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結局その後も“ミシュリー鬼畜エピソード”と“ラヴェルナ慈悲深エピソード”が二人の口から交互に語られ、聖石の指輪をラヴェルナが着けていても領地に何の影響もなかったこともあってか、誰一人私の反論に耳を傾けてくれはしなかった。
話し合いが終わる頃には、フィールデン公爵夫妻も二人の言い分を完全に信じてしまったようだった。
私は聖女の力の上にふんぞり返り、陰で他人を痛めつけ見下す傲慢な女、公爵家の妻として相応しくない振る舞いをする信用のおけない女だと決めつけられた。
そしてたった三週間後、全ての手続きが完了し、私はフィールデン公爵邸を追い出されることとなった。
嫁いできたラヴェルナと入れ替わりに。
「ふふっ……、ざまぁみなさいよ。あたしの勝ちね。安心してちょうだい。あんたの代わりに将来はあたしがフィールデン公爵夫人としてここで幸せに暮らすからぁ。指輪も大事に持っておくわねー。これのおかげであたし、公爵夫人になれるんだもの。ふふふふふ。……さよなら、ミシュリー。さっさと消えて」
出て行く私をわざわざ玄関ホールまで見送りにきたラヴェルナは、最後まで嫌味たっぷりにそう言いながら私を追い出したのだった。
「……何でここに戻ってきたのよ、あなた」
行く宛など当然ない私はそのままベイリー伯爵邸に戻ったのだが、ボストンバッグを持った私の姿を見た伯爵夫人は開口一番そう言った。腕組みをしながら私を睨めつけると、冷たい口調で言い放つ。
「私たちがあなたを引き取ったのは、ただひとえに聖石の指輪のためよ。ラヴィが身に着けていても効力を発揮するなら、あなたは別にいらないわ。出戻って来られたところで困るのよ。あなたが聖女を騙ってうちに入り込みラヴェルナを虐めていた話はもう社交界で持ち切りだし、フィールデン公爵家に見限られたいわくつきのあなたなんか、ここにいられてもうちにとって負債になるだけだわ。主人も、もうあなたとは関わり合いになりたくないって言ってる。……消えてちょうだい」
氷のように冷え切った眼差しで私を見下ろす伯爵夫人の瞳には、慈悲の欠片も浮かんでいなかった。そして社交界にも、すでに私の悪い噂は流されているらしい。
全てを諦めた私は、そのまま黙って踵を返し、ベイリー伯爵邸を後にした。
◇ ◇ ◇
王都の西南側に位置する広大なフィールデン公爵領。そこから地続きの南側に位置するベイリー伯爵領。
私はそれらの地から、できるだけ遠くに離れることに決めた。別に仕返しがしたいわけじゃない。そんな気力は残っていない。ズタボロに傷付き打ちのめされていた私はただ、もうあの人たちの近くにはいたくなかっただけ。
私はいらないと口を揃えて言うのだから、それでいいのだろう。
それなら私は、彼らと一生関わりのないどこか遠くの地で、ひっそりと生きていこう。
もしも、無事に生き残れるのなら。
私は一人、北に向かった。侍女も護衛もいない。知り合いも、頼れる人も、誰もいない。けれど、どこかへ行かなければと思った。
たとえ一人ぼっちでも、どこかで生き抜いていかなくては。最後まで、諦めてはいけない。
父と母にもらったこの命を、絶望に身を任せて投げ出したくはなかった。
けれど、王都を越え北に行けば行くほど、その道のりは徐々に険しいものとなっていった。
(さ……、寒い……っ!ちょっといくら何でも無茶しすぎたかしら……)
数週間かけてひたすら北上すればするほど、これまで経験したことのない気候の寒さに凍え、怖気づいてきた。彼らから最も離れた場所で生きていきたいからと、行ったこともない北の地を目指したのはいいけれど……。ここまで来るのに辻馬車を乗り継ぎ、安宿を渡り歩き、そして防寒具を次々買い足し、もう手持ちのお金は尽きようとしていた。限界かもしれない。
(でも……、この辺りにもこんなに人がたくさんいる……。生きてはいけるってことよね)
雪の積もった地面の上に、さらに新たな雪がはらはらと舞う、北の小さな街。そこにはシャベルを持って雪かきをする人々や、薪を運ぶ人、路上でお喋りをしているおばさんたちや、民間学校の帰りと思われる子どもたちなど、たくさんの人々が行き交っていた。
(この辺りで……、何か仕事にありつけないかしら……)
ともかく、ここから先はどうにかしてお金を稼がなくてはもう生きてはいけない。私にできることが何か分からないけれど、とにもかくにも仕事を探そう。
それにしても、何だか目の前がチカチカする。頭が少しボーッとするし、周囲の景色がゆらゆらと揺れている気がする。慣れない寒さのせいだろうか。さっきまでジンジンと痛かった耳の感覚も、今はもうない。
ふと顔を上げると、目の前に宿屋らしき建物があった。その入り口の横には、“従業員募集!”と書かれた貼り紙がある。
仕事をさせてもらえるか聞いてみよう。でもその前に……、少し休ませてもらえるかしら……。
私は若干ふらつく足で懸命に雪を踏みしめながら、宿屋の扉に縋り付くようにして一度体重を預け、一息ついてから力を込めて扉を押した。
(あ……、あったかい……)
中には暖炉が赤々と火をともし、狭いロビーには大勢の大柄な男性がひしめき合っていた。その格好を見るに、どうやら騎士の方たちらしい。私が足を踏み入れると、その騎士たちが一斉にこちらに視線を向けてきた。
「いらっしゃーい。……あら?あんた大丈夫かい?」
受付のふくよかな女性が私にそう声をかけてくれる。カウンターを挟んだその女性の前には、一際背の高い騎士の姿があった。こちらを見ているようだけど……、外との温度差のせいかな。なんだか頭がクラクラするし、目の前は暗くなるしで、全然周りが見えなくなってきた……。
「あ、の……。すみま、せん……、わ、……私……」
受付の女性に話しかけようとそちらに足を踏み出した途端。
ふいに、全身の力が抜けていくのを感じた。
(あ、どうしよう。倒れる、かも……)
こんなところで。ダメよ、しっかりしなくちゃ。足に力を入れて────……。
その意志とは裏腹に、私はもう目も開けられなかった。
「おやっ!!大変だ!!」
「おいっ!どうした、しっかりしろ!」
床に打ち付ける体の痛みは感じなかった。
その代わりに、体がふわりと宙に浮くような不思議な感覚がして、私はその気持ちよさに安堵し、そのまま意識を手放した──────
話し合いが終わる頃には、フィールデン公爵夫妻も二人の言い分を完全に信じてしまったようだった。
私は聖女の力の上にふんぞり返り、陰で他人を痛めつけ見下す傲慢な女、公爵家の妻として相応しくない振る舞いをする信用のおけない女だと決めつけられた。
そしてたった三週間後、全ての手続きが完了し、私はフィールデン公爵邸を追い出されることとなった。
嫁いできたラヴェルナと入れ替わりに。
「ふふっ……、ざまぁみなさいよ。あたしの勝ちね。安心してちょうだい。あんたの代わりに将来はあたしがフィールデン公爵夫人としてここで幸せに暮らすからぁ。指輪も大事に持っておくわねー。これのおかげであたし、公爵夫人になれるんだもの。ふふふふふ。……さよなら、ミシュリー。さっさと消えて」
出て行く私をわざわざ玄関ホールまで見送りにきたラヴェルナは、最後まで嫌味たっぷりにそう言いながら私を追い出したのだった。
「……何でここに戻ってきたのよ、あなた」
行く宛など当然ない私はそのままベイリー伯爵邸に戻ったのだが、ボストンバッグを持った私の姿を見た伯爵夫人は開口一番そう言った。腕組みをしながら私を睨めつけると、冷たい口調で言い放つ。
「私たちがあなたを引き取ったのは、ただひとえに聖石の指輪のためよ。ラヴィが身に着けていても効力を発揮するなら、あなたは別にいらないわ。出戻って来られたところで困るのよ。あなたが聖女を騙ってうちに入り込みラヴェルナを虐めていた話はもう社交界で持ち切りだし、フィールデン公爵家に見限られたいわくつきのあなたなんか、ここにいられてもうちにとって負債になるだけだわ。主人も、もうあなたとは関わり合いになりたくないって言ってる。……消えてちょうだい」
氷のように冷え切った眼差しで私を見下ろす伯爵夫人の瞳には、慈悲の欠片も浮かんでいなかった。そして社交界にも、すでに私の悪い噂は流されているらしい。
全てを諦めた私は、そのまま黙って踵を返し、ベイリー伯爵邸を後にした。
◇ ◇ ◇
王都の西南側に位置する広大なフィールデン公爵領。そこから地続きの南側に位置するベイリー伯爵領。
私はそれらの地から、できるだけ遠くに離れることに決めた。別に仕返しがしたいわけじゃない。そんな気力は残っていない。ズタボロに傷付き打ちのめされていた私はただ、もうあの人たちの近くにはいたくなかっただけ。
私はいらないと口を揃えて言うのだから、それでいいのだろう。
それなら私は、彼らと一生関わりのないどこか遠くの地で、ひっそりと生きていこう。
もしも、無事に生き残れるのなら。
私は一人、北に向かった。侍女も護衛もいない。知り合いも、頼れる人も、誰もいない。けれど、どこかへ行かなければと思った。
たとえ一人ぼっちでも、どこかで生き抜いていかなくては。最後まで、諦めてはいけない。
父と母にもらったこの命を、絶望に身を任せて投げ出したくはなかった。
けれど、王都を越え北に行けば行くほど、その道のりは徐々に険しいものとなっていった。
(さ……、寒い……っ!ちょっといくら何でも無茶しすぎたかしら……)
数週間かけてひたすら北上すればするほど、これまで経験したことのない気候の寒さに凍え、怖気づいてきた。彼らから最も離れた場所で生きていきたいからと、行ったこともない北の地を目指したのはいいけれど……。ここまで来るのに辻馬車を乗り継ぎ、安宿を渡り歩き、そして防寒具を次々買い足し、もう手持ちのお金は尽きようとしていた。限界かもしれない。
(でも……、この辺りにもこんなに人がたくさんいる……。生きてはいけるってことよね)
雪の積もった地面の上に、さらに新たな雪がはらはらと舞う、北の小さな街。そこにはシャベルを持って雪かきをする人々や、薪を運ぶ人、路上でお喋りをしているおばさんたちや、民間学校の帰りと思われる子どもたちなど、たくさんの人々が行き交っていた。
(この辺りで……、何か仕事にありつけないかしら……)
ともかく、ここから先はどうにかしてお金を稼がなくてはもう生きてはいけない。私にできることが何か分からないけれど、とにもかくにも仕事を探そう。
それにしても、何だか目の前がチカチカする。頭が少しボーッとするし、周囲の景色がゆらゆらと揺れている気がする。慣れない寒さのせいだろうか。さっきまでジンジンと痛かった耳の感覚も、今はもうない。
ふと顔を上げると、目の前に宿屋らしき建物があった。その入り口の横には、“従業員募集!”と書かれた貼り紙がある。
仕事をさせてもらえるか聞いてみよう。でもその前に……、少し休ませてもらえるかしら……。
私は若干ふらつく足で懸命に雪を踏みしめながら、宿屋の扉に縋り付くようにして一度体重を預け、一息ついてから力を込めて扉を押した。
(あ……、あったかい……)
中には暖炉が赤々と火をともし、狭いロビーには大勢の大柄な男性がひしめき合っていた。その格好を見るに、どうやら騎士の方たちらしい。私が足を踏み入れると、その騎士たちが一斉にこちらに視線を向けてきた。
「いらっしゃーい。……あら?あんた大丈夫かい?」
受付のふくよかな女性が私にそう声をかけてくれる。カウンターを挟んだその女性の前には、一際背の高い騎士の姿があった。こちらを見ているようだけど……、外との温度差のせいかな。なんだか頭がクラクラするし、目の前は暗くなるしで、全然周りが見えなくなってきた……。
「あ、の……。すみま、せん……、わ、……私……」
受付の女性に話しかけようとそちらに足を踏み出した途端。
ふいに、全身の力が抜けていくのを感じた。
(あ、どうしよう。倒れる、かも……)
こんなところで。ダメよ、しっかりしなくちゃ。足に力を入れて────……。
その意志とは裏腹に、私はもう目も開けられなかった。
「おやっ!!大変だ!!」
「おいっ!どうした、しっかりしろ!」
床に打ち付ける体の痛みは感じなかった。
その代わりに、体がふわりと宙に浮くような不思議な感覚がして、私はその気持ちよさに安堵し、そのまま意識を手放した──────
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