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電車の中で ③
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「ハロー。日本人の学生さん?」
日本語だ。くそ、鼻が高く顔面がかっこいい。
「え、ええ。そうですけど」
「どこ行くの?」
肩を撫でていた手が上がっていき、首筋をくすぐる。
「んっ、くすぐったい……」
よっしゃ! キタ! こいつは痴漢だ間違いない‼
心の中でガッツポーズを取る。しかも外国人なんてレアを引き当ててしまった。宝くじ買ったら当たるかもしれん。四等くらい。
嫌ではなかったがくすぐったさのせいで手を振り払おうとした。だがその手首を隣のナイスミドルに掴まれてしまう。
「アハハ。初心だね」
なにっ⁉ もう一人いる、だと? これは一等当選も夢ではないかもしれない。
「日本人って本当に真っ黒だよねー。きれいだと思うよ」
「はあ、んっ……はあ、ん」
ナイスミドルもくすぐってくる。首筋を人差し指ですいっとなぞられる。
「んあっ、くすぐったいって、はあ、うう、ん。くすぐらな、いで……って」
「可愛い声」
くすぐられているだけなのに感じてしまうのは俺がこんなんだからだろう。気持ちいいから別にいい。いいのだが、
「栄田君? 酔ったの?」
真後ろから蛍川が顔を出す。そういえばこいつがいたんだった。触られたことで湧き上がってきた甘い気分が沈殿する。
「あ、え、い、いや。大丈夫。すげー大丈夫」
「?」
不思議そうな顔をする蛍川。ひょこっと出てきたつぶらな瞳に、外国人の男二人がぱあっと破顔する。
「オウ。かわいーねー」
「おともだち? ハロー」
「……っ」
蛍川はいかにも人見知りですみたいな体を装い、俺の背後に引っ込む。だが、男たちは蛍川にも手を伸ばしてきた。待て! そいつは野犬より危険だぞ。
「君も一緒に遊ぼうよ」
「やだ。やだ」
怯えた表情でぷるぷると首を振る。無抵抗な仔犬に見えたのか蛍川の手首を掴む。ゾッとした俺はつい庇うように手を振り払った。
「やめろ。こいつには触るな」
キレイなブロンドでもお構いなしに落ち武者にされてしまう。なんて勿体ない。
幼い頃見た特撮ヒーローの真似をして調子に乗って睨んでみるも、ナイスガイたちには仔犬を庇う柴犬くらいにしか映らなかったようだ。ニッコリ笑顔で俺に迫る。
「オーケー。君が素直に言うことを聞けば、その子には手は出さないよ?」
「う。……わ、わかった」
「聞き分けが良いね。さあ、楽しもう」
クラスメイトが後ろにいるのは邪魔だが、意識から押し出そう。今を楽しまないと勿体ない。口元が笑みを作ろうとするのを耐えるのに忙しかった。
ガタンゴトンと揺れる電車内にて。
「はあ、ん、はあ……うん、んあ」
「大きい声出しちゃ駄目だよ?」
「分かって、るよ……ん、うっ、はあ、あ」
左右をがっちり固められ、大人の指が胸をくすぐる。突起を引っ掻かれるたびにビクンと身体が跳ねる。
「目的地まで退屈だったから助かるよ」
「まったくだね。ほら、舐めて」
指を二本顔に近づけてくる。俺は言われた通りに犬のように舌を出した。
赤い舌が指を舐める。
「ん……」
「歯を立てないでね」
ぎりぎり届く距離に指を離される。頑張って舌を伸ばす。
「はあ……ん。もっと、近づけて……よ」
「良い眺めだ。ペットにしたくなるよ」
「んんっ」
胸を触られるたびに身体が反応してしまうせいで、うまく舌が動かない。ようやく舌が触れそうになったと同時に、尖った乳首を下から撫であげられる。
「アッ!」
舌が引っ込んでしまう。
「こら。ちゃんと舐めないと駄目だろう?」
「ごめ、なさ……」
「これはお仕置きをしないとね」
きゅっと乳首を摘まれた。気持ち良さに両腕に力が入るが、体格差もあり振りほどけなかった。
「ああんっ」
「ほら、また大きい声を出す」
後ろでおろおろしている蛍川が俺の服にしがみついてくる。流石のこいつも外国人は怖いのだろうか。なら、庇う必要なかったな。
後ろに意識をやっていると、ぺろりと耳を舐められた。ほんのりタバコの匂いがする。
「ん、だって……」
「言い訳はいい。またまたお仕置きだ」
固くなった突起を指でぴんと弾かれる。あまりの気持ち良さにへたり込んだ。
「は……はああ……」
「座って良いなんて言ってないよ?」
「それともこっちの子で遊んじゃって、いいのかな?」
「ぴいっ」
鞄をぎゅうっと抱きしめる。怯えたような顔が嗜虐心を呷るのだろうか。俺は壁に手をついて立ち上がる。
「やめろって……」
「ヒュー。友情ってやつだね」
「すばらしい。感心したよ」
友情じゃない。鞄で見えない反対側の手にきらりと光るものを握ってやがった。ハサミだ。電車を戦場に変える気か。
「では、君の可愛い顔をお友達にも見てもらおうか」
「あっ」
俺はやばい奴と向き合う形にされた。大きな瞳が不安そうに見上げてくる。とりあえずハサミ仕舞ってください。
「いっ」
尻を鷲掴みにされる。ちょっと痛かったが揉まれているうちに痛みが快感に変わってくる。
「うん。よく引き締まってる。プリチーだね。だが挿れるには小さいな」
「ん、ああ、や……あああぁ……は、あん」
「お友達に見られちゃってるよ? そんなエッチな顔をしていいの?」
するりと股間も撫でられる。
「うう、んあ、はあ……や、あ、ああ」
ぞくぞくする。気持ちいい。蛍川の存在が邪魔だと思ったけど、見られていると興奮する。存外悪くない。むしろ良い。毎回こいつ連れてこようかな。
「栄田君……」
不安を押し殺したような声に吹き出しそうになる。演技なのか素なのか分からないけど黙ってて。
前と後ろを丹念に摩られ、足から力が抜けてくる。
「んっ、はあ、ああ……も、やめて……」
首を横に振る。軽い刺激じゃ物足りなくなってきた。
「んん? 何をやめてほしいんだい? 言ってくれないと分からないよ?」
あー。こういう展開大好き。さらっと言うと面白みが無いので、わざと恥ずかしがるようにする。弱い刺激。焦らすように足の間をかりかりと引っ掻かれる。
「あ、そ、そんな……言えない、ンッ。ああ、ああぁ」
「そう。じゃあ続けるね?」
「ああ……はあ、うう、お、お願い、やめ……」
立っていられなくなったので蛍川に抱きつく。ちょっとの間、支え棒にさせてもらいますよっと。
「っ! 栄田君」
蛍川が素っ頓狂な声を出す。うるせーな。ちょっとくらい良いだろ。
イケメンたちはクスクスと笑う。
「泣いちゃった? 虐めすぎちゃったかな?」
「でもまだ到着まで時間あるし、もうちょっと付き合ってね」
リュックから大人の玩具を取り出す。旅行にナニ持ってきてんだ。いいぞもっとやれ。
日本語だ。くそ、鼻が高く顔面がかっこいい。
「え、ええ。そうですけど」
「どこ行くの?」
肩を撫でていた手が上がっていき、首筋をくすぐる。
「んっ、くすぐったい……」
よっしゃ! キタ! こいつは痴漢だ間違いない‼
心の中でガッツポーズを取る。しかも外国人なんてレアを引き当ててしまった。宝くじ買ったら当たるかもしれん。四等くらい。
嫌ではなかったがくすぐったさのせいで手を振り払おうとした。だがその手首を隣のナイスミドルに掴まれてしまう。
「アハハ。初心だね」
なにっ⁉ もう一人いる、だと? これは一等当選も夢ではないかもしれない。
「日本人って本当に真っ黒だよねー。きれいだと思うよ」
「はあ、んっ……はあ、ん」
ナイスミドルもくすぐってくる。首筋を人差し指ですいっとなぞられる。
「んあっ、くすぐったいって、はあ、うう、ん。くすぐらな、いで……って」
「可愛い声」
くすぐられているだけなのに感じてしまうのは俺がこんなんだからだろう。気持ちいいから別にいい。いいのだが、
「栄田君? 酔ったの?」
真後ろから蛍川が顔を出す。そういえばこいつがいたんだった。触られたことで湧き上がってきた甘い気分が沈殿する。
「あ、え、い、いや。大丈夫。すげー大丈夫」
「?」
不思議そうな顔をする蛍川。ひょこっと出てきたつぶらな瞳に、外国人の男二人がぱあっと破顔する。
「オウ。かわいーねー」
「おともだち? ハロー」
「……っ」
蛍川はいかにも人見知りですみたいな体を装い、俺の背後に引っ込む。だが、男たちは蛍川にも手を伸ばしてきた。待て! そいつは野犬より危険だぞ。
「君も一緒に遊ぼうよ」
「やだ。やだ」
怯えた表情でぷるぷると首を振る。無抵抗な仔犬に見えたのか蛍川の手首を掴む。ゾッとした俺はつい庇うように手を振り払った。
「やめろ。こいつには触るな」
キレイなブロンドでもお構いなしに落ち武者にされてしまう。なんて勿体ない。
幼い頃見た特撮ヒーローの真似をして調子に乗って睨んでみるも、ナイスガイたちには仔犬を庇う柴犬くらいにしか映らなかったようだ。ニッコリ笑顔で俺に迫る。
「オーケー。君が素直に言うことを聞けば、その子には手は出さないよ?」
「う。……わ、わかった」
「聞き分けが良いね。さあ、楽しもう」
クラスメイトが後ろにいるのは邪魔だが、意識から押し出そう。今を楽しまないと勿体ない。口元が笑みを作ろうとするのを耐えるのに忙しかった。
ガタンゴトンと揺れる電車内にて。
「はあ、ん、はあ……うん、んあ」
「大きい声出しちゃ駄目だよ?」
「分かって、るよ……ん、うっ、はあ、あ」
左右をがっちり固められ、大人の指が胸をくすぐる。突起を引っ掻かれるたびにビクンと身体が跳ねる。
「目的地まで退屈だったから助かるよ」
「まったくだね。ほら、舐めて」
指を二本顔に近づけてくる。俺は言われた通りに犬のように舌を出した。
赤い舌が指を舐める。
「ん……」
「歯を立てないでね」
ぎりぎり届く距離に指を離される。頑張って舌を伸ばす。
「はあ……ん。もっと、近づけて……よ」
「良い眺めだ。ペットにしたくなるよ」
「んんっ」
胸を触られるたびに身体が反応してしまうせいで、うまく舌が動かない。ようやく舌が触れそうになったと同時に、尖った乳首を下から撫であげられる。
「アッ!」
舌が引っ込んでしまう。
「こら。ちゃんと舐めないと駄目だろう?」
「ごめ、なさ……」
「これはお仕置きをしないとね」
きゅっと乳首を摘まれた。気持ち良さに両腕に力が入るが、体格差もあり振りほどけなかった。
「ああんっ」
「ほら、また大きい声を出す」
後ろでおろおろしている蛍川が俺の服にしがみついてくる。流石のこいつも外国人は怖いのだろうか。なら、庇う必要なかったな。
後ろに意識をやっていると、ぺろりと耳を舐められた。ほんのりタバコの匂いがする。
「ん、だって……」
「言い訳はいい。またまたお仕置きだ」
固くなった突起を指でぴんと弾かれる。あまりの気持ち良さにへたり込んだ。
「は……はああ……」
「座って良いなんて言ってないよ?」
「それともこっちの子で遊んじゃって、いいのかな?」
「ぴいっ」
鞄をぎゅうっと抱きしめる。怯えたような顔が嗜虐心を呷るのだろうか。俺は壁に手をついて立ち上がる。
「やめろって……」
「ヒュー。友情ってやつだね」
「すばらしい。感心したよ」
友情じゃない。鞄で見えない反対側の手にきらりと光るものを握ってやがった。ハサミだ。電車を戦場に変える気か。
「では、君の可愛い顔をお友達にも見てもらおうか」
「あっ」
俺はやばい奴と向き合う形にされた。大きな瞳が不安そうに見上げてくる。とりあえずハサミ仕舞ってください。
「いっ」
尻を鷲掴みにされる。ちょっと痛かったが揉まれているうちに痛みが快感に変わってくる。
「うん。よく引き締まってる。プリチーだね。だが挿れるには小さいな」
「ん、ああ、や……あああぁ……は、あん」
「お友達に見られちゃってるよ? そんなエッチな顔をしていいの?」
するりと股間も撫でられる。
「うう、んあ、はあ……や、あ、ああ」
ぞくぞくする。気持ちいい。蛍川の存在が邪魔だと思ったけど、見られていると興奮する。存外悪くない。むしろ良い。毎回こいつ連れてこようかな。
「栄田君……」
不安を押し殺したような声に吹き出しそうになる。演技なのか素なのか分からないけど黙ってて。
前と後ろを丹念に摩られ、足から力が抜けてくる。
「んっ、はあ、ああ……も、やめて……」
首を横に振る。軽い刺激じゃ物足りなくなってきた。
「んん? 何をやめてほしいんだい? 言ってくれないと分からないよ?」
あー。こういう展開大好き。さらっと言うと面白みが無いので、わざと恥ずかしがるようにする。弱い刺激。焦らすように足の間をかりかりと引っ掻かれる。
「あ、そ、そんな……言えない、ンッ。ああ、ああぁ」
「そう。じゃあ続けるね?」
「ああ……はあ、うう、お、お願い、やめ……」
立っていられなくなったので蛍川に抱きつく。ちょっとの間、支え棒にさせてもらいますよっと。
「っ! 栄田君」
蛍川が素っ頓狂な声を出す。うるせーな。ちょっとくらい良いだろ。
イケメンたちはクスクスと笑う。
「泣いちゃった? 虐めすぎちゃったかな?」
「でもまだ到着まで時間あるし、もうちょっと付き合ってね」
リュックから大人の玩具を取り出す。旅行にナニ持ってきてんだ。いいぞもっとやれ。
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