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「さて、説明してもいいですか? 嫌と言われてもしますけどね。」

 微笑みながら説明を続ける女神。

 どうやら魔法が存在する世界、グリードフィルという場所に行かなくてはいけないらしい。

 そこには海に囲まれた大きな大陸が存在し、魔人族、獣人族、人族、巨人族の4種族が大陸を4つに分け、それぞれが独自の国を作り生活しているらしい。

 国境付近では小さな戦争が絶えず起こり、力関係はほぼ拮抗しているとのこと。

 俺は人族として転生し、4つの国を統一する手助けをしなければならないらしい。

「どうやって手助けすれば? 言葉は?」

「それはこれから異世界へ転移するあなたにおまかせします。方法は一つでは無いでしょうから、私の助言であなたの行動を規制するわけにはいきませんもの。自分の目で世界を見て、思う通り行動してみて下さいね。言葉は通じるようになっていますから安心して下さい。あなたの得意なギャグもある程度は変換されて通じますから大丈夫ですよ? 面白いと思われるかは分かりませんけど。」

 この女神、今俺のこと馬鹿にしなかったか?

「ちなみに、異世界行きを断ったら?」

「あら、断れませんよ? ここから先は私が勝手にやりますから強制的に異世界に行ってもらいますし、向こうで何もせず寿命で死んじゃったら、あなたの人生はそれで終わりになりますので。統一に成功したら、何事も無かったかのように補習に戻してあげますし、勉強に困らないように、少し知能レベルを上げてあげてもいいですよ。そうすればもっと面白いギャグも言えるようになるかもしれませんね。うふふ。」

 おい、こいつ絶対馬鹿にしてるぞ。

「そうですか……。さっき転移って言ったけど、俺はどうなるんだ?」

「外見はそのままに、グリードフィルで生きていけるよう属性を身に宿した体に作り変わります。」

 俺の体がまばゆい光に包まれると、服装が麻を編んだような通気性の良い長袖の上着とズボンに変わっていた。


 控えめに言ってダサイが、まあしょうがないだろう。

「さあ、これで異世界転移の準備は完了しました。向こうの生活に合わせて、服装も少し変更しておきました。最初は危険のないように、街から少し離れたモンスターも弱い種類しかいない場所からスタートしますからねー。お金も少しだけ渡しておきますから、無駄遣いしたらだめですよー?」

 モンスター!?
 モンスターがいるの!?
 死んだら終わりなのに、恐怖でしかないんだけど……。

 腰のベルトには麻で編んだ小さめの袋が結ばれ、大銀貨と呼ばれる貨幣が30枚ほど入っていた。

 新しい世界の通貨は

 銅貨:1円くらい
 大銅貨:10円くらい
 銀貨:100円くらい
 大銀貨:1000円くらい
 金貨:10万円くらい

 らしい。

 新生活スタートで手持ち3万円て少なくね!?

 もう罰ゲームとしか思えなくなってきたよ。
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