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……まぶたの裏が明るい
鳥のさえずりが聞こえる。
「ふぁー。朝か。」
既に外は明るい。朝の6時くらいだろうか。
(そういえば、この世界の1日は何時間なんだろうか? 後でエミルさんに聞いてみるか! 体感的には地球とそう変わらないように感じるんだけど……。)
夫妻がまだ寝ている可能性もあるため、そっと部屋を出る。
キッチンのほうから包丁の音が聞こえる。マチルダさんが朝食の準備をしているのだろう。
「おはようございます、マチルダさん。」
「あら、ヨール君まだ寝ていてもよかったのよ? 昨日はお昼寝もしていたから、早起きしちゃったのかしら? うふふ。」
「自然と目が覚めてしまいました。柵作りに遅れなくて良かったです。何かお手伝いしましょうか?」
「大丈夫よ、外の井戸で顔を洗ってらっしゃい。着替えがあったほうがいいわね、息子のお古が着れるかしら? 桶に水を汲んでこれで体を拭くのよ。目が覚めるわよー。」
桶とスポンジのような物を手渡される。よく見るとそのスポンジは何かの植物のようだった。
そのスポンジは、サボンというトゲのある植物の表皮を剥いて、中身を乾かしたものらしい。乾いた土地に生える植物で、体内に水を溜め込むために、スポンジのような性質を持っているのだとか。おそらくサボテンのような見た目をしているのだろう。
井戸で水を汲み、軽くしぼったサボンで簡単に体を拭く。井戸水は少し冷たく、一気に目が覚めた。春の穏やかな気候のような丁度いい気温で、昨日過ごした感じでは一日中温度は一定だったように感じた。
家に戻ると、マチルダさんが着替えを用意してくれていた。ところどころ補修の後が見える同じような村人の服であった。
「あなたたちが仕事をしている間に洗濯しちゃうから、今着ているものは畳んで置いておいてね。」
「ありがとうございます!」
着替えてみると、少し小さかったが問題なく着れた。
「おはよう、マチルダとヨール!」
エミルさんも起きたみたいだ。桶とサボンを持って井戸のほうへ向かっていった。
朝食は、ピーで作ったおかゆとメザシくらいの大きさの焼き魚だった。
「このピーっておかゆにしてもいい香りがして美味しいな、おかゆの中にある豆みたいな野菜は不思議な弾力でお肉みたいだ。うっすら塩味にハーブみたいな香りもついて、どんどん進んじゃうよ! このお魚も塩加減が優しくて美味しいなぁ。」
夢中で食べていたせいか、無意識にぶつぶつと食レポまがいのことをしちゃってたようだ。
「うふふ、気に入ってくれてうれしいわ。」
「よくもまあ普通の飯に長いこと言葉をあてられるもんだ。」
だってしょうがないじゃない、異世界メシ美味しいんだもの!
鳥のさえずりが聞こえる。
「ふぁー。朝か。」
既に外は明るい。朝の6時くらいだろうか。
(そういえば、この世界の1日は何時間なんだろうか? 後でエミルさんに聞いてみるか! 体感的には地球とそう変わらないように感じるんだけど……。)
夫妻がまだ寝ている可能性もあるため、そっと部屋を出る。
キッチンのほうから包丁の音が聞こえる。マチルダさんが朝食の準備をしているのだろう。
「おはようございます、マチルダさん。」
「あら、ヨール君まだ寝ていてもよかったのよ? 昨日はお昼寝もしていたから、早起きしちゃったのかしら? うふふ。」
「自然と目が覚めてしまいました。柵作りに遅れなくて良かったです。何かお手伝いしましょうか?」
「大丈夫よ、外の井戸で顔を洗ってらっしゃい。着替えがあったほうがいいわね、息子のお古が着れるかしら? 桶に水を汲んでこれで体を拭くのよ。目が覚めるわよー。」
桶とスポンジのような物を手渡される。よく見るとそのスポンジは何かの植物のようだった。
そのスポンジは、サボンというトゲのある植物の表皮を剥いて、中身を乾かしたものらしい。乾いた土地に生える植物で、体内に水を溜め込むために、スポンジのような性質を持っているのだとか。おそらくサボテンのような見た目をしているのだろう。
井戸で水を汲み、軽くしぼったサボンで簡単に体を拭く。井戸水は少し冷たく、一気に目が覚めた。春の穏やかな気候のような丁度いい気温で、昨日過ごした感じでは一日中温度は一定だったように感じた。
家に戻ると、マチルダさんが着替えを用意してくれていた。ところどころ補修の後が見える同じような村人の服であった。
「あなたたちが仕事をしている間に洗濯しちゃうから、今着ているものは畳んで置いておいてね。」
「ありがとうございます!」
着替えてみると、少し小さかったが問題なく着れた。
「おはよう、マチルダとヨール!」
エミルさんも起きたみたいだ。桶とサボンを持って井戸のほうへ向かっていった。
朝食は、ピーで作ったおかゆとメザシくらいの大きさの焼き魚だった。
「このピーっておかゆにしてもいい香りがして美味しいな、おかゆの中にある豆みたいな野菜は不思議な弾力でお肉みたいだ。うっすら塩味にハーブみたいな香りもついて、どんどん進んじゃうよ! このお魚も塩加減が優しくて美味しいなぁ。」
夢中で食べていたせいか、無意識にぶつぶつと食レポまがいのことをしちゃってたようだ。
「うふふ、気に入ってくれてうれしいわ。」
「よくもまあ普通の飯に長いこと言葉をあてられるもんだ。」
だってしょうがないじゃない、異世界メシ美味しいんだもの!
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