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第七章 暴かれた真実?
暴かれた真実?①
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羽音は夢を見た。
ミセス・サラの前には、インキュバスが蹲っている。その背中には、烏のように真っ黒な羽が生えていた。
「さぁ、神に跪きなさい」
その凛とした声とともに、そのインキュバスに聖水を振り掛ける。
「グハッ‼ うわぁぁぁぁぁぁッ‼」
静かな教会に、断末魔が響き渡る。その華奢な体からは煙が立ち上り、悪魔はもがき苦しみながら床を転げ回った。
「クソがッ⁉ 俺は、俺は……人間になんかなりたくねぇ‼」
「お黙りなさい。貴方は少々人間に危害を加え過ぎました。神の元へ召されなさい」
そう言いながら、ミセス・サラは透明に輝く水晶玉を取り出した。
――あ、あの水晶玉は……。
羽音には、その水晶玉に見覚えがあった。いつも羽音が肌身離さず持ち歩いている水晶玉……それに、とてもよく似ていた。
「カナデ、今日から貴方は人間として生きていくのです」
「ふざけんな、くそババァが……俺は、インキュバスの『カナデ』だ。人間になんかなるもんか……!」
「困った子ね……」
ミセス・サラがカナデと名乗ったインキュバスの傍に座り込み、その体をそっと撫でながら、呪いを唱える。それは、古くキリスト教に伝わる、悪魔払いの呪文だった。
「クソがッ! クソがッ! クソがぁぁぁぁぁ‼」
カナデの叫び声が消え、再び教会に静寂が訪れる。
今、ミセス・サラの目の間にいる人物は、烏のように真っ黒な羽に、コウモリのように真っ赤な目をしたインキュバスではなかった。栗色のサラサラとした髪に同じ色の瞳をした青年だった。きっとこの青年を見た人々は、そのあまりに整った外見に、見惚れることだろう。
この瞬間……インキュバスは、人間へと生まれ変わったのだった。
「夢……か……」
羽音は一瞬で現実へと連れ戻される。何だか不思議な夢を見た気がした。
重たい体を起こし、ふと園庭を見れば、大きなモミの木が運び込まれてくるところだ。
「もうすぐ、クリスマスか……」
あれだけの騒ぎを起こしてしまった自分が、クリスマスを祈るなんて間違っていることはわかりきっているけど、羽音の胸はときめいて仕方ない。もしかしたら、今年はサンタクロースが自分の所にも来てくれるかもしれない……そう思えてならないのだ。
「この恋が、クリスマスに魔法をかけてくれる」
羽音は、生まれて初めて幸せを感じることができた。
冬は驚くくらい日が差し込む時間が短い。あっという間に太陽は森の向こう側に沈み、いつの間にかキラキラと瞬く星々が空に浮かんでいた。
謹慎処分中の羽音は、夕方に一度だけ教会への外出を許されている。
出掛ける間際に、最後に瑞稀に会った時に付けられた、首筋と鎖骨のキスマークが薄くなっていることに気付き、少しだけ寂しさを感じていた。自分の中の瑞稀が、少しずつ消えていってしまうように思えたから……。
羽音はコートを羽織って、教会へと向かった。
ミセス・サラの前には、インキュバスが蹲っている。その背中には、烏のように真っ黒な羽が生えていた。
「さぁ、神に跪きなさい」
その凛とした声とともに、そのインキュバスに聖水を振り掛ける。
「グハッ‼ うわぁぁぁぁぁぁッ‼」
静かな教会に、断末魔が響き渡る。その華奢な体からは煙が立ち上り、悪魔はもがき苦しみながら床を転げ回った。
「クソがッ⁉ 俺は、俺は……人間になんかなりたくねぇ‼」
「お黙りなさい。貴方は少々人間に危害を加え過ぎました。神の元へ召されなさい」
そう言いながら、ミセス・サラは透明に輝く水晶玉を取り出した。
――あ、あの水晶玉は……。
羽音には、その水晶玉に見覚えがあった。いつも羽音が肌身離さず持ち歩いている水晶玉……それに、とてもよく似ていた。
「カナデ、今日から貴方は人間として生きていくのです」
「ふざけんな、くそババァが……俺は、インキュバスの『カナデ』だ。人間になんかなるもんか……!」
「困った子ね……」
ミセス・サラがカナデと名乗ったインキュバスの傍に座り込み、その体をそっと撫でながら、呪いを唱える。それは、古くキリスト教に伝わる、悪魔払いの呪文だった。
「クソがッ! クソがッ! クソがぁぁぁぁぁ‼」
カナデの叫び声が消え、再び教会に静寂が訪れる。
今、ミセス・サラの目の間にいる人物は、烏のように真っ黒な羽に、コウモリのように真っ赤な目をしたインキュバスではなかった。栗色のサラサラとした髪に同じ色の瞳をした青年だった。きっとこの青年を見た人々は、そのあまりに整った外見に、見惚れることだろう。
この瞬間……インキュバスは、人間へと生まれ変わったのだった。
「夢……か……」
羽音は一瞬で現実へと連れ戻される。何だか不思議な夢を見た気がした。
重たい体を起こし、ふと園庭を見れば、大きなモミの木が運び込まれてくるところだ。
「もうすぐ、クリスマスか……」
あれだけの騒ぎを起こしてしまった自分が、クリスマスを祈るなんて間違っていることはわかりきっているけど、羽音の胸はときめいて仕方ない。もしかしたら、今年はサンタクロースが自分の所にも来てくれるかもしれない……そう思えてならないのだ。
「この恋が、クリスマスに魔法をかけてくれる」
羽音は、生まれて初めて幸せを感じることができた。
冬は驚くくらい日が差し込む時間が短い。あっという間に太陽は森の向こう側に沈み、いつの間にかキラキラと瞬く星々が空に浮かんでいた。
謹慎処分中の羽音は、夕方に一度だけ教会への外出を許されている。
出掛ける間際に、最後に瑞稀に会った時に付けられた、首筋と鎖骨のキスマークが薄くなっていることに気付き、少しだけ寂しさを感じていた。自分の中の瑞稀が、少しずつ消えていってしまうように思えたから……。
羽音はコートを羽織って、教会へと向かった。
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