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第四章 帝国にて~殿下視点~
切望
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よほど疲れていたのか目が覚めると昼過ぎだった。
父に呼ばれて執務室へと急ぐ。
部屋に入ると父は静かに話し出す。
「息子として会えるのは明日が最後になるだろうから……
辛いだろうが目を通すんだ。
お前の母がどう生きてきたのか?
何故、こうなったのか?」
父は母の供述書を私に手渡す。
父ははっきりと私に言った。
息子として母に会えるのは明日が最後だと…
つまり父は母を廃后させる事を決めたのだ。
わかっていたことなのに胸が苦しくなる。
たった数枚の供述書なのに私にはとても重く感じられた。
天人として生まれ、皆に愛され育った幼き日々。
セラフィム様と出会い恋に落ち、想いを募らせた甘酸っぱい日々。
ウリエルがあらわれ、
初めて敗北を知る日々。
嫉妬に駆られ眠れぬ夜を過ごした日々。
それでも愛されようと模索した日々。
一方的な想いが凶器となり、いつしか人を陥れるようになる。
小さな嘘を重ね、いつしか小さな嘘が大きな偽りへと変わる。
偽りが過ちに変わり…
母は禁断の果実を手にする。
供述書を握る手が震える。泣きたくなんかないのに涙がこぼれ落ちる。
母はただセラフィム様に愛されたかっただけだ。
ただ母は愛し方を間違った。
第三者なら簡単にわかることなのに、恋に堕ちた母は立ち止まる、あきらめる勇気がなかったのだ。
セラフィム様を愛しているのならばウリエル様を羨むのではなく、素直にセラフィム様に想いを伝えればよかったのだ。
かけ間違えたボタンは一度外さなくては正すことは出来ない。
母はかけ間違えたままここまできてしまったのだ。
だから父の想いに気がつかなかったのだ。
供述書にこう書かれていた。
『天界には戻れない私は地上に留まるために禁断の果実(薬物)を使って地上の人を手にしなくてはならなかった。
だから男なら誰でも良かった。』
そんな風にして手に入れた父だから母は父の想いを知ろうとはしなかったのだろう。
父が婚約者を側妃として娶り、私より先に兄が生まれた。
父は兄は上皇の子だと信じていたが実際は父の子だと父は供述書で知ることになった。
母が腹の中にいる兄を呪ったのだ…だから兄は皇族の証がなく生まれ側妃は冷遇されることになる。
ボロボロと涙がこぼれおちる。
母さえいなければ兄が帝国の皇太子でティナと結ばれていたのは私ではなく兄だったかもしれないからだ。
母が兄の人生を大きく変えてしまったのだ。
その後は上皇が実はルシファーだったこと、ルシファーが母の願いで馬車を襲わせたこと、今のルシファーはウリエルよりもティナに関心があること……
そして……
私を息子として一度も愛したことがなかったこと……が
記されていた。
私を息子として一度も愛したことがなかったと……愛したことがなかったと…
父に呼ばれて執務室へと急ぐ。
部屋に入ると父は静かに話し出す。
「息子として会えるのは明日が最後になるだろうから……
辛いだろうが目を通すんだ。
お前の母がどう生きてきたのか?
何故、こうなったのか?」
父は母の供述書を私に手渡す。
父ははっきりと私に言った。
息子として母に会えるのは明日が最後だと…
つまり父は母を廃后させる事を決めたのだ。
わかっていたことなのに胸が苦しくなる。
たった数枚の供述書なのに私にはとても重く感じられた。
天人として生まれ、皆に愛され育った幼き日々。
セラフィム様と出会い恋に落ち、想いを募らせた甘酸っぱい日々。
ウリエルがあらわれ、
初めて敗北を知る日々。
嫉妬に駆られ眠れぬ夜を過ごした日々。
それでも愛されようと模索した日々。
一方的な想いが凶器となり、いつしか人を陥れるようになる。
小さな嘘を重ね、いつしか小さな嘘が大きな偽りへと変わる。
偽りが過ちに変わり…
母は禁断の果実を手にする。
供述書を握る手が震える。泣きたくなんかないのに涙がこぼれ落ちる。
母はただセラフィム様に愛されたかっただけだ。
ただ母は愛し方を間違った。
第三者なら簡単にわかることなのに、恋に堕ちた母は立ち止まる、あきらめる勇気がなかったのだ。
セラフィム様を愛しているのならばウリエル様を羨むのではなく、素直にセラフィム様に想いを伝えればよかったのだ。
かけ間違えたボタンは一度外さなくては正すことは出来ない。
母はかけ間違えたままここまできてしまったのだ。
だから父の想いに気がつかなかったのだ。
供述書にこう書かれていた。
『天界には戻れない私は地上に留まるために禁断の果実(薬物)を使って地上の人を手にしなくてはならなかった。
だから男なら誰でも良かった。』
そんな風にして手に入れた父だから母は父の想いを知ろうとはしなかったのだろう。
父が婚約者を側妃として娶り、私より先に兄が生まれた。
父は兄は上皇の子だと信じていたが実際は父の子だと父は供述書で知ることになった。
母が腹の中にいる兄を呪ったのだ…だから兄は皇族の証がなく生まれ側妃は冷遇されることになる。
ボロボロと涙がこぼれおちる。
母さえいなければ兄が帝国の皇太子でティナと結ばれていたのは私ではなく兄だったかもしれないからだ。
母が兄の人生を大きく変えてしまったのだ。
その後は上皇が実はルシファーだったこと、ルシファーが母の願いで馬車を襲わせたこと、今のルシファーはウリエルよりもティナに関心があること……
そして……
私を息子として一度も愛したことがなかったこと……が
記されていた。
私を息子として一度も愛したことがなかったと……愛したことがなかったと…
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