あだ花姫は18禁ジャンルからジャンル替えしたいみたいです。

チョコパイ

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第二部五章 海底の闇

傲慢

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「我々からユートピアを取り上げておいて…この悪魔が…何故、我々をこんな闇へと落としたんだ。」

上皇のこの言葉がこの国の抱えている問題をうきぼりにする。

陽の光が一日に数時間しか差さないアクアミューズでは、食料になる海藻等の育成にはむいていない。

だからと言って陽の当たる場所だと人が当たり前の顔をして奪っていく。

ままならない想いは暗い影をおとしていく。

夜光虫の光では食物は育たない。
この国は食料の六割を輸入に頼っている。

「じゃあ、何故ここをユートピアにする努力をしなかったのですか?」

護衛に守られながら階段を上る上皇に問いかける

「当たり前に持っている者にはわかるまい。
持たぬ者の痛みなど…」

似たような言葉を前世で言われたことがある。

「有希子みたいに皆が強い訳じゃないの。
強い有希子にはわからないでしょうね。
何の力もない弱い私のことなんて…」

あぁ…転生しても私は傲慢なままだ。

彼等は魚人であって魚ではない。
人なのだ。
だから陸を求めるのは当たり前のことだ。
太陽と月の下で暮らしたいと願うことは自然なことだ。

それなのに……ここをユートピアにすればいいのだと…

あの時もそうだ。
痴漢にあったと怯える友人に、

「そういう時は大声で『やめて下さい。』て叫べばいいのよ。」

友人を思って言った言葉だった。
でも、薙刀や空手を習っている私と違って、友人はピアノとダンスくらいだ。

言葉にする前に想像すればわかったことだ。
見知らぬ男に体を触れられる恐怖を、何も出来なかった自分の弱さを…

「大丈夫ですか?」

殿下の声で我に返る。
急いで殿下のもとへと向かうと、一人の女性が殿下の治癒を受けているところだった。

!!!

「これは?」

私の言葉におじ様が

「悪魔を召喚したかったのだろう。」

闇は闇を産み光を閉ざす。

「悪魔なんかのために…皇帝を……自分の息子の命を差し出すなんて…」

心臓に突き刺さったままの刃を抜き取ると皇帝の亡骸を布でくるむ。

光を欲しながら自ら闇に堕ちるなんて……

怒りと悲しみが光を強くする。
薙刀を強く握りしめる。

祭壇に飾られた像を薙刀で叩きわる。
像の人物…公国で見た男の姿によく似ていた。
堕天人ルシファーに……

上皇に確かめなくては…
ルシファーが悪魔なのか?
それとも他にいるのか…

おじ様が聖なる炎で浄化していく。

メラメラと燃える黒い炎は闇を燃やしつくすとやがては小さな光の珠となる。

地上が騒がしい事に気がつく…オルカは大丈夫かしら?

地上へ出て目に入ったもの…それは血を流し倒れている上皇と、黒い炎をあげ燃えている城を見つめ項垂れているオルカの姿だった。
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