649 / 1,316
第16章 破滅の聖者
第649話 そして新たな旅立ちが
しおりを挟む
あくまでも『身を挺して助けてもらった感謝の証』としてテマーティンのほっぺたに口づけしただけなのだがオレが狼狽しているのを見て、ノイエルもまた動揺を示す。
「あ、あの、大丈夫ですよ。今の事は決して言いふらしたりはしませんから」
こういう場合は定番通り、あくまでもただ様子を見るために顔を近づけていただけだといいわけすべきか。
いや。ノイエルの様子からして間違い無くバッチリと見ている。
たぶんオレとテマーティンがどうなるか固唾を呑んで見守っていたに違いない。
オレはそちらに注意を回す余裕などまるで無かった――何しろ『あんなこと』をしようとしていたのだからな。
今さら後悔しても仕方ない。
悪役なら『見たからには生かしておけん』などとやる事も出来ただろうが、もちろんそんな真似が出来るはずがない。
ぶん殴って記憶を飛ばすとか、そんな都合のいい事もオレには不可能だ。
「それにお二方は元から……その……恋人同士であられたのでしょう? 私の事など気になさらずとも結構ですよ」
ノイエルもかなり大胆な事を口にしているが、たぶん聖女としてずっと隔離された環境で育てられてきたので、色恋沙汰にはやっぱり疎いのだろう。
こういう場合、幾ら黙っていると言っても、いつノイエルの口からテマーティンに話が漏れるか分かったものではない。
そうなれば間違い無くテマーティンは大喜びで結婚を迫ってくるだろう。
「あの……とにかくファザール閣下がもうすぐここにこられますので、私はそれ以外は何もしていませんし見ていないという事で……」
そうだった。
これまでのファザールの様子からして、あの人は自分が日々悩まされているテマーティンが『身を固める』のには大賛成に違いないから、主従一体で向かってきそうだ。
そういえば初めの頃、ファザールはオレと聖女教会の関係についていろいろ問題視していて『悪くすれば国が危うくなりかねない』と警戒していたけど、あれから一年近く経ってオレの名声が無駄に広がった事でそんな心配をしなくなってしまったのだな。
そうなると、今はとっととここから逃げるしか無い!
幸か不幸か『虚ろなる者』の連中は直接戦う気は殆ど無く主立った連中はとっくに逃げていたらしく、大した犠牲は出ていない。
もうオレがいなくてもどうにかなるだろう。
ファザールやテマーティンに別れも告げずに、立ち去るのは少々心苦しいが、考えてみれば前の別れもそうだったからここは同じように消えさせてもらおう。
「すみません! ちょって来て下さい」
「は、はい……」
オレはテマーティンが意識をまだ取り戻していないのを確認しつつ、ひとまずノイエルを部屋から連れ出す。
「急用を思い出したので、わたしはすぐにここを離れねばなりません!」
「え……あ……あの……」
「だから申し訳ないのですけど、テマーティン王子やファザールさんにはノイエルさんから連絡してくれますか?」
「ですが……」
「お願いします!」
「わ、分かりました」
オレの勢いに押されて、ノイエルは困惑しつつ頷いた。
自分でも少々無責任かと思わずにはいられないが、オレ自身にとってもいろいろとピンチなので、そこは勘弁してもらいたい。
そんなわけで数々の気がかりを残しつつ、オレは『逃げる』ように立ち去る。
ここ数日、立て続けに起きた出来事はオレ自身にとってもいろいろと大きな変化が起きているのを自覚せざるを得なかったのだが、それを考えるのは故意に後回しにしたのだった。
しばしの後、病の精霊や『虚ろなる者』はこの地域から一掃され、表向きは平穏が戻る。
だが決して消える事の無い彼らはいつの日かまた戻ってくるかもしれないが、それは誰にも分からない事だった。
そしてラマーリア王国軍も『叛徒の鎮圧』後にはすぐに引き上げた事から、周辺国はいっとき神経を尖らせはしたが、大きな問題となることもなく事態は沈静化に向かった。
ただこの地域ではその後も『ひとりで村々を回って人々を治癒して回った聖女アルタシャ』の信仰が広まり、また王子がその彼女の『恋人』であるラマーリア王国の影響が少しずつ拡大していく事となる。
その一方であまり目立たないことではあったが、その彼女の傍らで『生きる事の苦痛とそれを乗り越えて人生を全うする事の尊さ』を唱える聖人に対する崇拝もまたゆっくりと広まっていくのだった。
その聖人が何者なのかは、出会って話を聞いた者の間でも意見は一致せず、人々はめいめいにその言葉を解釈し、また自分達の見たとする聖人の姿を描いていたのだった。
その伝説の一部で『アルタシャと恋仲にある』というものもあった事で、彼女をテマーティン王子の恋人とする教団とのちょっとした摩擦も生まれるが、それもまた無関係な周囲の人間には面白がって受け止められるのが殆となる。
ただしテマーティン王子の地位にふさわしくない『奇行』だけは、やはりその後も収まる事は無く、国民の歓呼の声とは裏腹に、ファザール達周囲の人間にとって悩みの種であり続けた。
そしてその理由について王子は『自分はアルタシャの祝福を受けて、自らの使命に目覚めた』と周囲に説明、と言うよりも強弁していたのだった。
【後書き】
これでこの章は完結です。
いろいろとお付き合い下さりありがとうございました。
「あ、あの、大丈夫ですよ。今の事は決して言いふらしたりはしませんから」
こういう場合は定番通り、あくまでもただ様子を見るために顔を近づけていただけだといいわけすべきか。
いや。ノイエルの様子からして間違い無くバッチリと見ている。
たぶんオレとテマーティンがどうなるか固唾を呑んで見守っていたに違いない。
オレはそちらに注意を回す余裕などまるで無かった――何しろ『あんなこと』をしようとしていたのだからな。
今さら後悔しても仕方ない。
悪役なら『見たからには生かしておけん』などとやる事も出来ただろうが、もちろんそんな真似が出来るはずがない。
ぶん殴って記憶を飛ばすとか、そんな都合のいい事もオレには不可能だ。
「それにお二方は元から……その……恋人同士であられたのでしょう? 私の事など気になさらずとも結構ですよ」
ノイエルもかなり大胆な事を口にしているが、たぶん聖女としてずっと隔離された環境で育てられてきたので、色恋沙汰にはやっぱり疎いのだろう。
こういう場合、幾ら黙っていると言っても、いつノイエルの口からテマーティンに話が漏れるか分かったものではない。
そうなれば間違い無くテマーティンは大喜びで結婚を迫ってくるだろう。
「あの……とにかくファザール閣下がもうすぐここにこられますので、私はそれ以外は何もしていませんし見ていないという事で……」
そうだった。
これまでのファザールの様子からして、あの人は自分が日々悩まされているテマーティンが『身を固める』のには大賛成に違いないから、主従一体で向かってきそうだ。
そういえば初めの頃、ファザールはオレと聖女教会の関係についていろいろ問題視していて『悪くすれば国が危うくなりかねない』と警戒していたけど、あれから一年近く経ってオレの名声が無駄に広がった事でそんな心配をしなくなってしまったのだな。
そうなると、今はとっととここから逃げるしか無い!
幸か不幸か『虚ろなる者』の連中は直接戦う気は殆ど無く主立った連中はとっくに逃げていたらしく、大した犠牲は出ていない。
もうオレがいなくてもどうにかなるだろう。
ファザールやテマーティンに別れも告げずに、立ち去るのは少々心苦しいが、考えてみれば前の別れもそうだったからここは同じように消えさせてもらおう。
「すみません! ちょって来て下さい」
「は、はい……」
オレはテマーティンが意識をまだ取り戻していないのを確認しつつ、ひとまずノイエルを部屋から連れ出す。
「急用を思い出したので、わたしはすぐにここを離れねばなりません!」
「え……あ……あの……」
「だから申し訳ないのですけど、テマーティン王子やファザールさんにはノイエルさんから連絡してくれますか?」
「ですが……」
「お願いします!」
「わ、分かりました」
オレの勢いに押されて、ノイエルは困惑しつつ頷いた。
自分でも少々無責任かと思わずにはいられないが、オレ自身にとってもいろいろとピンチなので、そこは勘弁してもらいたい。
そんなわけで数々の気がかりを残しつつ、オレは『逃げる』ように立ち去る。
ここ数日、立て続けに起きた出来事はオレ自身にとってもいろいろと大きな変化が起きているのを自覚せざるを得なかったのだが、それを考えるのは故意に後回しにしたのだった。
しばしの後、病の精霊や『虚ろなる者』はこの地域から一掃され、表向きは平穏が戻る。
だが決して消える事の無い彼らはいつの日かまた戻ってくるかもしれないが、それは誰にも分からない事だった。
そしてラマーリア王国軍も『叛徒の鎮圧』後にはすぐに引き上げた事から、周辺国はいっとき神経を尖らせはしたが、大きな問題となることもなく事態は沈静化に向かった。
ただこの地域ではその後も『ひとりで村々を回って人々を治癒して回った聖女アルタシャ』の信仰が広まり、また王子がその彼女の『恋人』であるラマーリア王国の影響が少しずつ拡大していく事となる。
その一方であまり目立たないことではあったが、その彼女の傍らで『生きる事の苦痛とそれを乗り越えて人生を全うする事の尊さ』を唱える聖人に対する崇拝もまたゆっくりと広まっていくのだった。
その聖人が何者なのかは、出会って話を聞いた者の間でも意見は一致せず、人々はめいめいにその言葉を解釈し、また自分達の見たとする聖人の姿を描いていたのだった。
その伝説の一部で『アルタシャと恋仲にある』というものもあった事で、彼女をテマーティン王子の恋人とする教団とのちょっとした摩擦も生まれるが、それもまた無関係な周囲の人間には面白がって受け止められるのが殆となる。
ただしテマーティン王子の地位にふさわしくない『奇行』だけは、やはりその後も収まる事は無く、国民の歓呼の声とは裏腹に、ファザール達周囲の人間にとって悩みの種であり続けた。
そしてその理由について王子は『自分はアルタシャの祝福を受けて、自らの使命に目覚めた』と周囲に説明、と言うよりも強弁していたのだった。
【後書き】
これでこの章は完結です。
いろいろとお付き合い下さりありがとうございました。
4
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
無能扱いされ、パーティーを追放されたおっさん、実はチートスキル持ちでした。戻ってきてくれ、と言ってももう遅い。田舎でゆったりスローライフ。
さくら
ファンタジー
かつて勇者パーティーに所属していたジル。
だが「無能」と嘲られ、役立たずと追放されてしまう。
行くあてもなく田舎の村へ流れ着いた彼は、鍬を振るい畑を耕し、のんびり暮らすつもりだった。
――だが、誰も知らなかった。
ジルには“世界を覆すほどのチートスキル”が隠されていたのだ。
襲いかかる魔物を一撃で粉砕し、村を脅かす街の圧力をはねのけ、いつしか彼は「英雄」と呼ばれる存在に。
「戻ってきてくれ」と泣きつく元仲間? もう遅い。
俺はこの村で、仲間と共に、気ままにスローライフを楽しむ――そう決めたんだ。
無能扱いされたおっさんが、実は最強チートで世界を揺るがす!?
のんびり田舎暮らし×無双ファンタジー、ここに開幕!
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる