようって
一抹の不安も過ぎったんだ。

まあ、現時点でどうなるかわからないし
数年先だからそんときよって考えるのやめたんだけどな。

竜の群れを出てくのは案外あっけないくらいすんなりとだった。
長老の爺さんに1000年くらい人間見て来いって言われたのもあったけど
もともと家族だ何だとうるさい連中もいなくて
ぼーとほとんどの奴が昼間でも寝てるから出てくるのにたいした見送りもなく
おーちょっとそこら辺散歩行って来るぜ、くらいの気軽さで
外に出てこれた。

人間の感覚だと寂しいとかになるのか。虚しいなのか。
まあ竜の感情なんてこんなものだ。

お金なんて当然なかったんで俺の鱗一枚引っぺがして売ったんだけど
大体一メートルくらいの大きさで竜なら高く売れるだろうと
踏んだとおり高く売れた。
ただね、やっぱり竜の鱗だから売った店に出所探られたのと
若くてぴちぴちの竜の肌の鱗ですよって俺は高く売れると思ったら
爺さんみたいに枯れた肌の鱗な方が高いらしくてちょっと納得いかんかった。
あんな粉吹いた、しわくちゃ爺のほうが俺の肌よりいいってさ
ぷりんと俺のほうが弾力があってピンクでかわいい肌してるのに
わかってないよあの商人。
二度とあそこでは売らないって俺は決めたね。

まあ実際、鱗売るのは最初の一回だけって決めてたし
何度も売ってたら俺が竜だって言ってるようなもんで
モロばれだろう。
人間に金に目がくらんだ奴らに教われるなんて真っ平だ。
そのために人間になって竜の群れから出てきたんじゃない。

そう俺は堪能しに来たんだ。生前夢だった、ファンタジー世界ってやつを。

人の生活圏に入ってまず、即効ギルドでギルド登録したね、俺。



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