あだ花姫は18禁ジャンルからジャンル替えしたいみたいです。

チョコパイ

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第五章 縺れた糸

罪は罪

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「・・・でっ、ここに連れてきたと…」

おじ様が苦笑いを浮かべる。

「難しい話しは私には無理かな…と思って…

ほら…色々な手続きがあるでしょ?

自首だと罪がかるくなるんだっけ?

あれ?
そもそも裁判てあるのかしら?」

罪は罪だ。
バハムートがたとえ被害者だったとしても、自分のやったことの落とし前はつけなくてはいけない。

「ミカエルはどうしたいんだ?」

きっと母なら、バハムートのやったことを考えれば、ためらうことなく聖なる炎で焼き尽くすだろう。

でも私は……

大学の論理の講義でロジカルシンキングの一例として「死刑制度」についてのグループセッションを行ったことがある。

人を殺したら、生命を持って償うべきなのか?

被害者家族を考慮して加害者を処罰することで、被害者家族は加害者になるのではないか?

さまざまな意見の中、個々の意見は似ているようでみな違っていた。

正義の物差しは個人によって違うということを私はそこで学んだ。

だからこそ

「バハムートには罪は罪として償うべきだと思います。

でも…それは命をもって償うのではなく、きちんと自分が犯した罪と向き合うことだと私は思うのですが…」

おじ様が微笑む。

「ミカエルらしい罰だな…

でもそれは、もしかしたらバハムートにとって、死ぬことより苦しい事だと思うのだが…

バハムート、君はどう思う?

死んで楽になるか?
生きて苦しむか?」

おじ様の言葉に気づかされる。

「あだ花姫」と呼ばれていた頃、生きるのが本当に辛かった。

言われもない言葉の暴力や蔑む視線、逃げ場のない苦しみを私は知っている。

でも…
だからこそ…

「・・償いたいです。」

バハムートが答える。

「全ての罪が赦されるとは思ってはいません…でも……楽になるために死ぬのは違う気がして……」

おじ様がバハムートに尋ねる。

「ルシファーは君に何を約束したのかい?」

約束?

おじ様が首をかしげる私に

「ルシファーは人の心につけ入るのが上手いんだよ。

皆、心に何かしら問題を抱えているからね。」

バハムートは静かに答える。

「雌雄同体でも愛されるべきだと…」

バハムートの大きな体が震える。

その言葉の意味が私には良くわかる。

ただ愛されたかったのだ。

オルカとの前世で私が感じた
『愛されたい孤独』

暗闇で孤独なあの地下で、私はひたすら愛されたいと願っていた。

震えるバハムートを抱きしめる。

「大丈夫…貴方も愛されるべき人だわ……

罪をつぐなったらリオン公爵家にいらっしゃい…皆が歓迎するわ。

まずはリハビリ施設でボランティア活動をして自分の犯した罪の結果をちゃんと見てきた方がいいわね。

あとはルシファーを捕まえてからかしら…」

おじ様がうなずく。

「オルカの方も実を見つけたらしいから…
治療もはかどるだろう…」

天人と帝国側の騎士に連れられてバハムートがリハビリ施設へと向かう。

「クリスティーナ、二人の婚約に割り込んでしまってすまなかった。

私は想い合う二人の姿に憧れたんだと思う。

私も二人みたいに想う相手が欲しかったのかも知れない…」

愛されたいと願うのは誰もが同じだ。

だからこそ…

バハムートの背中を見送りながら

「全部終わったら、主と話し合う場をもたないと……」

私の言葉におじ様はうなずいた。



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