異世界転移したら女神の化身にされてしまったので、世界を回って伝説を残します

高崎三吉

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第7章 西方・リバージョイン編

第122話 裸の付き合いでもやっぱり「底」は見えません

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 その日の夜、オレとカリルは宿の風呂に一緒に入っていた。
 風呂と言っても石を焼いて熱する蒸し風呂だが、それでも客用にそんなものがあるだけでも結構な上宿のはずだろう。
 オレとカリルのいずれも全裸のいわゆる『裸の付き合い』だが、もちろんオレの方の首輪は相変わらずだ。
 全裸の身に首輪と鎖つきとは、元の世界だったらまちがいなくエロゲーかSMプレイかと勘違いするところだろう。

 もしオレが男のままだったら、カリルと一緒に風呂に入れるだけでありがたい報酬だと思ったかもしれないが、今では気恥ずかしい思いをするだけだ。
 カリルの裸体は均整のとれた実に麗しいもので、オレとしては微妙にその裸体から視線を逸らしていた。
 そしてカリルはここでオレにねぎらいの言葉をかけてくる。

「今日はご苦労様でした。ここで疲れを癒やして、また次もお願いしますわよ」

 それって要するに『当たりが出るまでセクハラされ続けろ』という事ですか?
 もちろんカリルがそれを命じる事は絶対にないだろうけど、どう考えてもオレがそうやって『犠牲』になることを前提に話が進んでいる気がするぞ。
 だがここでカリルは少しばかり憤慨した様子を見せる。

「そう言えば団長さんから聞いたところでは、今日アルタシャさんと会った司祭さんは、随分とよこしまな目であなたを見ていた上に、いろいろといかがわしい真似をしようとしたそうですね」

 この台詞は本気で言っているのだろうか?
 カリルによってオレが着せつけられたドレスは『遠目では清楚な純白のドレスだが、首輪を間近で見るように近づくと、あちこちがギリギリ見えるようで見えない扇情的な姿になる』という代物だ。
 わざわざそれを選んだカリルは、むしろオレがセクハラの対象となり、それによって訪問した寺院の司祭を釘付けにさせるためだったとしか思えないのだが。

 カリルの事だから自分はそんな事など考えていなかったアピールをしているのか、本当に天然の結果なのか、未だオレには判別する術がなかった。
 しかし今はそれよりももっと問いたい事があった。

「あらためて伺いますけどカリルさんは人の魂や霊体が見えるのですよね?」
「ええ。そうですよ~ あなたの魂も本当に綺麗な色をしてらっしゃいます」

 ここでカリルは少しばかり心配そうな表情を浮かべる。

「ただお疲れなのか、少しばかりくすんでおられますね。いまはゆっくりと鋭気を養ってくださいませ」

 ぬけぬけと言ってくれるものだが、タティウスと違いカリルはどこまで本気なのかさっぱり分からない。
 オレは『自分の魂の性別』について問いたいと思ったのだが、少しばかり気に障った事もあって思わず別の事を問いかけてしまう。

「いったい誰のせいで、こっちの気分が落ち込んでいると思っているのです?」
「え? やっぱり……その首輪がお気に召さなかったのでしょうか?」
「当たり前ですよ。あなたがこっちの立場だったらどう思いますか」

 あんまり強く非難して焼き印に切り替えられてしまったら困るので、ここは少々抑え気味に指摘することにした。
 それで通じないなら、まあそのときはそのときだ。

「そうですか……いえ。お気持ちは分りますわ。しかしその首輪はあなたのためのものですから、しばらく我慢して下さいな。きっと慣れますよ」

 あいにくだけどオレは首輪に慣れたくなんかないんだよ!
 さすがのカリルもオレの顔に浮かんだ不満の色に気付いたらしく、少しばかりしおらしそうな表情をする。しかしここで次にカリルの発した言葉は、やっぱりオレの想定のかなり斜め上をいくものだった。

「念のために申し上げておきますけど、魂には男女差はありませんのよ。だから気にする事などありません。わたくしも気にしませんから」
「え?」

 いきなり何を言っているんだ?
 いや。そのことを問いたかったのだけど、なぜカリルが先回りして答えているんだ。
 まさかオレが『元男』であることもカリルは見抜いているので、急にそんな事を言い出したのか?

「いえ……気にしないのはいいんですけど……少しは気にして欲しいというか、何というか……その……」

 元男に全裸を見られても、一向に構わないと言われるとこっちもいろいろと複雑な気になってくるじゃないか。
 どうにか意識しないでいられたカリルの全裸も、そうなるといろいろと気になるモノだ。
 オレが妙に意識してギクシャクしていると、カリルはこちらに手を伸ばし、そして首輪の鎖をつかむ。

「大丈夫ですよ。この首輪に宿っておられる方は肉欲とは無縁ですから」
「はあ? いったい何を言っているんですか?」
「先ほどから首輪を気にしてらっしゃるのは、そういう意味だと思ったのですけど、違いましたか?」

 カリルは小首をかしげつつ、オレに問いかけてくる。
 そういうことか!
 要するにオレの気分がすぐれないのは『首輪に封じられたケノビウスとこれから風呂もトイレも一緒になる』事が原因だと思っているのかよ!

「繰り返しますけど、魂そのものに男女の差はありません。故に魂として物品に封じられている相手があなたと始終一緒であるからといって、何を見られても一切気にされる事はありませんわ」

 確かにオレとしても『始終一緒の首輪の霊体にあれこれ見られる』事を改めて意識すると少しは気恥ずかしい。
 まあ普通に考えると首輪だの像だのに封じられて何百年も過ごしている魂が、生身の人間同様の性欲を持っているとは考えにくいから、カリルの言っている通りなんだろう。

 以前にフレストルから聖セルム教において『霊的に男女は同権』だと聞かされていたし、カリルの言葉でも魂の男女差はない ―― 最低でもカリルには区別はつかない ―― ということなので今のオレの魂が男女のどちらになっているかは分らないということになる。
 これはホッとすべき事なのか、それとも悩ましい事なのか。
 首輪と鎖付きでカリルと風呂に入っているエロチックかつ滑稽な自らの姿を顧みて、オレは小さくため息をついた。


 とりあえず魂の性別についてこれ以上、深入りするのは避けるとして、いまは目の前にある問題に取り組むとしよう。

「別の質問ですけど、これから本当に不正を行っている司祭を見つけたら、カリルさんはどうするんですか?」

 時代劇じゃあるまいし、悪行の証拠を見つけたからと言って、司祭をその場で成敗というわけに行かないのは当たり前だ。
 ついでに言えば魔法が使えようが使えまいが、なるだけ荒事を避けたいのがオレの性分だ。
 普通に考えると上層部に報告して、処断してもらうことになるのだろうか。

「もちろんその場にて、わたくしの権限による即決裁判で処遇を決定します」
「ええ?!」
「当然ではないですか? ここからわたくしたちが派遣されてきた審問庁まで往復で一月はかかりますよ。もちろん審問庁で処罰を決めていたら、もっと時間がかかります。それまで問題を放置するわけには参りません」

 おいおい! 言っている事は分るけど、大丈夫なのかよ!
 査察官の権威がどういうものかは分らないけど、断罪した相手が水○黄○のようにひれ伏して言う事を聞いてくれるのか?

 もちろんそういう相手もいるかもしれないが、やけになって反抗してくる相手だっている可能性は当然ある。
 カリルの一行である『暁の使徒』は全員で十人もいないんだぞ。
 確かにタティウスはじめ連中は腕利き揃いかもしれないけど、相手だってそうなったら死にものぐるいだろう。
 最悪の場合、寺院にいる連中全員が敵に回るどころか、地元の民衆だって反発するかもしれないんだ。

「大丈夫ですよ。そんなに心配する事はありません」

 カリルは自信満々に請け負ってくれるが、むしろあんたがいるからこそ心配なんですって。

「わたくしたちにはちゃんと切り札がありますから」
「それはいったいなんですか?」

 まさかカリル本人が一見すると『か弱い乙女』だけど、実はもの凄い魔法の使い手で、そこらの相手は軽くなぎ払えたりするのか?
 しかしここでカリルは朗らかに笑いつつ、オレを指さす。
 え? まさか『切り札』というのは――

「アルタシャさんなら大丈夫ですから、もっと自分を信じて下さい。僅か数日の出来事で、あれだけの人々の心をつかみ、慕われているのですからね」

 つまりアンタがオレを偶像に祭り上げているのは、そのいざという時のためなのかよ!
 いや。話によればこの首輪ははめた人間 ―― つまりカリル ―― の意志で魔法を使えるように出来るはずだから、オレに魔法で助力もさせるつもりなのか。
 ああ。つくづくいいように使われているけど、カリル本人は建前上は『友達』だと言い張るんだろうな。
 それが何となく分ってしまう自分が何となくイヤだ。

 しかし聖人の従者の魂が込められた国宝級の首輪をはめて、街を一つ救ったとして持ち上げられている『金色の乙女』の実体が今のオレだとは、まさに偶像アイドルそのものだな。
 別に芸能界入りしてスポットライトを浴びることに興味なんか無かったけど、一見すると華々しい世界でも裏に回れば、こんなものなのかもしれない。
 ひょっとしたら一神教徒が崇める聖セルムですら、一皮むけば今のオレのような存在だったのではないのか ―― カリルと付き合っていると、そんな事を考えさせられてしまいそうだ。

 まあ宗教的無節操を自認しているオレだからどうでもいいけど、むしろずっと彼女と付き合わされていながら、どうにか折り合いをつけてやっていけているタティウスの方が凄いと言うべきだろうか。
 とりあえずもうオレとしては開き直るしかないようだ。
 こうなると『問題の解決』に関する疑問をぶつけるしかあるまい。

「しかし思ったのですけど、この地域の司祭が故意に不正を行っているわけではないとも考えられますよ」
「どういうことですの?」
「実際この街の住民も襲撃は恐れていました。他の町や村々も同様でしょう。そうなると暴れ回っている連中が司祭達を脅しつけて、自分たちの暴挙を呑ませている事もありえます」
「確かにそれはあり得ますわね。それだけですか?」

 そう言ってカリルは小さく頷きつつ、話の続きをうながす。

「そしてそれに対し、司祭達はただ関わり合いになるのを恐れて目をつぶっているだけで、悪事と言える事はしていない可能性だってあります」

 まあ実際に元の世界でも『聖戦』を掲げて暴走しているテロリストだの暴徒だのに対して、地元の聖職者が手を貸さないとしても、なにもせず手をこまねいているのは、残念ながらよくあったことらしい。
 たぶんこの世界でも同じだということだろう。
 そしてこの場合、一番困るのは『断罪すべき不正を行っている司祭』がいないので、カリルが納得するまでオレは訪問先でセクハラされ続ける ―― もとい。振り回され続ける羽目になるということだ。
 いや。仮に分りやすく不正を行っている司祭がいたとしても、そいつを処断したところで状況は何も変わらないはずだ。
 それになによりも問題の本質はそもそも別のところにある。

「一番の問題は仕事にあぶれた傭兵達が『聖戦』を勝手に掲げている事では無く、戦争が終わったときに彼らが職を失ってしまって食うに困る事でしょう。それをどうにかしないとまた同じ問題が繰り返されることになってしまいますよ」

 もちろんこんな事をカリルに言ったところで、彼女にはどうすることも出来ないのは分っている ―― むしろ解決出来る手段をあっさりと見いだせたら、オレの方から彼女を崇拝したくなるかもしれないぐらいだ。
 そしてオレのこの問題提起に対し、カリルはどこか面白そうに、そしていつも通り、全くその底を見せない笑顔をこちらに向けていた。
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