625 / 1,316
第16章 破滅の聖者
第625話 アンデッド教団の巡礼者に対して
しおりを挟む
そんなわけでオレはまた一人で村をめぐることにした。
いろいろと悩ましい状況だけど、少なくともファザールが新しい軍をここに送り込んで『虚ろなる者』たちを排除できるようになるまでは、オレが地道に頑張るしかないな。
何日先になるのかは分からないけど、逃げ回りつつこっそりと出会った病人を治療するぐらいならどうにかなるという見通しぐらいはあった。
しかしそう考えていると、オレの視界には見逃すことの出来ない集団が引っかかる。
相手はざっと見たところ老若男女が入り交じった十人ほどの集団だ。
恐らくはこの近辺の農民らしく服装は貧しそうだが、持っているのは手荷物程度なので特に長旅をしようとか、避難しようとしているわけではないらしい。
大半はお年寄りらしく、若そうなのは先導している男だけのようだ。
それだけなら特に驚くような事でもないが彼らを先導しているのは、オレが少し前に出会った『旦那』とだけごろつき共に呼ばれていた『虚ろなる者』の教団員だったのだ。
オレは思わず身を隠して、連中の様子をうかがうがどうやら『旦那』は農民達に愛想よく笑顔を振りまき、同行者の中にいる老人達が疲れた様子でいるのを励ましているらしい。
これは何が起きているのか考えるまでもない。
あの『旦那』が農民達を騙して、これから彼らをどこかの『虚ろなる者』の施設にまで誘導して下級アンデッドに変えてしまうつもりなのだ。
これは出くわしてしまった以上、見逃すわけにはいかない。
幸いにも先導している『旦那』以外は近隣に住んでいる農家のお年寄りばかりらしく、周囲にもアンデッドはいないようだ。
まあ『虚ろなる者』の手口からして、脅して無理強いするのではなく救済を約束した上で希望を持った巡礼者を自発的に拠点まで連れ込んでアンデッド化するのだろうから、むしろアンデッドは人目につかないようにしているのだろう。
これならばオレ一人でもどうにでもなる。
オレは隠れて近づくと、先頭を歩いている『旦那』に向けて魔力を強化した『平静』をかけてその精神をロックする。
「……」
相手は何も感じる事が出来なくなったようで、ピクリと動きを止めた。
よし。まずはこれで騙されている人たちを説得して、元いたところに戻ってもらおう。
それで後は『旦那』を縛り上げて、官憲に突き出せばいいだろう。
「あの……どうしました?」
「早く連れていって下さい。ワシはもう疲れました」
後からついてきていた老人達は先導していた相手が動かなくなったので、不安にかられているらしい。
そこでオレがひとまず声をかける。
「すみません。皆さんにちょっと用があります」
「なんじゃ? おめえさんは?」
当然ながらいきなり現れたオレに対して、老人達は疑念の目を向けてくる。
「言っておくがワシらのような干からびた年寄りから身ぐるみ剥いでもしれておるぞ」
「いいえ。そんな事はしませんけど、わたしの話を聞いて下さい」
オレが真剣に呼びかけると、少しは関心を持ってくれたようだ。
「まあええが……ワシらはこれから巡礼に向かうんじゃ。あんまり手間はかけんでくれ」
「別にいいじゃないか。どうせわしらには時間なんぞ有り余っておるからのう」
「ただ時間をかけると、聞いている最中にくたばるヤツが出るかもしれんぞ」
「わははは。そりゃそうだ」
おいおい。不謹慎にも程があるだろ。
本人達が自虐的に口にしているとはいえ、オレにとっては笑うというよりドン引きですよ。
しかし今はそんな事に気を取られている場合では無い。
「皆さんは騙されているんです! これからあなた方が行くところありがたい巡礼などではないのですよ!」
「はあ? 何を言っておるんじゃ?」
「ワシらはそこでもうずっと何の苦痛も老いも無く生きる事が出来るんじゃぞ!」
やっぱりそうか。予想通りだけど、当然ながらその『苦痛も老いもなく生きる』というのは下級アンデッドとして、何も感じる事無く、奴隷労働者か捨て駒戦士として使い潰されるだけなのだ。
「待って下さい。この人は『虚ろなる者』の信徒であって、皆さんをアンデッドに変えてしまうつもりなんです!」
オレが必死で呼びかけると、さすがに老人達は動きを止める。
どうやら分かってくれたらしい。これで元いたところに戻ってくれたらいいのだが。
「そうか……やっぱりそんなところ何じゃろうなあ……」
「ホラ見ろ。ワシの言ったとおりじゃろ」
え? どういうことなの?
いや。まさかこの人達は薄々何があるのか察していたのに、それでも下級アンデッドにされる事を承知していたというの?
「見ず知らずのワシらの事を心配してくれてありがとうな。しかしお前さんが言った事はだいたいは分かっていたのじゃ」
「どうせこのままではワシらは役立たずの穀潰しとして、邪魔者になるだけだからのう。それなら、この身だけでも誰かの役に立った方がマシじゃろう」
うがあ。そうか。この世界では老人福祉なんて殆ど進展していないからな。
彼らは恐らく周囲にいる先達が、働けなくなったところで邪険に扱われ、悲惨な末路を辿った事をずっと見てきたのだろう。
それで自分達が同じ運命になるぐらいなら、アンデッドでも何でもいいから働ける身体になりたいと思っているらしい。
長年生きてきて人生に未練が無くなったからこそ、知性の無い下級アンデッドに成り果てても構わないという境地なのか。
しかしここで引き下がるワケにはいかない!
「とにかくわたしの話を改めて聞いて下さい!」
そういってオレはいつものようにフードをとって顔をさらす。
「ほう……お前さんは……」
「ワシも昔はこれぐらい美人じゃったかのう」
「おいおい。この娘さんを比べたら、お前さんなんぞ乾いた雑巾程度じゃぞ」
とりあえずオレの外見を見て、改めて話を聞いてくれる気になったらしい。
毎度の事だけど、人間は見た目にかなり影響されるものなのだ。
「そうか……お前さんのような綺麗な娘さんが言うなら、今は考え直した方がええかもなあ」
おい! なんだその下心、いや、あまりにあっさり過ぎる変心は。
たぶん老い先短いこの人たちにとって、死ぬ事もアンデッドにされる事も『人生に見切りをつけた』という点では大差は無いのか。
まあいい。この人達の真意はどうあれ一応はオレの言う事を聞いてくれたのだから、今はそれで納得しておこう。
いろいろと悩ましい状況だけど、少なくともファザールが新しい軍をここに送り込んで『虚ろなる者』たちを排除できるようになるまでは、オレが地道に頑張るしかないな。
何日先になるのかは分からないけど、逃げ回りつつこっそりと出会った病人を治療するぐらいならどうにかなるという見通しぐらいはあった。
しかしそう考えていると、オレの視界には見逃すことの出来ない集団が引っかかる。
相手はざっと見たところ老若男女が入り交じった十人ほどの集団だ。
恐らくはこの近辺の農民らしく服装は貧しそうだが、持っているのは手荷物程度なので特に長旅をしようとか、避難しようとしているわけではないらしい。
大半はお年寄りらしく、若そうなのは先導している男だけのようだ。
それだけなら特に驚くような事でもないが彼らを先導しているのは、オレが少し前に出会った『旦那』とだけごろつき共に呼ばれていた『虚ろなる者』の教団員だったのだ。
オレは思わず身を隠して、連中の様子をうかがうがどうやら『旦那』は農民達に愛想よく笑顔を振りまき、同行者の中にいる老人達が疲れた様子でいるのを励ましているらしい。
これは何が起きているのか考えるまでもない。
あの『旦那』が農民達を騙して、これから彼らをどこかの『虚ろなる者』の施設にまで誘導して下級アンデッドに変えてしまうつもりなのだ。
これは出くわしてしまった以上、見逃すわけにはいかない。
幸いにも先導している『旦那』以外は近隣に住んでいる農家のお年寄りばかりらしく、周囲にもアンデッドはいないようだ。
まあ『虚ろなる者』の手口からして、脅して無理強いするのではなく救済を約束した上で希望を持った巡礼者を自発的に拠点まで連れ込んでアンデッド化するのだろうから、むしろアンデッドは人目につかないようにしているのだろう。
これならばオレ一人でもどうにでもなる。
オレは隠れて近づくと、先頭を歩いている『旦那』に向けて魔力を強化した『平静』をかけてその精神をロックする。
「……」
相手は何も感じる事が出来なくなったようで、ピクリと動きを止めた。
よし。まずはこれで騙されている人たちを説得して、元いたところに戻ってもらおう。
それで後は『旦那』を縛り上げて、官憲に突き出せばいいだろう。
「あの……どうしました?」
「早く連れていって下さい。ワシはもう疲れました」
後からついてきていた老人達は先導していた相手が動かなくなったので、不安にかられているらしい。
そこでオレがひとまず声をかける。
「すみません。皆さんにちょっと用があります」
「なんじゃ? おめえさんは?」
当然ながらいきなり現れたオレに対して、老人達は疑念の目を向けてくる。
「言っておくがワシらのような干からびた年寄りから身ぐるみ剥いでもしれておるぞ」
「いいえ。そんな事はしませんけど、わたしの話を聞いて下さい」
オレが真剣に呼びかけると、少しは関心を持ってくれたようだ。
「まあええが……ワシらはこれから巡礼に向かうんじゃ。あんまり手間はかけんでくれ」
「別にいいじゃないか。どうせわしらには時間なんぞ有り余っておるからのう」
「ただ時間をかけると、聞いている最中にくたばるヤツが出るかもしれんぞ」
「わははは。そりゃそうだ」
おいおい。不謹慎にも程があるだろ。
本人達が自虐的に口にしているとはいえ、オレにとっては笑うというよりドン引きですよ。
しかし今はそんな事に気を取られている場合では無い。
「皆さんは騙されているんです! これからあなた方が行くところありがたい巡礼などではないのですよ!」
「はあ? 何を言っておるんじゃ?」
「ワシらはそこでもうずっと何の苦痛も老いも無く生きる事が出来るんじゃぞ!」
やっぱりそうか。予想通りだけど、当然ながらその『苦痛も老いもなく生きる』というのは下級アンデッドとして、何も感じる事無く、奴隷労働者か捨て駒戦士として使い潰されるだけなのだ。
「待って下さい。この人は『虚ろなる者』の信徒であって、皆さんをアンデッドに変えてしまうつもりなんです!」
オレが必死で呼びかけると、さすがに老人達は動きを止める。
どうやら分かってくれたらしい。これで元いたところに戻ってくれたらいいのだが。
「そうか……やっぱりそんなところ何じゃろうなあ……」
「ホラ見ろ。ワシの言ったとおりじゃろ」
え? どういうことなの?
いや。まさかこの人達は薄々何があるのか察していたのに、それでも下級アンデッドにされる事を承知していたというの?
「見ず知らずのワシらの事を心配してくれてありがとうな。しかしお前さんが言った事はだいたいは分かっていたのじゃ」
「どうせこのままではワシらは役立たずの穀潰しとして、邪魔者になるだけだからのう。それなら、この身だけでも誰かの役に立った方がマシじゃろう」
うがあ。そうか。この世界では老人福祉なんて殆ど進展していないからな。
彼らは恐らく周囲にいる先達が、働けなくなったところで邪険に扱われ、悲惨な末路を辿った事をずっと見てきたのだろう。
それで自分達が同じ運命になるぐらいなら、アンデッドでも何でもいいから働ける身体になりたいと思っているらしい。
長年生きてきて人生に未練が無くなったからこそ、知性の無い下級アンデッドに成り果てても構わないという境地なのか。
しかしここで引き下がるワケにはいかない!
「とにかくわたしの話を改めて聞いて下さい!」
そういってオレはいつものようにフードをとって顔をさらす。
「ほう……お前さんは……」
「ワシも昔はこれぐらい美人じゃったかのう」
「おいおい。この娘さんを比べたら、お前さんなんぞ乾いた雑巾程度じゃぞ」
とりあえずオレの外見を見て、改めて話を聞いてくれる気になったらしい。
毎度の事だけど、人間は見た目にかなり影響されるものなのだ。
「そうか……お前さんのような綺麗な娘さんが言うなら、今は考え直した方がええかもなあ」
おい! なんだその下心、いや、あまりにあっさり過ぎる変心は。
たぶん老い先短いこの人たちにとって、死ぬ事もアンデッドにされる事も『人生に見切りをつけた』という点では大差は無いのか。
まあいい。この人達の真意はどうあれ一応はオレの言う事を聞いてくれたのだから、今はそれで納得しておこう。
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる