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2年だよ!?

ポルン《ぼく》

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「ポルンお熱」
ノエルがベッドで頭をなでなでしてくれてる。
「俺のお薬飲んだし…もう大丈夫だよ!ゆっくり眠るんだよ…」
クランが手を繋いでくれてる。

ハリキリ過ぎてぼく、お熱が出たみたい。何だか頭がぼーっとしてさ…
ふわふわしてさ…
熱くて…ズキズキ痛くて…。
このまま眠っていたい。
眠っていたいよ…。


クランが妊娠してから、ぼくは自分の息子たちのことを思い出すことが増えた。
思い出すとさ…胸の真ん中がさ…もにゃもにゃのぐちゃぐちゃの気持ちになるんだ。

4歳差の兄弟でね、兄はホントに弟が可愛くて仕方ないんだ!って感じでさ。
ホントに大事にしてた。喧嘩もしないし、なんなら弟がエラそうに
「そんなことも知らないのか?」って言ってもさ、「お前って凄い!何でも知ってるんだな!」って褒めちゃってるし。
弟が寝てると嬉しそうに寝顔見てさ
「寝てる時は、ホント可愛い…。」っておじいちゃんとかのセリフだよね。
弟はさ、ツンデレ気味なんだけど兄が自分を絶対に嫌いにならないって自信に溢れてる。どんな自分でも愛されてるって愛してくれる人がいるって最強みたいでさ。
ちょっと抜けてる天然気味の兄をさりげなく手助けしてる。
あたしの都合で、勝手に離婚しちゃったのにさ、いつもあたしを支えてくれて…あたしに頑張る力をくれた。
って、どんどん記憶が頭ん中に溢れてくる…アレ?何でかな…あの子たちの名前だけわからない…?名前…わからないよ…。
涙止まらないし…どうしよう。
「うぅぅぅ…逢いたいよ。寝てる時、おデコや顔を触りたい。なでなでしたい。横を通る時にさ、おしりをペローンって触りたい。体の1部を触ってたい。話したい。顔みたい。名前思い出したい。」
何でかな…急に思いが溢れて、止まらない。
帰りたい。戻りたい。ここじゃない。
『ぼく』じゃない。
『あたし』だったのに。
助けて?
連れて帰って?
息子たちに会わせて?
どこにいるの?
あたしの宝物なの…
あの子たちのために生きて
あの子たちの笑顔を守るために生きていた。
そうだ。あの子たちが大好きなんだ。
ココはあたしの居場所じゃない。
あの子たちのいる場所が
あたしの居場所。
ねぇ…

誰か…

ぼく…?

あたし…?

ダレ…?

教えて…?

……ん…ココはどこなんだろう…ン…

…ちょっと疲れちゃったな…

…眠くなっちゃ……たな…
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