誰にも止められない

眠りん

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二章

佐々木君⑨

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 莉紅のチンコを優しく舐める。亀頭や陰茎を丁寧に、口に含んで頭を上下に動かしたり、たまに乳首を舐めてみたり。

 莉紅は眠りながらも色っぽく唸っていて、それを見ただけで俺のチンコは固くなった。
 この全てが俺のものになればいい。
 大谷君になんか渡すものか。

 莉紅のチンコが完全に勃起した。俺はそこに自分のアナルを当てがう。
 いつも俺を気持ち良くさせてくれるチンコ。俺のアナルはこの形以外のモノを知らない。

 莉紅以外の身体は要らない。知りたくない。君だけ──。

「……っ!! か、和秋っ!?」

 目を覚ました莉紅が驚きの目で俺を見つめた。俺だけを見てくれる瞳。誰にも渡したくない。

「起きた? 大丈夫、莉紅のおチンポ気持ち良くするだけだよ」

「君はまたこんな事! そんなにキツいお仕置きされたいの?」

「何言ってるの。今お仕置きをしてるのは俺だよ。
 莉紅も悪い事したらお仕置き受けなくちゃね」

 優しく言ってあげたのに、莉紅は訝しげな顔で俺から目を離さない。ずっとそうやって俺を見ていればいいよ。

「悪い事って……はぁ、いいよ。確かに僕は君に悪い事をしたね」

「認めてくれるんだ?」

「君を苦しめたでしょ、主人失格だよね。好きに罰を与えていい」

 諦めたように目を閉じた。随分と話が分かるなぁ。でもね、勘違いしてるよ。

「そんな事。俺が苦しんだのは俺の事情だよ。
 莉紅ってば、やっぱり分かってないね。君の罪は、大谷君に恋した事だよ」

「なに?」

 莉紅は驚いて、閉じていた目を開いて目を向けた。理解出来ないという顔。
 意味分からないよね。今まで俺はずっと莉紅第一に考えてきた。大谷君の事も、優しく受け入れる聞き分けのある良い人を演じてきた。自分すら騙して。

 腰の動きを速めた。上下に、莉紅のチンコを包む様に動かすと、莉紅も息が荒くなる。わざと前立腺に当てないように、自分が有利になるように話を進める。

「俺が付き合う? って聞いたらうんって言ったじゃん。大谷君の事なんて忘れて俺だけ見てよ。
 俺なら莉紅の感じるところ全部分かるよ、君を満足させてあげられる」

 ぎゅっとアナルを締める。莉紅が感じる鬼頭が前立腺に当たるように腰を動かした。
 ゴリゴリいうココが好きでしょ?

「ふぅ……か、和……秋……」

「あっ、っ、うぅ、んん……はぁ、ん」

 俺も気持ち良くなっちゃう。主導権握らなきゃ……話にならない。

「俺の事好きになってよ、ねぇ、なんで大谷君なの? 俺は莉紅が一番好き、好きだ、大好き。俺と付き合ってくれるって聞いて、胸が痛かったよ。
 莉紅にとって、俺は大谷君の次なんだもん」

「和秋っ、それは……ちがっ」

「ごめんって言ったじゃん。俺の事ちゃんと好きになったらって言ったら。ごめんって! 好きになれないんでしょ?
 ねぇ、莉紅、莉紅、嫌だよぉ俺、莉紅が好きなんだ、大好きなんだよ」

 顎から水が落ちた。汗が流れようがそんなのどうでもいい。

「和秋、ねぇ、手の縄解いて」

「嫌だ! 取ったら終わるもん! こんな事して、もう俺は君の愛人でいられないって分かってるんだ」

「そうだね。もう愛人にしてあげられないなぁ」

「ならずっとこのまま君を監禁して、俺が君の世話をするよ」

「和秋。勘違いしないで、縄を解いて。じゃないと君の涙を拭ってあげられない」

 涙……?

「え?」

「さっきからずっと……僕のせいで泣かせてごめんね。逃げないし、拒絶もしないから、安心して」

 莉紅はにこっと優しい笑顔を見せた。なんで? こんな事してるのになんで?
 俺を安心させて騙して逃げるのかも、って思ったけど……莉紅がそんな事をする人じゃないの知ってる。

 俺は莉紅の両手の縄を解いた。手首の固結びを外せば全部外れるように縛ってあるから、莉紅は俺の中に入ったまま。
 抜きたくない。出来るなら莉紅と繋がったままでいたい。

 手が自由になった莉紅は起き上がると目に涙を浮かべて、俺の目尻の涙を指で掬った。
 俺の中にいた莉紅が出ていってしまった。

「馬鹿だなぁ、こんな事しなくても和秋の気持ちは分かってた。話し合いでも答えは出せた問題なんだよ?」

「でも莉紅は大谷君が好きで……」

 莉紅は俺の頬を伝った涙を、次は舌で舐めた。目元も舐めて、俺の唇を塞いだ。
 頬や口を何度も口付ける。

「こんな和秋を見たらどうでも良くなっちゃった。ねぇ和秋、僕と付き合おうか。僕は君のものだし、君も僕のものだ」

「でも」

「でもでもうるさいね。僕は和秋だけを愛すると誓うよ。信じられないなら刺青でも入れようか? 僕の身体どこでも、君の名前を彫ろうか」

「そ、そんな事までさせられないよ!!」

「僕は出来るよ」

 真っ直ぐな瞳が嘘ではないと言っている。
 どうして? 君は大谷君が好きな筈だ。俺がした事は駄々っ子のそれでしかない。
 完全に諦めさせて欲しかった。愛人でなくさせられたら、二度と莉紅に近寄らないと約束させてくれれば、俺は黙って莉紅から去ったのに。

「なんでだろうね、今まで色んな元愛人にストーカーとかされてさ、その度に別れてきたよ。
 こんな事してくる和秋はどうして捨てられないんだろうね」

「捨ててくれると思った。最後に俺の気持ち全部ぶつけて消える筈だったのに……」

「ほら、和秋は自分より僕の事ばかり。だからだろうね、捨てられないのは。
 そんな君が自分の気持ちをぶつけてくれた。最初は愛人にしてくれって、今は俺だけを見てくれって」

「ごめん、我儘ばっかり……」

「嬉しいんだ。和秋の心が見れる事が。これが愛っていうのかもしれないね」

 莉紅はそのまま俺をベッドに押し倒した。チンコは固いままで、俺の穴に思い切り突き刺した。

「──ぅああっ!!」

「俺も和秋の気持ちいいところ、全部知ってるんだよ」

 最初、前立腺をゴリゴリと擦られたかと思ったら、その奥へと腰を押し進める。俺の一番イイところ、一番奥の奥まで埋めると、莉紅はそこで小刻みに揺れた。
 腹の裏側が気持ち良くて、絶叫しそうなくらい大声が出た。

「ひっ、あぁぁーーーーーっ!!」

「いいでしょ。僕しか知らない、僕だけの和秋」

「莉紅、莉紅ぅっ! もう大谷君とか見ないで」

「うん」

「葵唯も、ナッキーも、嫌だよ。嫌。俺の莉紅を誰にも触らせたくないっ」

「嫉妬してくれるの嬉しい。大好き、和秋が好きだよ。愛してるよ」

「俺も……愛してる」

 莉紅は唇で俺の唇を塞いだ。口の中も犯されているみたいで頭が蕩ける。
 指で乳首まで一緒に弄られて、何も考えられなくなる。

「あっ、あっ、あんっ、あぁ、やっ、やぁ、あんっ」

「もっと喘いで。可愛いね、可愛い」

 莉紅が精液を出し尽くすまで俺は身体を差し出した。
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