あだ花姫は18禁ジャンルからジャンル替えしたいみたいです。

チョコパイ

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Go for broke

柔和質直

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強さとは静だ。

表面的な激しさや厳しさではなく、内に秘めた何事にも動じぬ柔和さと静けさこそが真の強さだ。

薙刀を通じてわかったこと。

そしてまさに目の前で微笑む主、そのものを表す言葉だ。


「ミカエル、お前はどうしたい?」

主は私を見つめる。

「一つ聞いてもいいですか?」

主は黙ったままうなずく。

「エロゲのあだ花姫は主から私への警告だったのですか?」

おじ様が私を変えるために岩瀬有希子としての生を与えたように…

主は私が幾度も辿ってきた道をあだ花姫として私の記憶に留まらせた。

それは多分、私のためではなく…

「母を止めるための…」

主は机の上に手を置くと

「あれは外面と内面、二つの魂を持つ憐れな子だ。

一つはまばゆい光を放ち、もう一つは真っ暗な闇を放つ。

私にはあれを救えなかった。」

おじ様も父も気がついたのだろう…
ルシファーの他に大きな闇の存在に…

「母は二重人格者なんですね…」

「それとは少し違う。
あれはお前と同じ神子だった。

あれは闇と半天人の子だった。

普通、純血の天人でなければ翼は生えない。

例外があるとすればガブリエルのように、親から力を受け継ぐか、ウリエルやミカエルのように闇の血を受け継ぐ者か…」

主の言葉が胸を突き刺す。

「私の父親はルシファーなのですか?」

主が首を横にふる。

「お前の父親はリオン公爵だ。
そしてリオン公爵の母親が闇だった…

ウリエルとリオンは共に闇の血を継いでいる。

ミカエル、つまりお前の中にも闇の血が流れている。

それも違う種の闇の血を…」

闇の血…
確かに私は純真無垢ではないし、清廉潔白ではない。
どちらかと言えば利己的な人間だ。

でも…でも…闇の血を受け継いだ私が殿下の隣に居てもいいのだろうか……

そもそも母の事を考えると……


「大丈夫だよ。
ティナが闇ならそれは温かな暁闇みたいなものだよ。

知ってる?ティナ…
夜が明ける前のうす闇を…

ティナは朝陽の昇る前の静寂の暁闇みたいに希望に満ちた闇なんだよ。」

殿下が私の顔を覗き込んで笑いかける。

「でも…闇には変わりはないわ。」

殿下に背を向けるとギュウッと唇を噛みしめる。


「私は闇が全て悪いとは思わないのだよ。

ミカエル、お前の父の母、つまりお前の祖母は天人だった。

自分の母親を守るため、暴漢を二人殺めて地上におとされた。

罪だけみれば二人の命を奪ったのだから…
私にはどうすることもできなかった。

お前はそんな祖母を闇だと言って悪だと非難できるかい?」

私は首を横にふる。

「それと違って、ウリエルの父親は人の穢れが生んだ闇だった。

彼はウリエルの母親を無理やり犯し妻にした。

ウリエルが生まれてすぐに母親はウリエルに暴力をふるうようになったらしい…

同じ闇でもウリエルの背負った闇とリオンの背負った闇は似て非なるものだ。

つまり闇の血が流れていようといまいが、人の価値を決めるのは自分自身だということだ。」

主は優しくなだめるよう語りかける。

「ミカエル、お前はお前だ。

その黒い翼は人によっては邪悪な色に見えるだろう。

でも私の目にはミカエル、誰にも踏みいることのできない威厳のある色に見える。

ウリエルは……
自分自身を受け入れられなかったのだろう。

光を放つ自分も…
闇を放つ自分も…
 
どちらも自分自身だと…受け入れることが出来ずに各々が反発しあって今のウリエルになってしまったのだろう。

私は公明正大に裁かねばならない。

それが上に立つ者の使命だと思っている。

でも一方で、どんなに愚かな事をしたとしてもウリエルを救いたいと願う私もいる。

明日の朝にはウリエルは帝国によって拘束され罪人としてこちらに送られてくる。

お前の父から帝国ではなくこちらで裁いて欲しいと頼まれてな。

ミカエル、そしてガブリエル…本質を見失わず真実を見極めなさい。」

主は私と殿下を見つめるとまるで溶けてしまったかのようにその場から消えていった。

『本質を見失わず…』

主は何を言いたかったのだろう。

何より私は主の望んだ通り母を止められたのだろうか……

「ティナ…今夜は一緒に眠ろうか?」

殿下が私の肩を抱く。

不安で押し潰されそうな私を気遣ってか殿下が微笑む。

「いえ…父と話して来ようと思います。

でも…ありがとう。」

殿下の優しさが今は少し怖かった。
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