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(ステータス)

 黒川 夜
 レベル:11
 属性:闇

 HP:620
 MP:590
 攻撃力:330
 防御力:310
 敏捷性:365
 魔力:480

「1箇所につき25上昇か、MPは5消費ね。多分だけど俺、凄く強いんじゃないか?」

 唯一ステータスを知るエミルと比較をしても、レベル22で攻撃力180であった事を考えれば、この異様に誰であっても気付くだろう。

「しかし、床を傷つけたり服が破ける心配があったから耳を指定したみたけれど、ギリギリ視覚に映るこのシルエットを見るに、L字の巨大なモミアゲがついてるようだぞ……。」

 耳を闇が覆い、そこから鉤爪のように伸びるそれは、巨大なモミアゲにしか見えなかった。

「なるほど、レベル2も3分くらいで持続消費になるみたいだな。そうだ! どうせなら色んなところからシャドークローを生やしてみよう。第二回、黒川研究室へようこそ!」

(まずは頭っと……。シャドークロー)

「あー、なんかそんな気はしたよ。このモミアゲにこの頭、誇張しすぎたプレスリーって感じか。次は肘いくか。服を脱いで裸になって……と。」

(シャドークロー)

「なるほどね、垂直に生えてきたか。まあ使えなくはないかな、さてお次は膝いってみよう!」

(シャドークロー)
 
「お! これはいいぞ、垂直に生えてるけど上向きだから使いやすそうだ! 膝蹴りと同時に相手に突き刺したりかな? さて、足を浮かせて……と。」

(シャドークロー)
 
「予想通りつま先から生えてきたか。つま先から40cmの爪が生えてるってのは動きづらそうだな。実は手足パターンはハズレだったか。さーて、問題はここからだ……。乳首いってみよう!」

(シャドークロー)
 
「尖った! デカイ画鋲みたいだ! 抱きついて自爆してくるモンスターにはこれだな!」

 全ての箇所にコメントをつけるには流石に無理があった。だんだんどうでもよくなってきている。

「では、最終兵器といきますか。そう、股間だ!」

(シャドークロー)

「こ、これは……角だ! 股間に反り立つ角ができおったぞ! だはははは! ……何してんだ俺は。」

 自分のスキルで変な遊びを始めたヨールであったが、急に1人裸で何をやっているのだろうと虚しさを覚え、そっとスキルを解除した。

「結構遊んじゃったな、MPが残り僅かな気がする。」

(ステータス)

 黒川 夜
 レベル:11
 属性:闇

 HP:1380
 MP:220
 攻撃力:820
 防御力:980
 敏捷性:1100
 魔力:2120

「は……? ハァーー!?」

 急激にステータスが上昇した事に驚きを隠せない。何が起こったか分からず困惑するヨールは、思考を停止し、見なかった事にし、眠る事にしたのだった……。
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