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魔族の恋人

初めての…… *

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 飛んでいた感覚が無くなれば、そっと目を開けた。
 着いたのは自分の部屋のバルコニーだった。

 スタスタと中に入ってベッドに放り投げられた。
 前と一緒……。

 そのまま上に覆い被さるラヴィアスを見上げる。
 ラヴィアスの唇で唇を塞がれて、口内で舌を捕らえられた。
 チュクッと音がするたびに羞恥心が湧いてきて体が熱くなる。
 ラヴィアスが離れれば、さっきまで触れ合っていた唇を見つめてしまった。
 いつもより唇に赤みがさして、妖艶に見える。
 俺もキスしたいって言ったからいいのだけれど、恥ずかしくなって顔を逸らす。

「リディオ……かわいい……」

 耳元で囁かれてラヴィアスの声が俺の全身に駆け巡った気がする。
 耳まで真っ赤に染まる。その耳をペロリと舐められた。

「ひゃっ……!」

 耳ってゾクゾクする!

 そのまま移動した舌が首を舐めてきてカプッと甘噛みされた。

「んっ……」

 鼻にかかるような変な声が出た……!

「あっ……ラヴィアス……んっ……」
「あまり可愛い反応をするな……性急に進めたくない……」

 俺の首にラヴィアスの舌が這う。肌を舐められる感触にゾクゾクが止まらない。

 ラヴィアスが着ていた服を脱いだ。
 久しぶりに上半身が裸なのを見て、胸がバクンバクンと鳴る。
 相変わらず彫刻のような綺麗な体……って……ちょっと待って!

 これって……あの、そういうアレが始まってる⁉

 再び覆い被さってくるラヴィアスにめちゃくちゃドキドキする。
 心臓が口から飛び出る!

 チュッチュッと顔中にキスの雨が降ってくる。

「ラ、ラヴィアス……! あの……ちょっと……待って……!」

 ラヴィアスは、ピタッと動きが止まる。

「あの……こ、こいうの初めてで……ど、どうしたらいいのかわかんなくて……」

 前世の記憶では、女の子とキスした事はあるけれど、こんな経験はない。
 しかも、男の人とする知識はほんのりとしかない。
 ラヴィアスが求めているのはこういう事なんだとわかるけれど、今の俺には心の準備がまだできていない。

「初めてじゃなかったら相手を殺している。お前は私に任せていればいい……」

 慰めるようにそっと髪を撫でられるけれど、それで本当にいいの?

 ラヴィアスがする深いキスは、俺の頭をトロけさせる。

「んんっ……」

 そのまま服を脱がされた。
 ラヴィアスはまだズボンを履いているのに、なんで俺だけ裸なの……?

「あの……俺……お風呂……まだ……」
「関係ない。お前の肌は……甘いんだ……」

 首から鎖骨……胸へとラヴィアスの顔が移動する。
 そのまま胸へ顔を寄せて、胸の尖りをパクリと口に含まれた。
 チロチロと舐め回されて、舌で転がしては甘噛みされる。
 時間をかけて舐められて、快感を覚えさせられる。

「んっ……んぁ……あっ……」

 段々と声が止まらなくなってくる。
 恥ずかしくて口元を手の甲で覆う。

「ん、んん……」

 すると、その手をどかされた。

「あっ……ラヴィアス……」
「我慢をするな……可愛い声を聞かせろ……」
「んっ……あっ、あん……」
「そうだ……もっと聞かせろ……」

 胸からジンジンとした感覚が俺の股の間にあるモノへと伝わって感じる。
 もうすっかり勃ち上がっている自分のモノが恥ずかしくて身をよじる。

 ラヴィアスは、それに気付いてあろう事か俺のモノを握った。

「さ、触っちゃダメ……!」
「一度イけ」

 胸の尖りを舐めると同時に手を動かされて扱かれた。
 気持ち良すぎて悶える。

 ヤバい! 何これ⁉︎ こんなの聞いてない!

 ラヴィアスの手は止まることはなく、俺を攻め立てた。

「あ、ああっ……! んっ! ダ、ダメだってばぁ──っ!」

 そのままイッてしまった……。
 羞恥心と快楽で涙が出てくる。

 そこで、ラヴィアスの手を汚してしまった事に気付く。

「ご、ごめん! 拭いて!」 

 ラヴィアスは、自分の手を見つめると俺の出した白濁をペロリと舐めた。

「な、何してんの⁉︎」

 自分の手をペロペロと舐めながら、俺を見つめてくる。

「リディオ……お前は精液も甘いんだな……」
「そ、そんなの知らないよぉ……」
「香りも甘い……」

 恥ずかしくて真っ赤になっていれば、チュッとおでこにキスされて微笑まれる。
 キュゥンと胸が鳴った。

「ラヴィアス……好き……」

 気持ちが溢れて止まらない。

「──っ! リディオ……」

 ラヴィアスは、ズボンを脱いで膝立ちになった。
 立派に勃ち上がっているモノに釘付けになる。

 お、大きい……。

 俺も気持ち良くしてあげたい……。
 そっと体を起こした。

「リディオ?」
「あのね……その……する前に……俺も手でやってあげたい……ダメ?」
「お前というやつは……それなら、頼む」
「うん……」

 改めて視線をラヴィアスのモノに向けると怖気付きそうになるけれど、ラヴィアスはやってくれた。

 そっとラヴィアスに近付いて、ラヴィアスのモノを手で握る。
 気持ちいいように上下に扱いた。

「ど、どう?」
「ああ……その調子でいい……もう少し体を起こせ。キスさせろ」

 言われた通りに膝立ちになれば、抱きしめられてキスされる。
 人肌で抱き合うのって気持ちいい……。
 舌を絡めるキスはもっと気持ちいい……。
 夢中で手を動かしてキスを求めた。

「ラヴィアスの……キス……んっ……好き……」
「──っ!」

 そのまま強く抱きしめられたと思ったら、ラヴィアスのモノが俺の手の中でドクンッと脈打った。
 ラヴィアス……イったんだ……。
 気持ちいいのって魔族も同じなんだ……。

「えへへっ。ラヴィアスも気持ちよかった?」
「なんでそんなに嬉しそうなんだ……?」
「ラヴィアスが気持ちいいと俺も嬉しい」

 俺の手で気持ち良くなってくれたって事だもん。

 ニコニコすれば、なぜだかラヴィアスが口元を手で覆った。
 そっと手を離して自分の手を見れば、自分の手はラヴィアスの白濁で汚れている。

 確か……ラヴィアスはこれを舐めてた……俺もしたらいいかな?

 そっとラヴィアスの白濁で汚れた自分の手を舐めてみる。
 甘いって言われたら甘いかな?
 うん……嫌いじゃない……。

「──っ! さっきから……! リディオ……お前……煽りすぎだ」

 ガシッと両肩を掴まれる。

「ラヴィアスもしてたから……ダメだった?」
「いいんだが……参ったな……」

 そっとベッドに押し倒された。
 いよいよラヴィアスのものになるんだ……。
 心臓の音がすごい……。

「ラヴィアス……」
「心臓の音……すごいな……」
「だって……好きな人とするんだから……そうでしょ?」
「っ! お前は……末恐ろしい……」

 抱き合ってキスしている時に、急にバタンッと扉が開いてびっくりする。

「リディオ! 帰ってきただろ⁉︎」
「リディオ? 髪の色、まだ戻ってないなら見せて欲しいんだけど」

 ユシリスとフォウレだった。

「う、うわぁ!」

 思わずラヴィアスを押して、布団に潜る。

「甘い香りがする……」
「ラヴィアス様……全裸ですか……」

 ラヴィアスの眉間の皺がすごい……。

「お前らぁ!」

 ラヴィアスの怒声が部屋に響いた……。
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