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エリーゼは茨の森から歩いて王宮に向かっている。肩には梟…長老を乗せ、執事姿のブライアンを従えており、ゆっくりと王宮へと続く大通りを歩いていく。
「姫様、ひょっとしてこの現象は姫様の周りの高濃度の魔素が原因かの?」
エリーゼが歩みを進めるたびに周りの人族がバタバタと倒れて動けなくなっているのを見て長老は言った。
「そうですわ。高濃度の魔素は人族にとって悪い影響があるらしいの。どういう影響なのかは知らなかったけど…こういう事なのね」
倒れている人々を冷静に見つめながらエリーゼは答えた。
「姫様それどこで仕入れた知識ですか?」
「塔の本よ。魔法の教本の注意書きみたいなところにのってたから魔法を使う人にとっては基本的知識なのかも」
言われてみれば魔法に関してはエリーゼは誰も教えてもらわず(獣人は魔力がないので教える事ができず)塔にあった本で学んでいたのだった。
「ほ、わしは長く生きていたというのに、こんなことも知らなかったとは…なんて面白い。お、よく見るとたまーに影響を受けてない人族がおる。魔力がないのだろうか…100、いや150人に1人くらいか…意外に多いのう。調べてみようか」
影響を受けなかった人は逃げるか、腰を抜かして動けなくなっている。たまにエリーゼに襲いかかろうとする者もいたが全て茨に叩き倒されていた。
「…長老、それは暇になったらにしてくださいね。それより姫様、何故歩いて王宮に向かっているんですか?瞬間移動?っていうんですか?それで行ったら早いでしょう?」
ブライアンは不思議に思い聞くとエリーゼはそれに対して当たり前の様にこう答えた。
「示威行動です」
「「示威行動…」」
どうやらエリーゼは『私に逆らったらこうなります。早めに降参した方がいいですよ』と大通りを歩く事で王に圧力をかけているようだった。
「長老がため込んだ知識の全てを姫様に注ぎ込んだ甲斐がありましたね。しかし、こんなに姫様が強いとは…」
そう、あの時逃げろと言われていた獣人の仲間たちは姫様が心配で逃げずにこっそり茨の影から様子をうかがっていたのだ、危なくなったら助けようと思って。
「だから~大丈夫、私強いですからっていつも言ってるじゃないですか?嘘はつきませんよ…そろそろ王にもこの状況の知らせがいったでしょう。では王宮に瞬間移動しましょう」
その頃王宮では上へ下への大騒ぎだった。
「茨の森へ行った兵が全滅した」
という知らせを皮切りに
「兵を全滅させた茨の魔女が大通りを歩いて王宮方面に向かっている」
「茨の魔女が歩くと周りの人間はバタバタと倒れ皆動けなくなっている」
「急に魔女が消えた」
「魔女が王宮の門前に現れた。警備の兵も騎士団もやられて動けない」
と次々王に知らせが届き…
そして今王の目の前にその魔女…エリーゼが現れた。背後には年寄りの…どこかで見たような顔の男性と執事服の男性を従えている。
「お初にお目にかかります。茨の森に住むエリーゼと申します。私の事は魔女でも茨姫でもエリーゼでもお好きにお呼びください」
エリーゼは優雅に古い型の王族の礼を王にした。
王は怒鳴りつけたい衝動に駆られたが、玉座に着いたまま全く身体が動かせない。それは周りの貴族たちも一緒だった。呻き声が王宮のあちこちから響く。
「…用は何だ」
声だけはギリギリ出せた。
「アルフレッド殿下を助けに参りました。彼は私にとって大事なお方ですからね。罪状はなんでしたかしら?あぁ隣国のスパイ容疑でしたわね?彼がそんな小賢しい事できるわけないのは陛下もご存じでしょう?」
その通りだと王は思った。そんな小細工やら策略やらができる男ではないのは重々承知した上で王子たちの茶番にのったのだ。
「…陛下のその表情…濡れ衣とわかっていたようですね。では遠慮なく…」
エリーゼが手をかざすと空中に書類が2枚現れ、王の目の前にすうっと移動した。
「なんだこれは?」
「よくお読みくださって玉璽と陛下のサインをお願いします」
何とか顔を書類に近づけて内容を確認して驚いた。
「アルフレッドを無罪放免と…なんと?国土の割譲だと?アルフレッドに?」
エリーゼは口を隠して声を出さずに笑い、冷たくこう言い退けた。
「そうですわ。濡れ衣を着せて処刑しようとしたのですからそのくらいの賠償をしていただかないと。温情で、離宮あたりから茨の森を含む森林部分…この国の森林部分の8割ほどになるかしら…だけで済ませてさし上げます」
「そんな事…」
「認められない…ですか?では仕方ありませんね、私がこの国全てを占領し、女王として治めます。その後アルフレッド殿下になにがしかの賠償をしましょう」
「占領?」
エリーゼは音もなく滑る様に移動して王の目と鼻の先に来、柔らかく微笑みながら王に顔を近づけた。
「そうですよ。私の力はご覧いただいけましたよね?勝てるとお思い?ご自慢の兵も騎士も動けないようですけど?」
王はがっくりと肩を落とし、震える手で書類にサインをした。国の玉璽はエリーゼの魔法によっていつのまにか目の前に現れたのでそれを押した。
「同じ物が2通あるので、そちらに1通お預けしますね。では…」
そこへブライアンに連れられたアルフレッド殿下が現れた。
「エリーゼ!無事だったのか?」
アルフレッドを見つけて、安堵の笑みをエリーゼは顔に浮かべた。
「大丈夫、私強いですから。まあ、アルフレッド殿下傷だらけで…大変な目にあいましたね…。陛下が、あなたの無罪放免を認めてくださいましたわ。それからお詫びに国土をあなたに割譲すると」
「ちが…」
王は何かを言いかけたがそれより早く、先程サインをした書類をエリーゼはアルフレッドに渡した。それを早速読むアルフレッド。
「なんと本当だ!これで茨の森を守れます。ありがとうございます陛下」
それ以上何もいえず恨みがましい目で2人を見つめる王。そこに今度は長老が近づいた。
「陛下、何故殿下に濡れ衣を着せたのじゃ、貴族や王子たちが何を企んだとしてもあなたなら止められたはず…『この国のため命を捧げよ』と言えば悩む事なく進んで命を捧げる様な…アイーシャ様によく似た…そんな方なのに…残念じゃ」
その途端、王はこの老人が誰かわかった。
「…!お前はあの時の宰相!仕返しに来たのか?」
長老は少し馬鹿にした様な顔で笑った。
「そんな事には興味がないのう。それよりはあの2人の行く末の方が楽しみじゃ。…そうそう、陛下は『茨の森を傷つける事はしてはいけない』とアイーシャ様から言われた事はないかの?」
昔昔の記憶が蘇る。優しい声で彼女からそう言われた事があった。何故忘れていたのか…
「…あるようじゃな。それを覚えていてくださればこんな事には…ま、これから茨の森はアルフレッド殿下の治める事になるが、また何かの時にはあなたにも会う事もあるだろう。さて、そこのお2人さんそろそろ帰るぞ。ブライアンも仏頂面はやめなさい、これから忙しくなるわい」
人目を憚らず見つめ合い手を繋いでいたエリーゼとアルフレッドはその声ではたと気がつき真っ赤になって、手を離した。それを見たブライアンは小さく舌打ちしてそっぽを向いた。
「…そうですわね。帰りましょう、あ、言い忘れました、もしそちらがこの約束を違えたならば…」
エリーゼは杖を床にトンと軽くついた。その瞬間、王宮の窓ガラス全てが…ご自慢のステンドグラスも全て粉々に砕け散って倒れている貴族たちに降り注いだ。
「この様になりますのでゆめゆめお忘れなく」
夕日に照らされてキラキラと美しく降り注ぐその破片は仲良く王宮を去っていくアルフレッド殿下とエリーゼの行く先をお祝いする花吹雪のように見えたのだった。
「姫様、ひょっとしてこの現象は姫様の周りの高濃度の魔素が原因かの?」
エリーゼが歩みを進めるたびに周りの人族がバタバタと倒れて動けなくなっているのを見て長老は言った。
「そうですわ。高濃度の魔素は人族にとって悪い影響があるらしいの。どういう影響なのかは知らなかったけど…こういう事なのね」
倒れている人々を冷静に見つめながらエリーゼは答えた。
「姫様それどこで仕入れた知識ですか?」
「塔の本よ。魔法の教本の注意書きみたいなところにのってたから魔法を使う人にとっては基本的知識なのかも」
言われてみれば魔法に関してはエリーゼは誰も教えてもらわず(獣人は魔力がないので教える事ができず)塔にあった本で学んでいたのだった。
「ほ、わしは長く生きていたというのに、こんなことも知らなかったとは…なんて面白い。お、よく見るとたまーに影響を受けてない人族がおる。魔力がないのだろうか…100、いや150人に1人くらいか…意外に多いのう。調べてみようか」
影響を受けなかった人は逃げるか、腰を抜かして動けなくなっている。たまにエリーゼに襲いかかろうとする者もいたが全て茨に叩き倒されていた。
「…長老、それは暇になったらにしてくださいね。それより姫様、何故歩いて王宮に向かっているんですか?瞬間移動?っていうんですか?それで行ったら早いでしょう?」
ブライアンは不思議に思い聞くとエリーゼはそれに対して当たり前の様にこう答えた。
「示威行動です」
「「示威行動…」」
どうやらエリーゼは『私に逆らったらこうなります。早めに降参した方がいいですよ』と大通りを歩く事で王に圧力をかけているようだった。
「長老がため込んだ知識の全てを姫様に注ぎ込んだ甲斐がありましたね。しかし、こんなに姫様が強いとは…」
そう、あの時逃げろと言われていた獣人の仲間たちは姫様が心配で逃げずにこっそり茨の影から様子をうかがっていたのだ、危なくなったら助けようと思って。
「だから~大丈夫、私強いですからっていつも言ってるじゃないですか?嘘はつきませんよ…そろそろ王にもこの状況の知らせがいったでしょう。では王宮に瞬間移動しましょう」
その頃王宮では上へ下への大騒ぎだった。
「茨の森へ行った兵が全滅した」
という知らせを皮切りに
「兵を全滅させた茨の魔女が大通りを歩いて王宮方面に向かっている」
「茨の魔女が歩くと周りの人間はバタバタと倒れ皆動けなくなっている」
「急に魔女が消えた」
「魔女が王宮の門前に現れた。警備の兵も騎士団もやられて動けない」
と次々王に知らせが届き…
そして今王の目の前にその魔女…エリーゼが現れた。背後には年寄りの…どこかで見たような顔の男性と執事服の男性を従えている。
「お初にお目にかかります。茨の森に住むエリーゼと申します。私の事は魔女でも茨姫でもエリーゼでもお好きにお呼びください」
エリーゼは優雅に古い型の王族の礼を王にした。
王は怒鳴りつけたい衝動に駆られたが、玉座に着いたまま全く身体が動かせない。それは周りの貴族たちも一緒だった。呻き声が王宮のあちこちから響く。
「…用は何だ」
声だけはギリギリ出せた。
「アルフレッド殿下を助けに参りました。彼は私にとって大事なお方ですからね。罪状はなんでしたかしら?あぁ隣国のスパイ容疑でしたわね?彼がそんな小賢しい事できるわけないのは陛下もご存じでしょう?」
その通りだと王は思った。そんな小細工やら策略やらができる男ではないのは重々承知した上で王子たちの茶番にのったのだ。
「…陛下のその表情…濡れ衣とわかっていたようですね。では遠慮なく…」
エリーゼが手をかざすと空中に書類が2枚現れ、王の目の前にすうっと移動した。
「なんだこれは?」
「よくお読みくださって玉璽と陛下のサインをお願いします」
何とか顔を書類に近づけて内容を確認して驚いた。
「アルフレッドを無罪放免と…なんと?国土の割譲だと?アルフレッドに?」
エリーゼは口を隠して声を出さずに笑い、冷たくこう言い退けた。
「そうですわ。濡れ衣を着せて処刑しようとしたのですからそのくらいの賠償をしていただかないと。温情で、離宮あたりから茨の森を含む森林部分…この国の森林部分の8割ほどになるかしら…だけで済ませてさし上げます」
「そんな事…」
「認められない…ですか?では仕方ありませんね、私がこの国全てを占領し、女王として治めます。その後アルフレッド殿下になにがしかの賠償をしましょう」
「占領?」
エリーゼは音もなく滑る様に移動して王の目と鼻の先に来、柔らかく微笑みながら王に顔を近づけた。
「そうですよ。私の力はご覧いただいけましたよね?勝てるとお思い?ご自慢の兵も騎士も動けないようですけど?」
王はがっくりと肩を落とし、震える手で書類にサインをした。国の玉璽はエリーゼの魔法によっていつのまにか目の前に現れたのでそれを押した。
「同じ物が2通あるので、そちらに1通お預けしますね。では…」
そこへブライアンに連れられたアルフレッド殿下が現れた。
「エリーゼ!無事だったのか?」
アルフレッドを見つけて、安堵の笑みをエリーゼは顔に浮かべた。
「大丈夫、私強いですから。まあ、アルフレッド殿下傷だらけで…大変な目にあいましたね…。陛下が、あなたの無罪放免を認めてくださいましたわ。それからお詫びに国土をあなたに割譲すると」
「ちが…」
王は何かを言いかけたがそれより早く、先程サインをした書類をエリーゼはアルフレッドに渡した。それを早速読むアルフレッド。
「なんと本当だ!これで茨の森を守れます。ありがとうございます陛下」
それ以上何もいえず恨みがましい目で2人を見つめる王。そこに今度は長老が近づいた。
「陛下、何故殿下に濡れ衣を着せたのじゃ、貴族や王子たちが何を企んだとしてもあなたなら止められたはず…『この国のため命を捧げよ』と言えば悩む事なく進んで命を捧げる様な…アイーシャ様によく似た…そんな方なのに…残念じゃ」
その途端、王はこの老人が誰かわかった。
「…!お前はあの時の宰相!仕返しに来たのか?」
長老は少し馬鹿にした様な顔で笑った。
「そんな事には興味がないのう。それよりはあの2人の行く末の方が楽しみじゃ。…そうそう、陛下は『茨の森を傷つける事はしてはいけない』とアイーシャ様から言われた事はないかの?」
昔昔の記憶が蘇る。優しい声で彼女からそう言われた事があった。何故忘れていたのか…
「…あるようじゃな。それを覚えていてくださればこんな事には…ま、これから茨の森はアルフレッド殿下の治める事になるが、また何かの時にはあなたにも会う事もあるだろう。さて、そこのお2人さんそろそろ帰るぞ。ブライアンも仏頂面はやめなさい、これから忙しくなるわい」
人目を憚らず見つめ合い手を繋いでいたエリーゼとアルフレッドはその声ではたと気がつき真っ赤になって、手を離した。それを見たブライアンは小さく舌打ちしてそっぽを向いた。
「…そうですわね。帰りましょう、あ、言い忘れました、もしそちらがこの約束を違えたならば…」
エリーゼは杖を床にトンと軽くついた。その瞬間、王宮の窓ガラス全てが…ご自慢のステンドグラスも全て粉々に砕け散って倒れている貴族たちに降り注いだ。
「この様になりますのでゆめゆめお忘れなく」
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