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第19章 神気の山脈にて
第817話 追い詰められたところで思わぬ救いが?
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オレが必死で迫る精霊を食い止めていると、相手は安堵させるような声を放ってくる。
『心配するな。約束は守る。お前の首は生かしておくし、身体を見つけた暁には妻としよう』
「だからどっちもイヤですよ!」
『ならばこの場で首を失って死んだ方がマシなのか?』
ええい。なんでそう自分に都合よく物事を考えるんだ。
あんたは『椀かづき』を倒すためなら、地獄の入り口でずっと待ち続ける事も厭わない程に気が長いのではなかったのかよ。
こいつにすればそれよりも遥かに長い期間、この地で首だけになって来るはずの無い胴体を待っていたのだから、目の前に舞い降りた千載一遇のチャンスは逃したくないのかもしれない。
そういえばコイツは『椀かづき』があの世の入り口から首をひょっこり出した瞬間に首をはねて、その直後に胴体の反撃で首をはねられたという事だから、じっと待った上で好機と見れば一気呵成に襲いかかるやり方なのかもしれないな。
全く迷惑にも程がある。
『ではそろそろそなたの首をもらおうか。吾も非情ではない。可能な限り痛まぬようにするが下手に逆らうと苦しむだけだぞ』
そう言いつつ『首』は大きくその口を開ける。
どうやら頭から丸呑みの上で、食いちぎるつもりらしい。
オレになんの恨みもないくせに、一方的に首から上を寄越せと言っておいて、非情ではないとはどこまで図々しいんだか。
だがここで思わぬ声が横合いからかけられる。
「少しばかりお待ちください」
『うん? なんだ?』
どういうわけかフォラジが『首』に対して話かけているのだ。
先ほどは見えていなかったはずだが、どうやら『首』がより強く顕現したので、フォラジにも一応は存在を把握できるようになったらしい。
『お前になど用はない。とっとと立ち去れい』
今から『女とやる気』でいる時に、横合いから口を挟まれたらいい気はしないだろう。それはさておき、フォラジはどうするつもりなのだろうか。
「あなたの胴体についての記録が我がマークホール神の神殿にあるはずなのですよ」
『なんだと?! それはまことか?!』
ええ? それはオレにとっても驚きだ。
いや。待てよ。ひょっとしたら前にフォラジが言っていた『神の首』とは本当に『椀かづき=ケフェルティリ神』のものであって、すごい英雄的な探索行の末にあの世の入り口で見つけたのかもしれない。
その場合、当然ながら傍にこちらの『息子』の首から下があったはずだ。
もっともフォラジにも確信があるわけではないだろう。
例によって真相はマークホール信徒が過去数百年に渡り積み重ねた不毛な議論により、闇の中に違いない。
「ええ。今すぐどこにあるのかは示せませんけど、過去の探索行の記録にあなたの胴体についての記録がありますよ」
『ならばそれを探してこい!』
「それは構いませんけど、ならば彼女を襲うのはやめて下さい」
『あくまでも吾の現し身にするだけだ。別に命を奪う気は無い』
ああ。モノはいいようとはこの事だ。
首だけとか、脳みそだけで生きながらえさせて『殺していないぞ』などと言い張るのは完璧に悪役の所行だけど、こいつの場合はそもそも悪いとすら思っていないのだ。
『その上で、そなたの言う、過去の記録とやらを一緒に調べようでは無いか。もしも本当に我が胴体に繋がるものがあれば、そなたにも相応の礼をすると約束しようぞ』
「……」
おい。フォラジは今ちょっとばかり『それもいいかな』と考えてないか?
そして『首』の方はそんな事を言っている間にも迫ってきたが、ここで少しばかり動きを止める。
『そういえばそなたの容姿はどこかで見たような……』
いくら何でもオレと以前にあった事は無いから、そうするとこの『首』はイロールを見た事があるのか?
そしてそれを聞いてフォラジは叫ぶ。
「おや! あなたも『白き貴婦人』にお会いにあった事があるのですか?」
『おおそうだ。遙か昔に我が首の切り口を治してくれた女によく似ておるな。名はとっくに忘れていたが、そんな名前だったのか』
それはあんたがこの地域のシャーマンに『息子』という、何ともぞんざいな呼び名で伝わっているのと一緒であって名前ではないんだけどね。
「実は彼女はかの治癒の女神の英雄なのですよ」
『そうか。ならば尚更、我が妻にふさわしいか』
ええい。いいかげんそこから離れろと言いたいが、少なくともこれはオレにとって千載一遇の好機かもしれない。
ここでオレは『首』に向けて叫ぶ。
「一つ聞きますけど、もしもあなたの胴体を見つけたとして、それがすぐに元通り繋がりますかね?」
『当然ではないか。何しろ我が胴体だぞ』
「その確証はありますか? いまあなたは、首の切り口を治してもらったと言いましたよね。つまりそれまで切り口は開いたままで、あなたは延々と血を流しつつ、苦痛にうめいていたのではないですか?」
『……だから何だというのだ』
この間はやはり一抹の不安があるのだろうな。
「それなら胴体を見つけ出してから、元通りにならなかった場合を考えて下さい。その時になって慌てても手遅れですよ!」
「彼女の言うとおりです。それにあなたの切り口を治してくれた『白き貴婦人』でも、かの女神の英雄を首だけにしていたら、あなたの事をどう思いますかね?」
うまい具合にフォラジも口を挟んでくれたな。
だがそう世の中は甘くは無い。
『それではお前が吾と共に胴体を探し出し、必ず一つにすると約束してくれるのか?』
何年かかるか分からないのに、そんな約束はやっぱり出来っこない。だが――
「いいでしょう。ここはボク……いえ。私に任せて下さい」
「ええ?!」
いいのか。そんな事を安請け合いして?!
オレとしては助かるけど、今度はフォラジの事が心配になってきたぞ。
『心配するな。約束は守る。お前の首は生かしておくし、身体を見つけた暁には妻としよう』
「だからどっちもイヤですよ!」
『ならばこの場で首を失って死んだ方がマシなのか?』
ええい。なんでそう自分に都合よく物事を考えるんだ。
あんたは『椀かづき』を倒すためなら、地獄の入り口でずっと待ち続ける事も厭わない程に気が長いのではなかったのかよ。
こいつにすればそれよりも遥かに長い期間、この地で首だけになって来るはずの無い胴体を待っていたのだから、目の前に舞い降りた千載一遇のチャンスは逃したくないのかもしれない。
そういえばコイツは『椀かづき』があの世の入り口から首をひょっこり出した瞬間に首をはねて、その直後に胴体の反撃で首をはねられたという事だから、じっと待った上で好機と見れば一気呵成に襲いかかるやり方なのかもしれないな。
全く迷惑にも程がある。
『ではそろそろそなたの首をもらおうか。吾も非情ではない。可能な限り痛まぬようにするが下手に逆らうと苦しむだけだぞ』
そう言いつつ『首』は大きくその口を開ける。
どうやら頭から丸呑みの上で、食いちぎるつもりらしい。
オレになんの恨みもないくせに、一方的に首から上を寄越せと言っておいて、非情ではないとはどこまで図々しいんだか。
だがここで思わぬ声が横合いからかけられる。
「少しばかりお待ちください」
『うん? なんだ?』
どういうわけかフォラジが『首』に対して話かけているのだ。
先ほどは見えていなかったはずだが、どうやら『首』がより強く顕現したので、フォラジにも一応は存在を把握できるようになったらしい。
『お前になど用はない。とっとと立ち去れい』
今から『女とやる気』でいる時に、横合いから口を挟まれたらいい気はしないだろう。それはさておき、フォラジはどうするつもりなのだろうか。
「あなたの胴体についての記録が我がマークホール神の神殿にあるはずなのですよ」
『なんだと?! それはまことか?!』
ええ? それはオレにとっても驚きだ。
いや。待てよ。ひょっとしたら前にフォラジが言っていた『神の首』とは本当に『椀かづき=ケフェルティリ神』のものであって、すごい英雄的な探索行の末にあの世の入り口で見つけたのかもしれない。
その場合、当然ながら傍にこちらの『息子』の首から下があったはずだ。
もっともフォラジにも確信があるわけではないだろう。
例によって真相はマークホール信徒が過去数百年に渡り積み重ねた不毛な議論により、闇の中に違いない。
「ええ。今すぐどこにあるのかは示せませんけど、過去の探索行の記録にあなたの胴体についての記録がありますよ」
『ならばそれを探してこい!』
「それは構いませんけど、ならば彼女を襲うのはやめて下さい」
『あくまでも吾の現し身にするだけだ。別に命を奪う気は無い』
ああ。モノはいいようとはこの事だ。
首だけとか、脳みそだけで生きながらえさせて『殺していないぞ』などと言い張るのは完璧に悪役の所行だけど、こいつの場合はそもそも悪いとすら思っていないのだ。
『その上で、そなたの言う、過去の記録とやらを一緒に調べようでは無いか。もしも本当に我が胴体に繋がるものがあれば、そなたにも相応の礼をすると約束しようぞ』
「……」
おい。フォラジは今ちょっとばかり『それもいいかな』と考えてないか?
そして『首』の方はそんな事を言っている間にも迫ってきたが、ここで少しばかり動きを止める。
『そういえばそなたの容姿はどこかで見たような……』
いくら何でもオレと以前にあった事は無いから、そうするとこの『首』はイロールを見た事があるのか?
そしてそれを聞いてフォラジは叫ぶ。
「おや! あなたも『白き貴婦人』にお会いにあった事があるのですか?」
『おおそうだ。遙か昔に我が首の切り口を治してくれた女によく似ておるな。名はとっくに忘れていたが、そんな名前だったのか』
それはあんたがこの地域のシャーマンに『息子』という、何ともぞんざいな呼び名で伝わっているのと一緒であって名前ではないんだけどね。
「実は彼女はかの治癒の女神の英雄なのですよ」
『そうか。ならば尚更、我が妻にふさわしいか』
ええい。いいかげんそこから離れろと言いたいが、少なくともこれはオレにとって千載一遇の好機かもしれない。
ここでオレは『首』に向けて叫ぶ。
「一つ聞きますけど、もしもあなたの胴体を見つけたとして、それがすぐに元通り繋がりますかね?」
『当然ではないか。何しろ我が胴体だぞ』
「その確証はありますか? いまあなたは、首の切り口を治してもらったと言いましたよね。つまりそれまで切り口は開いたままで、あなたは延々と血を流しつつ、苦痛にうめいていたのではないですか?」
『……だから何だというのだ』
この間はやはり一抹の不安があるのだろうな。
「それなら胴体を見つけ出してから、元通りにならなかった場合を考えて下さい。その時になって慌てても手遅れですよ!」
「彼女の言うとおりです。それにあなたの切り口を治してくれた『白き貴婦人』でも、かの女神の英雄を首だけにしていたら、あなたの事をどう思いますかね?」
うまい具合にフォラジも口を挟んでくれたな。
だがそう世の中は甘くは無い。
『それではお前が吾と共に胴体を探し出し、必ず一つにすると約束してくれるのか?』
何年かかるか分からないのに、そんな約束はやっぱり出来っこない。だが――
「いいでしょう。ここはボク……いえ。私に任せて下さい」
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オレとしては助かるけど、今度はフォラジの事が心配になってきたぞ。
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