あだ花姫は18禁ジャンルからジャンル替えしたいみたいです。

チョコパイ

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第四章 帝国にて~殿下視点~

過去との対峙

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薄暗い地下牢へと続く階段を降りていく。

鼻腔をつく不快な臭いの正体を知った時、私は思わず目を背ける。

「私を笑いにに来たのかしら…」

朽ち果てた翼が腐り異臭を放つ。

「・・・・・」

言葉より先に涙がこぼれ落ちる。

「私…貴方が嫌いだったの……」

ラファエルは淡々と話す。

「えぇ…今ならわかるわ。貴方が私の事を嫌っている事を…」

本当はずっと前から知っていた。でも……

「それでも私はラファエルが好きだったの。

ラファエルは私の憧れだったから…

だから目を背けるべきではなかったわ…
変わっていく貴方を止められたのは私だけだったのに…」

ガシーン

ラファエルが牢屋の格子を掴んで揺らす。

「貴方のそういう所が嫌なのよ!!」

ラファエルの瞳から涙がこぼれ落ちる。

「いい人ぶらないでよ。本当は笑っているんでしょ!!

天界から見捨てられた私を見て…本当は馬鹿にしてるんでしょ!!」

ラファエルの言葉が私を苛立たせる。

「ふざけんじゃないわよ…親友が苦しんでるのに喜ぶ人なんていないわよ!!」

牢屋の格子を思いっきり殴りつける。

「自分の性格がひん曲がっているからって、私まで同じにしないでよね!!

もう、いいおばさんなんだから悲劇のヒロインぶらないでよ!!」

苛立ちと情けなさと…
そして後悔が涙になってブワァッ…と込み上げてくる。

「セラフィムお兄様の事が好きだったのよね?」

ラファエルが射るような目で私をにらみつける。

「セラフィム様の名をこんな汚れた場所で呼ばないでよ。

あんたには関係ないでしょう!!」

「関係ない?
関係ないなら何故私を…私の娘をまきこむくらい憎んだの?

セラフィムお兄様のことがあったからでしょう?

ラファエル…憎むなら私だけ憎めばよかったのよ…

私だけを……
そうすれば…こんなことにはならなかったのに…」

牢屋の格子を掴み大声で叫ぶ。

「何故、自分の子にまで…ラファエル……貴方のご両親は貴方をあんなに愛情を持って育ててくれたのに…

私と違って本当の両親が愛してくれたのに…」

込み上げてくる涙を止めることなく格子をガンガンと揺らす。

ラファエルが羨ましかった。

自分の事を誰よりも愛してくれる両親。

才女と呼ばれる知識と癒しの聖なる光。

癒しの光…それは私の荒削りの光と違い全てを癒し包み込む光。

私が欲しかったもの…

「ラファエル、貴方は馬鹿よ!!大馬鹿者よ!!

全て持っているくせに、あれもこれも欲しがって…

陛下がどれくらい貴方を愛していたか知ろうともしないで…

あんな男に騙されるなんて…」

ラファエルがうつむいたままブツブツとつぶやく。

「あの人が私を愛しているわけがないわ…

私以外の女を娶って、子を作って…

私を城から遠ざけたわ…あの女を側に置くために…」

夫から聞いたことがあった。

陛下はラファエルに皇后の仕事を与えなかった。

教育を受けていないラファエルには皇后の仕事は難しく、きついものだったからだ。

そして側室として迎えた側妃は元婚約者として皇后教育を三年も受けていた。

帝国を運営するには側妃の頭脳が必要だったのだ。

夫は私が嫁ぐとすぐに家庭教師をつけた。

「初めは辛いかも知れないが知識は武器になるから…」と言って…

「ラファエル…私と貴方も…貴方と陛下も互いにもっと話し合えば良かったわね…

そうすれば…もっと違う結末だったかも知れないのに…」

ラファエルは極刑が決まっている。

違法薬物の使用に、殿下への殺人未遂、側妃の殺害指示…そしてリオン公爵家に養子と入ったオースティンへの殺人未遂…

断頭台もしくは火炙りだと噂されている。

「ラファエル…」

堕天人となってしまった今のラファエルを晒すのが嫌だった。

父からは許可をとってある。
多分、今頃には陛下の元へ父からの書状が届いているはずだ。

「ラファエル…ゆっくり休んで…貴方のお父様とお母様が待っているわ…」

私の言葉の意味がわかったのかラファエルは静かに目を閉じる。

「ウリエル…セラフィム様に

『最初から最後までセラフィム様だけを愛していた。』

と伝えて欲しいの。」

私はうなずくと…天人の姿に戻る。

薄暗い部屋が光輝く。

「ウッギャァ……」

ラファエルの悲鳴が響く。

ドロドロとラファエルが溶けていく。

「ラファエル…ラファエル…何故…どうして…」

数日後、皇后が投獄中、病で亡くなったと発表があった。

皇后の遺体は不浄の地に晒されるように投げ捨てられた。

そして私はリオン公爵と離縁し、ただのウリエルに戻った。

「クリスティーナが帝国に帰ってくる前に片付けちゃいましょう!!」

元夫が笑う。

「アレも花嫁修行に皇后教育と帰ってきたら大忙しだからな…少しは肩の荷を減らしておかないとな…

まぁ…未来の夫も少しは役にたつだろう。」

私達の視線の先には少しだけたくましくなった殿下が……

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