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24 誘拐?その真意は。(注意、微量ですが暴力表現あり)
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「スミレちゃん、お疲れ様☆これ持って後ろに上がって良いよ。今日も一日お疲れ様」
店で出しているケーキの切れ端を余り物として店長が出してくれる。
それにすみれは笑顔を見せて店長に礼をいい、それを持ったまま、従業員専用の休憩室に入る。
店の裏手のそこはそう広いとはいえない。10畳ほどの広さにテーブルが一つ。
それと個人の鍵付きロッカーがあり、男女に別れた更衣室がない代わりに部屋の隅の一画に
着替えのためにカーテンで区切られた空間が仕切られている。
部屋には先に上がった茶白君がスマホをいじりながら画面を見ながら椅子に座っている。
すみれは軽く挨拶をして、ケーキの乗った皿を茶白君からは僅かに離れた位置の椅子のテーブルの上に置く。それからそそくさと自分のロッカーの前まで行き、バイト用の制服のスカートから
ロッカーの鍵を取り出す。ロッカーを開けると学生鞄と制服を取り出した。
そして着替えのためにカーテンの仕切りの中へ入ろうとして後ろから声をかけられる。
「あんたさー…」
今日一日、結局不機嫌のままだった茶白君はできればあまり関わりたくない人物だが
無視もできずに振り返ると、スマホから顔を離した茶白君がすみれを見ていた。
「デートすんの?」
ストレートな問い。一瞬何を言われたか、分からないが思い当たることはある。
でも、それをなぜ茶白君が知っているのだろうと疑問がわく。
だって茶白君はすみれの通う学校の生徒ではない。
学校が違うのだ。それなのにどうして…。
「聞いてんの?」
低められた声にすみれが僅かに肩を揺らす。理不尽な怒りを向けられている。
男性が向ける理由の分からない怒りは女性には恐ろしい。
あからさまにびびった様子は店はしないがすみれの警戒心があがる。
何か難癖を付けられようとしているのか。どうして自分なのか。
さっきまで美味しいケーキを貰って上がっていたテンションはだだ下がる。
このバイト先は人間関係も良くて楽しく続けられていたのだ。
問題を起してやめたくないと言う気持ちがすみれを消極的にする。
「…まだ、決まってないけど。何で茶白君が知っているの?」
「そんなのいいだろ?てかさー、あんたなんなの?男いるのに他の男に色目使うとか」
「は?」
男がいる。はて、それこそなんのことやら。きょとっとした顔に
茶白君のほうが鼻じろむ。
「いるだろ。青い髪のすっげーイカした人が。あんな超絶カッコいい人がいてよそ見する女の心理がマジでわかんねー。あの人は本物のカリスマだろ?一途で、番を深く思ってる。そんな人を…」
「…知りませんけど。青い髪の知り合いなんていません。勘違いじゃないですか!」
茶白君が誰を指しているか、すみれには分かった。
それが分かると怒りがわく。誰の差し金か。そしてその相手を思って茶白がすみれを
責めているのだと。漸く点が線で繋がる。ああ、こんなところにスパイが。
一途で、番を深く思っている?
その言葉が一番にかちんっと来た。
あれは浮気性のどうしようもない男だ。それがすみれの見解で譲れない。
知り合いじゃない。イルは(今の)私の知り合いじゃない。
「悪いけど茶白君と話し合う気はないから。着替えるからもういい?」
強気にきっと相手を睨む。それですみれの気持ちも伝わるだろう。
相手は不服そうにすみれの態度をみて顔を顰めている。
何も知らないくせに。他人がしゃしゃり出ないで。
「あーもー、おめー本気でむかつく。やってられっか!俺はお前が嫌いだ!」
鬱憤を吐き出すように怒鳴った茶白がすみれへと大またで近づく。
危険信号のなるすみれはどうにか避けて、休憩室から出ようと思うが狭い休憩室で
休憩室を出るドアはホールに続く店長もいる茶城の後ろのドアと
カーテンルームの横にある、ごみ捨てようの裏口だけ。
咄嗟に裏口へ逃げる動作をして足を動かす。
腕をつかまれそうになるのを必死に抵抗して避ける。
茶白から退きながら、そのまま裏口のドアを開け無理やり前のめりに外に出る。
狭い裏路地が見えてほっとする。
そのまま汚い裏路地へはだしのまま出ようとして、出口で後ろから口を押さえられる。
「ふぐっぐぐ!!」
口と鼻を押さえるように当てられたハンカチには薬品のにおいがして
すみれの意識は急激に闇の中へと沈んでいった。
「スミレちゃん、お疲れ様☆これ持って後ろに上がって良いよ。今日も一日お疲れ様」
店で出しているケーキの切れ端を余り物として店長が出してくれる。
それにすみれは笑顔を見せて店長に礼をいい、それを持ったまま、従業員専用の休憩室に入る。
店の裏手のそこはそう広いとはいえない。10畳ほどの広さにテーブルが一つ。
それと個人の鍵付きロッカーがあり、男女に別れた更衣室がない代わりに部屋の隅の一画に
着替えのためにカーテンで区切られた空間が仕切られている。
部屋には先に上がった茶白君がスマホをいじりながら画面を見ながら椅子に座っている。
すみれは軽く挨拶をして、ケーキの乗った皿を茶白君からは僅かに離れた位置の椅子のテーブルの上に置く。それからそそくさと自分のロッカーの前まで行き、バイト用の制服のスカートから
ロッカーの鍵を取り出す。ロッカーを開けると学生鞄と制服を取り出した。
そして着替えのためにカーテンの仕切りの中へ入ろうとして後ろから声をかけられる。
「あんたさー…」
今日一日、結局不機嫌のままだった茶白君はできればあまり関わりたくない人物だが
無視もできずに振り返ると、スマホから顔を離した茶白君がすみれを見ていた。
「デートすんの?」
ストレートな問い。一瞬何を言われたか、分からないが思い当たることはある。
でも、それをなぜ茶白君が知っているのだろうと疑問がわく。
だって茶白君はすみれの通う学校の生徒ではない。
学校が違うのだ。それなのにどうして…。
「聞いてんの?」
低められた声にすみれが僅かに肩を揺らす。理不尽な怒りを向けられている。
男性が向ける理由の分からない怒りは女性には恐ろしい。
あからさまにびびった様子は店はしないがすみれの警戒心があがる。
何か難癖を付けられようとしているのか。どうして自分なのか。
さっきまで美味しいケーキを貰って上がっていたテンションはだだ下がる。
このバイト先は人間関係も良くて楽しく続けられていたのだ。
問題を起してやめたくないと言う気持ちがすみれを消極的にする。
「…まだ、決まってないけど。何で茶白君が知っているの?」
「そんなのいいだろ?てかさー、あんたなんなの?男いるのに他の男に色目使うとか」
「は?」
男がいる。はて、それこそなんのことやら。きょとっとした顔に
茶白君のほうが鼻じろむ。
「いるだろ。青い髪のすっげーイカした人が。あんな超絶カッコいい人がいてよそ見する女の心理がマジでわかんねー。あの人は本物のカリスマだろ?一途で、番を深く思ってる。そんな人を…」
「…知りませんけど。青い髪の知り合いなんていません。勘違いじゃないですか!」
茶白君が誰を指しているか、すみれには分かった。
それが分かると怒りがわく。誰の差し金か。そしてその相手を思って茶白がすみれを
責めているのだと。漸く点が線で繋がる。ああ、こんなところにスパイが。
一途で、番を深く思っている?
その言葉が一番にかちんっと来た。
あれは浮気性のどうしようもない男だ。それがすみれの見解で譲れない。
知り合いじゃない。イルは(今の)私の知り合いじゃない。
「悪いけど茶白君と話し合う気はないから。着替えるからもういい?」
強気にきっと相手を睨む。それですみれの気持ちも伝わるだろう。
相手は不服そうにすみれの態度をみて顔を顰めている。
何も知らないくせに。他人がしゃしゃり出ないで。
「あーもー、おめー本気でむかつく。やってられっか!俺はお前が嫌いだ!」
鬱憤を吐き出すように怒鳴った茶白がすみれへと大またで近づく。
危険信号のなるすみれはどうにか避けて、休憩室から出ようと思うが狭い休憩室で
休憩室を出るドアはホールに続く店長もいる茶城の後ろのドアと
カーテンルームの横にある、ごみ捨てようの裏口だけ。
咄嗟に裏口へ逃げる動作をして足を動かす。
腕をつかまれそうになるのを必死に抵抗して避ける。
茶白から退きながら、そのまま裏口のドアを開け無理やり前のめりに外に出る。
狭い裏路地が見えてほっとする。
そのまま汚い裏路地へはだしのまま出ようとして、出口で後ろから口を押さえられる。
「ふぐっぐぐ!!」
口と鼻を押さえるように当てられたハンカチには薬品のにおいがして
すみれの意識は急激に闇の中へと沈んでいった。
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