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何もかも足りない
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「ここはペダルを少し引いて、あまり魔力を加えないようにして、で、次の小節のタララタララタララの最後のタララでペダルを強く踏み込む事で、ほら、ランプの色が鮮やかになったでしょ?」
後陣のマイク前で、エラトで『夜明け、始まりの陽射し』を弾きながら、ペダルの使い方を説明する。とは言っても、俺も初めての事なので、上手く説明出来ているか分からない。まあ『夜明け、始まりの陽射し』をどのように弾くかは分かっているので、どこで盛り上げ、どこで力を抜くか理解していた事が救いか。聖歌隊の楽器隊の面々も、俺の演奏姿に注視していた。本番ではこれを自分たちがやらなければならないからだ。
「インシグニア嬢! そっちはどうですか!?」
「はい! こちらも一通りは教えられました!」
聖歌隊全体を俺一人で面倒見るのは時間的に無理と判断した俺は、合唱隊の方はインシグニア嬢に指導して貰う事とした。これを嫌な顔せずに受けてくれて助かった。流石にインシグニア嬢も、ペダル操作云々を俺一人で抱えるのは無理だと判断したのだろう。
「分かりました! じゃあ、取り敢えず一回全体で通して演奏してみましょう!」
これに首肯する聖歌隊の皆さん。うんうん。顔付きからやる気が満ちているのが分かるが、同時に強張っているのも分かる。初めての事だ。いきなり完璧には出来ないのは仕方ない。
「取り敢えず、二小節! 初めの八小節は私だけなので、その後の歌い出しから! にぃ、さん、せーの! の『の』のところから歌い出す感じで!」
『はい!』
俺は素早くオルガン前まで駆け上がると、椅子に座って息を整え、オルガンに指を置く。
「では、にぃ、さん、せーの!」
最初の一音は揃ったが、直ぐにガタガタになる音と歌。駄目だこれ。と一小節も演奏出来ず、俺がオルガンから手を離すと、皆の歌奏も止まる。
どうしよう。振り返ってインシグニア嬢を見遣るも、彼女も苦笑いだ。ですよねえ。
「合わせるのは後! まずは一時間個人練して感触を馴染ませて下さい!」
『はい!』
元気な返事の後、それぞれが歌い出し、演奏し出す。それは最初の一小節であったり、それぞれが苦手としている箇所だったり様々だ。
「では、オルガンも」
「私もですか?」
俺は、前任のオルガン奏者に席を譲ろうとするも、前任の奏者が驚いている。
「だって、私がいない時は、貴方がこのオルガンを演奏するんですよ? それに、今回は私やインシグニア嬢が歌奏に加わりますが、今後、インシグニア嬢はグリフォンデン領の次期領主となる為に、勉学に励まないといけなくなるので、セレモニーで歌奏をする機会はぐんと減ります。私もそちらに合わせるので、その際には済みませんが、聖歌隊だけでどうにかして貰わないと」
俺の説明に青ざめるオルガン奏者。しかしやって貰わないと困るのはそちらだ。
「出来るでしょうか?」
困惑顔で尋ねてくるオルガン奏者。
「それは私と同じように弾けないと言う意味ですか? それとも、魔力的な方ですか?」
「魔力的な方です」
そっちか。まあ、演奏の真似は出来そうだが、俺のように演奏していたら、俺の二倍程度の魔力量では、すぐに魔力が枯渇しかねない。
「そこは……、演奏方法として考えていきましょう。場合によっては、一曲を二人、三人で演奏するとか、マナポーションを用意して、それを飲みながら演奏するのも考慮に入れていきましょう」
「三人でも、マナポーションを用意しないと無理だと思います」
そうなるのかあ。俺はすぐに魔力を回復させられるから、その辺の匙加減が分からないんだよなあ。
「この曲を大聖堂で弾けるオルガン奏者は?」
「私と、もう一人……。あそこで合唱隊に混ざっている尼官の……」
あの人か。……ああ~、う~ん……。
「済みません! その尼官の方! こちらへ来て貰えますか!」
尼官さんの負担は増えるが、背に腹は代えられない。俺の意図に気付いた尼官さんがこちらへやって来る。
「済みません。私がいない時、こちらの神官さんと交代交代で、曲を弾いて貰えませんか?」
「そう、なりますよね」
尼官さんは苦い顔だ。いや、多分ここにいる俺たち三人苦い顔だと思う。
「では、取り敢えず、演奏していて下さい。私は教皇猊下に、マナポーションの交渉をしてきます」
『お願いします!』
二人とも切実そうだ。いや、楽器隊も合唱隊も、この曲、マナポーションなしに歌奏出来るの、多分、俺とインシグニア嬢だけだよなあ。いや、インシグニア嬢の侍女二人もいけるか? でもマナポーションはあった方が絶対良い。
オルガン前から、長椅子に座って練習風景を観ていた教皇猊下の前まで早足で向かう。これに顔を歪める猊下。何かしか無理難題を言ってくると、ここまでの話し合いで理解したからだろう。間違っていない。
「済みません、猊下。お話宜しいですか?」
「宜しくなくとも、君は勝手に話すのだろう?」
間違ってはいない。
「猊下は、これまでの演奏をお聴きして、どう思われましたか?」
これに眉根を寄せて厳しい顔となる猊下。何その表情。やっぱり俺の演奏なんて大聖堂には相応しくない。って感想だろうか?
「……まあ、悪くはないのではないか?」
「はあ、ありがとうございます?」
及第点は貰えた感じか? それでも厳しい表情なので、ギリギリなのかもなあ。まあ、俺の演奏の出来不出来は横に置いておくとして、
「その、ここの歌奏魔導具、オルガンとマイクなんですが、知ってはおいででしょうけれど、この大聖堂のランプと連動しているようなんです」
「うむ。あそこまで煌びやかになるのは初めて見たが」
そうなのか? まあ、神官尼官は、そもそも一般市民だろうから、人によっては俺より魔力量が少ない者も少なくないだろうからなあ。
「それでですね。楽曲のポテンシャルを最大限まで引き上げるには、どうやら曲の途中途中でマナポーションを補給する必要がありそうなんです」
これに先程よりも厳しい顔となる教皇猊下。まあ、魔力を回復させるマナポーションは高いからねえ。体力を回復させるポーションなら、どこの教会にもそれなりにある。デウサリウス教では、商会や個人で作られたポーションを買い取っているからだ。要はデウサリウス教の教会は、怪我した時の駆け込み先なのだ。
ポーションは商会などでも売っているが、その効能の差などで値段は一定に決まっている。これはアダマンティア王国の法律でこの値段以下では売るな。とのお触れが出されているのだ。その穴を突く形で、商会よりも安く売っているのが教会だ。アダマンティア王国としても教会に口出しして対立するのは得策ではないので、教会が商会よりも安く売っているのを、見逃している形だ。
なので教会は商会などに大量発注して安く仕入れ、商会よりも安く売っているのだ。商会からしても、教会は大口の得意客なので、ポーションを教会に売る事に躊躇いはない。
因みに、教会に売るポーションは、商会で売れ残ったものを優先して売るので、消費期限が短い。それにアダマンティア王国では、教会に対して、一人に一日五個まで。との取り決めを出しているので、それ以上必要な場合は商会で買う事となる。まあ、抜け穴的に個人でやり取りしている者もいるが。基本はそんな感じだ。
更に言えば、教会なので神官尼官は回復魔法を使えるが、ポーションより割高だ。教会で回復魔法をして貰うのは突然の事態や、よっぽどの場合に限る。大概は、魔属精霊討伐に、神官や尼官を連れていく方向に話が纏まる。これなら回復魔法して貰い放題だからね。
で、話を戻すと、身体を癒すポーションに比べて、魔力を回復させるマナポーションは、需要と供給で言えば、需要が少ない。何故なら、大概の魔属精霊討伐と言うものは、余程相手が強力でなければ、己の魔力量と比べて、倒した後も魔力量に余裕を残して帰れる程度にしているのが普通だからだ。ただ、不測の事態も考えられるので、マナポーションに需要が全くない訳ではないが、使う機会は普通のポーションと比べれば圧倒的に少ない。
なので、教会もマナポーションは余り用意していないのだ。買う側も、不測の事態の為に、一本買うくらいだからだ。
「量を用意するのが難しいようでしたら、我が領御用達の商会から格安で提供しますが?」
「ぬ? そこまでしてくれるのかね?」
教皇猊下からしたら、インシグニア嬢の歌奏をさせるな。と喚いていた俺が、ここまでするとは思っていなかったようだ。だが、俺からしたら、やると決まった以上、最大限協力するつもりだ。
「ただし、『今回に限り』です。もし、今後もマナポーションが必要な場合と、他の商会と変わらない値段での取り引きとなります」
「うむむ……」
頭の中で色々計算しているのだろう。今の様子を見るに、マナポーションは今後必須だろうからなあ。大聖堂の威厳を保つ為にも、インシグニア嬢がいないセレモニーでも、質を落とすのは憚られる。
「マナポーション、私の領からも提供します」
そこへ追い風とばかりに、インシグニア嬢が声を上げた。インシグニア嬢は、そもそも自分はこの『契約召喚の儀』で歌奏するものと思っていたので、今回の件の為には全力だ。
「ううむ……」
「今後の事に関して、私たちではなく、商会の者と話し合いをして下さい。恐らくそちらの方が、猊下の意向に沿う形になるかと」
俺がそんな悪魔の囁きを口にすれば、まるで光明を見出したかのように、ぱあっと顔を明るくする教皇猊下。商会ならどうとでも出来るとでも思っているのだろう。商人相手に交渉するのが、どれだけ大変か、この方は理解していないようだ。実務担当さん、頑張れ。
「そうか。うむ、では二人の領より協力願おう」
こうして、悪魔の契約はなされたのだった。
後陣のマイク前で、エラトで『夜明け、始まりの陽射し』を弾きながら、ペダルの使い方を説明する。とは言っても、俺も初めての事なので、上手く説明出来ているか分からない。まあ『夜明け、始まりの陽射し』をどのように弾くかは分かっているので、どこで盛り上げ、どこで力を抜くか理解していた事が救いか。聖歌隊の楽器隊の面々も、俺の演奏姿に注視していた。本番ではこれを自分たちがやらなければならないからだ。
「インシグニア嬢! そっちはどうですか!?」
「はい! こちらも一通りは教えられました!」
聖歌隊全体を俺一人で面倒見るのは時間的に無理と判断した俺は、合唱隊の方はインシグニア嬢に指導して貰う事とした。これを嫌な顔せずに受けてくれて助かった。流石にインシグニア嬢も、ペダル操作云々を俺一人で抱えるのは無理だと判断したのだろう。
「分かりました! じゃあ、取り敢えず一回全体で通して演奏してみましょう!」
これに首肯する聖歌隊の皆さん。うんうん。顔付きからやる気が満ちているのが分かるが、同時に強張っているのも分かる。初めての事だ。いきなり完璧には出来ないのは仕方ない。
「取り敢えず、二小節! 初めの八小節は私だけなので、その後の歌い出しから! にぃ、さん、せーの! の『の』のところから歌い出す感じで!」
『はい!』
俺は素早くオルガン前まで駆け上がると、椅子に座って息を整え、オルガンに指を置く。
「では、にぃ、さん、せーの!」
最初の一音は揃ったが、直ぐにガタガタになる音と歌。駄目だこれ。と一小節も演奏出来ず、俺がオルガンから手を離すと、皆の歌奏も止まる。
どうしよう。振り返ってインシグニア嬢を見遣るも、彼女も苦笑いだ。ですよねえ。
「合わせるのは後! まずは一時間個人練して感触を馴染ませて下さい!」
『はい!』
元気な返事の後、それぞれが歌い出し、演奏し出す。それは最初の一小節であったり、それぞれが苦手としている箇所だったり様々だ。
「では、オルガンも」
「私もですか?」
俺は、前任のオルガン奏者に席を譲ろうとするも、前任の奏者が驚いている。
「だって、私がいない時は、貴方がこのオルガンを演奏するんですよ? それに、今回は私やインシグニア嬢が歌奏に加わりますが、今後、インシグニア嬢はグリフォンデン領の次期領主となる為に、勉学に励まないといけなくなるので、セレモニーで歌奏をする機会はぐんと減ります。私もそちらに合わせるので、その際には済みませんが、聖歌隊だけでどうにかして貰わないと」
俺の説明に青ざめるオルガン奏者。しかしやって貰わないと困るのはそちらだ。
「出来るでしょうか?」
困惑顔で尋ねてくるオルガン奏者。
「それは私と同じように弾けないと言う意味ですか? それとも、魔力的な方ですか?」
「魔力的な方です」
そっちか。まあ、演奏の真似は出来そうだが、俺のように演奏していたら、俺の二倍程度の魔力量では、すぐに魔力が枯渇しかねない。
「そこは……、演奏方法として考えていきましょう。場合によっては、一曲を二人、三人で演奏するとか、マナポーションを用意して、それを飲みながら演奏するのも考慮に入れていきましょう」
「三人でも、マナポーションを用意しないと無理だと思います」
そうなるのかあ。俺はすぐに魔力を回復させられるから、その辺の匙加減が分からないんだよなあ。
「この曲を大聖堂で弾けるオルガン奏者は?」
「私と、もう一人……。あそこで合唱隊に混ざっている尼官の……」
あの人か。……ああ~、う~ん……。
「済みません! その尼官の方! こちらへ来て貰えますか!」
尼官さんの負担は増えるが、背に腹は代えられない。俺の意図に気付いた尼官さんがこちらへやって来る。
「済みません。私がいない時、こちらの神官さんと交代交代で、曲を弾いて貰えませんか?」
「そう、なりますよね」
尼官さんは苦い顔だ。いや、多分ここにいる俺たち三人苦い顔だと思う。
「では、取り敢えず、演奏していて下さい。私は教皇猊下に、マナポーションの交渉をしてきます」
『お願いします!』
二人とも切実そうだ。いや、楽器隊も合唱隊も、この曲、マナポーションなしに歌奏出来るの、多分、俺とインシグニア嬢だけだよなあ。いや、インシグニア嬢の侍女二人もいけるか? でもマナポーションはあった方が絶対良い。
オルガン前から、長椅子に座って練習風景を観ていた教皇猊下の前まで早足で向かう。これに顔を歪める猊下。何かしか無理難題を言ってくると、ここまでの話し合いで理解したからだろう。間違っていない。
「済みません、猊下。お話宜しいですか?」
「宜しくなくとも、君は勝手に話すのだろう?」
間違ってはいない。
「猊下は、これまでの演奏をお聴きして、どう思われましたか?」
これに眉根を寄せて厳しい顔となる猊下。何その表情。やっぱり俺の演奏なんて大聖堂には相応しくない。って感想だろうか?
「……まあ、悪くはないのではないか?」
「はあ、ありがとうございます?」
及第点は貰えた感じか? それでも厳しい表情なので、ギリギリなのかもなあ。まあ、俺の演奏の出来不出来は横に置いておくとして、
「その、ここの歌奏魔導具、オルガンとマイクなんですが、知ってはおいででしょうけれど、この大聖堂のランプと連動しているようなんです」
「うむ。あそこまで煌びやかになるのは初めて見たが」
そうなのか? まあ、神官尼官は、そもそも一般市民だろうから、人によっては俺より魔力量が少ない者も少なくないだろうからなあ。
「それでですね。楽曲のポテンシャルを最大限まで引き上げるには、どうやら曲の途中途中でマナポーションを補給する必要がありそうなんです」
これに先程よりも厳しい顔となる教皇猊下。まあ、魔力を回復させるマナポーションは高いからねえ。体力を回復させるポーションなら、どこの教会にもそれなりにある。デウサリウス教では、商会や個人で作られたポーションを買い取っているからだ。要はデウサリウス教の教会は、怪我した時の駆け込み先なのだ。
ポーションは商会などでも売っているが、その効能の差などで値段は一定に決まっている。これはアダマンティア王国の法律でこの値段以下では売るな。とのお触れが出されているのだ。その穴を突く形で、商会よりも安く売っているのが教会だ。アダマンティア王国としても教会に口出しして対立するのは得策ではないので、教会が商会よりも安く売っているのを、見逃している形だ。
なので教会は商会などに大量発注して安く仕入れ、商会よりも安く売っているのだ。商会からしても、教会は大口の得意客なので、ポーションを教会に売る事に躊躇いはない。
因みに、教会に売るポーションは、商会で売れ残ったものを優先して売るので、消費期限が短い。それにアダマンティア王国では、教会に対して、一人に一日五個まで。との取り決めを出しているので、それ以上必要な場合は商会で買う事となる。まあ、抜け穴的に個人でやり取りしている者もいるが。基本はそんな感じだ。
更に言えば、教会なので神官尼官は回復魔法を使えるが、ポーションより割高だ。教会で回復魔法をして貰うのは突然の事態や、よっぽどの場合に限る。大概は、魔属精霊討伐に、神官や尼官を連れていく方向に話が纏まる。これなら回復魔法して貰い放題だからね。
で、話を戻すと、身体を癒すポーションに比べて、魔力を回復させるマナポーションは、需要と供給で言えば、需要が少ない。何故なら、大概の魔属精霊討伐と言うものは、余程相手が強力でなければ、己の魔力量と比べて、倒した後も魔力量に余裕を残して帰れる程度にしているのが普通だからだ。ただ、不測の事態も考えられるので、マナポーションに需要が全くない訳ではないが、使う機会は普通のポーションと比べれば圧倒的に少ない。
なので、教会もマナポーションは余り用意していないのだ。買う側も、不測の事態の為に、一本買うくらいだからだ。
「量を用意するのが難しいようでしたら、我が領御用達の商会から格安で提供しますが?」
「ぬ? そこまでしてくれるのかね?」
教皇猊下からしたら、インシグニア嬢の歌奏をさせるな。と喚いていた俺が、ここまでするとは思っていなかったようだ。だが、俺からしたら、やると決まった以上、最大限協力するつもりだ。
「ただし、『今回に限り』です。もし、今後もマナポーションが必要な場合と、他の商会と変わらない値段での取り引きとなります」
「うむむ……」
頭の中で色々計算しているのだろう。今の様子を見るに、マナポーションは今後必須だろうからなあ。大聖堂の威厳を保つ為にも、インシグニア嬢がいないセレモニーでも、質を落とすのは憚られる。
「マナポーション、私の領からも提供します」
そこへ追い風とばかりに、インシグニア嬢が声を上げた。インシグニア嬢は、そもそも自分はこの『契約召喚の儀』で歌奏するものと思っていたので、今回の件の為には全力だ。
「ううむ……」
「今後の事に関して、私たちではなく、商会の者と話し合いをして下さい。恐らくそちらの方が、猊下の意向に沿う形になるかと」
俺がそんな悪魔の囁きを口にすれば、まるで光明を見出したかのように、ぱあっと顔を明るくする教皇猊下。商会ならどうとでも出来るとでも思っているのだろう。商人相手に交渉するのが、どれだけ大変か、この方は理解していないようだ。実務担当さん、頑張れ。
「そうか。うむ、では二人の領より協力願おう」
こうして、悪魔の契約はなされたのだった。
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