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昇級条件のモンスターについても教えてくれた。
トレントは木のモンスターで、森の中で擬態しているため、周囲の木と見分ける事が難しい。枝を鞭のようにして獲物に襲いかかり、根を足のようにして移動する。火属性に弱く、武器に火炎を纏わせるスキルや、ファイヤーボール等の魔法が効果的だ。
ストーンリザードは、石のような鱗を持つ巨大なトカゲで、威力の低い魔法やスキルは鱗に弾かれてしまう。斧やハンマーなどの攻撃力の高い武器を使用するか、鱗をものともしない高火力の魔法やスキルで倒す必要がある。先端に棘のついた尻尾を振り回したり、棘を飛ばしてくるので注意が必要だ。
羽狼は、毛の代わりに羽毛が生えた狼で、見た目はモコモコとして可愛らしいが、非常に獰猛で、群れをなして集団で襲ってくる。表情や吠え声により、リーダーが群れに指示を出し統率しているため、真っ先にリーダーを倒す事が重要になる。
サーベルベアはその名の通りサーベルのように大きく鋭い牙を持った熊で、筋力も生命力もオークの比ではなく、1頭が迷いこんだ村を壊滅させたという例もあるほど恐ろしいモンスターだ。タンク役と火力役に分かれ、時間をかけて倒すのが基本だ。
「なるほど、勉強になりました。明日ダンジョンに行きたいのですが、予約はできますか?」
「いいけどあんた、パーティーは組んでるのかい?」
「パーティー……。」
「浅い階層で無茶をしなければ大丈夫だとは思うけど、普通は3人以上で行くもんだ。あまり許可はしたくないね。」
「では、無理そうならすぐ諦めて帰ってきます。目眩しのスキルもあるので逃げるのは得意なんです。」
「そうだったね。危ないと思った時には、もう手遅れだってことを忘れないようにね。他の冒険者の側で戦い方を学ぶくらいならいいかもしれないね。」
馬車と入ダン料合わせて大銀貨5枚を支払い、許可証代わりの木札を貰った。
ゴブリンダンジョンへは1日2回馬車が出る。片道3時間だ。
始発は掲示板に依頼が貼り出されると同時に発車するが、なるべく早く集まるのがマナーだ。
最終は馬車は陽が暮れる前に街へと帰れるように昼の鐘を合図に出発する。
小ダンジョンであれば、2日から4日かけて攻略するのが普通であるため、ダンジョン内で寝泊まりしなければならない。
朝の10時頃ダンジョンに到着し、夕方には野営の準備を始めるのが基本となっている。
ヨールが予約したのは昼の馬車だ。夜間に活動する冒険者はいないと踏んで、昼間は仮眠を取り、陽が落ちてから活動する作戦だ。
「ギルド周辺の宿の相場は、月貸でどれくらいですか?」
「金貨2枚前後ってとこじゃないかね。」
(少し高いけど払えなくはないか……。引っ越ししちゃうか!)
今後の活動を考え、拠点を移す事にした。
明日のダンジョンの準備として冒険者の店に寄り、干し肉と水分の少ないカチカチのパンを4つずつ大銀貨2枚で購入し、瓢箪も追加で1つ購入しておいた。
さて、早速宿を探す事にしよう。
近いところから訪ねていくと、ギルドの近くは人気があるのか空きがなく、ようやく5軒目にして1部屋だけ空きのあるハーフムーンという名の宿に辿り着いた。
宿内は照明の魔道具で明るかった。
部屋を見せてもらうと照明は無かったが、6畳程の広さでベッドと机とクローゼットがあった。近くに井戸もあるので問題ないだろう。
錠前で外から鍵を掛けれるので、防犯もバッチリだ。早速店主に確認する。
「月貸でいくらですか?」
「金貨2枚と大銀貨40枚でございます。食堂は朝と夜に解放しておりまして、朝食は大銀貨5枚、夕食は大銀貨10枚になります。予約などは必要ありませんので、お気軽にお越し下さい。」
「決めました! お世話になります!」
支払いを済ませ、引っ越しの準備に取りかかる。歩いては往復する頃には夜が明けていそうなので、ステータスに任せて猛ダッシュだ。
素材カバンに全て収納出来たので、日付が変わる前には全て片付いた。
(月の宿の店主には後日報告する事にしよう。)
新しい宿はギルドまで徒歩15分の距離にあり、大通りにも近いので立地は最高だ。
部屋に戻ると早速ベッドを堪能する事にした。
久しぶりのベッドは、木製のフレームに薄い敷布団を敷いた物であったが、羽狼の羽毛が使用されているそうで、横になっても背中は痛くなかった。掛け布団は麻素材であったが、通気性が良く暖かい気候には丁度いい。
(快適生活を手に入れてしまった……。)
ラシードに貰ったパンを頬張りお腹を膨らませると、満腹感からか急な眠気に襲われ、そのまま眠りについた。
トレントは木のモンスターで、森の中で擬態しているため、周囲の木と見分ける事が難しい。枝を鞭のようにして獲物に襲いかかり、根を足のようにして移動する。火属性に弱く、武器に火炎を纏わせるスキルや、ファイヤーボール等の魔法が効果的だ。
ストーンリザードは、石のような鱗を持つ巨大なトカゲで、威力の低い魔法やスキルは鱗に弾かれてしまう。斧やハンマーなどの攻撃力の高い武器を使用するか、鱗をものともしない高火力の魔法やスキルで倒す必要がある。先端に棘のついた尻尾を振り回したり、棘を飛ばしてくるので注意が必要だ。
羽狼は、毛の代わりに羽毛が生えた狼で、見た目はモコモコとして可愛らしいが、非常に獰猛で、群れをなして集団で襲ってくる。表情や吠え声により、リーダーが群れに指示を出し統率しているため、真っ先にリーダーを倒す事が重要になる。
サーベルベアはその名の通りサーベルのように大きく鋭い牙を持った熊で、筋力も生命力もオークの比ではなく、1頭が迷いこんだ村を壊滅させたという例もあるほど恐ろしいモンスターだ。タンク役と火力役に分かれ、時間をかけて倒すのが基本だ。
「なるほど、勉強になりました。明日ダンジョンに行きたいのですが、予約はできますか?」
「いいけどあんた、パーティーは組んでるのかい?」
「パーティー……。」
「浅い階層で無茶をしなければ大丈夫だとは思うけど、普通は3人以上で行くもんだ。あまり許可はしたくないね。」
「では、無理そうならすぐ諦めて帰ってきます。目眩しのスキルもあるので逃げるのは得意なんです。」
「そうだったね。危ないと思った時には、もう手遅れだってことを忘れないようにね。他の冒険者の側で戦い方を学ぶくらいならいいかもしれないね。」
馬車と入ダン料合わせて大銀貨5枚を支払い、許可証代わりの木札を貰った。
ゴブリンダンジョンへは1日2回馬車が出る。片道3時間だ。
始発は掲示板に依頼が貼り出されると同時に発車するが、なるべく早く集まるのがマナーだ。
最終は馬車は陽が暮れる前に街へと帰れるように昼の鐘を合図に出発する。
小ダンジョンであれば、2日から4日かけて攻略するのが普通であるため、ダンジョン内で寝泊まりしなければならない。
朝の10時頃ダンジョンに到着し、夕方には野営の準備を始めるのが基本となっている。
ヨールが予約したのは昼の馬車だ。夜間に活動する冒険者はいないと踏んで、昼間は仮眠を取り、陽が落ちてから活動する作戦だ。
「ギルド周辺の宿の相場は、月貸でどれくらいですか?」
「金貨2枚前後ってとこじゃないかね。」
(少し高いけど払えなくはないか……。引っ越ししちゃうか!)
今後の活動を考え、拠点を移す事にした。
明日のダンジョンの準備として冒険者の店に寄り、干し肉と水分の少ないカチカチのパンを4つずつ大銀貨2枚で購入し、瓢箪も追加で1つ購入しておいた。
さて、早速宿を探す事にしよう。
近いところから訪ねていくと、ギルドの近くは人気があるのか空きがなく、ようやく5軒目にして1部屋だけ空きのあるハーフムーンという名の宿に辿り着いた。
宿内は照明の魔道具で明るかった。
部屋を見せてもらうと照明は無かったが、6畳程の広さでベッドと机とクローゼットがあった。近くに井戸もあるので問題ないだろう。
錠前で外から鍵を掛けれるので、防犯もバッチリだ。早速店主に確認する。
「月貸でいくらですか?」
「金貨2枚と大銀貨40枚でございます。食堂は朝と夜に解放しておりまして、朝食は大銀貨5枚、夕食は大銀貨10枚になります。予約などは必要ありませんので、お気軽にお越し下さい。」
「決めました! お世話になります!」
支払いを済ませ、引っ越しの準備に取りかかる。歩いては往復する頃には夜が明けていそうなので、ステータスに任せて猛ダッシュだ。
素材カバンに全て収納出来たので、日付が変わる前には全て片付いた。
(月の宿の店主には後日報告する事にしよう。)
新しい宿はギルドまで徒歩15分の距離にあり、大通りにも近いので立地は最高だ。
部屋に戻ると早速ベッドを堪能する事にした。
久しぶりのベッドは、木製のフレームに薄い敷布団を敷いた物であったが、羽狼の羽毛が使用されているそうで、横になっても背中は痛くなかった。掛け布団は麻素材であったが、通気性が良く暖かい気候には丁度いい。
(快適生活を手に入れてしまった……。)
ラシードに貰ったパンを頬張りお腹を膨らませると、満腹感からか急な眠気に襲われ、そのまま眠りについた。
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