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第七章 暴かれた真実?
暴かれた真実?④
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奏と出会ってから、羽音はずっと考えていた。
これからの、自分と瑞稀の事を……。
奏が言った通り、自分が誰かと愛し合うなんて夢を見過ぎていたのもしれない。今、魔法が溶けて現実に戻っただけ。ただ、それだけだ。
瑞稀に幸せになって欲しい……。それが、一番の羽音の望みだった。
「別れよう」
羽音の中で決意が固まる。
今なら、瑞稀から離れられる。彼を自由にしてあげられる……そう思えたから。
「別れようって言ったら、瑞稀はなんて言うだろう」
別れを受け入れて欲しいのに、別れを拒絶して欲しくもある。羽音の心が、まるで湖面に写り込む三日月のように儚く揺れた。
「でも……瑞稀に会いたい」
羽音の心は、大きく揺れる。揺れて揺れて、心が硝子玉のように粉々に砕け散りそうになった。
羽音の謹慎処分が終わりを迎えた朝。
その日は、朝日がキラキラと眩しくて、教会の鐘が朝を知らせるべく心地よい音色を響かせる。
羽音は、七日ぶりにミセス・サラの元へと向かう。また、いつものように彼女に会えることが嬉しかった。
「おはよう、羽音」
「おはようございます、ミセス・サラ」
ミセス・サラはいつものように笑顔で羽音を迎えてくれた。でも、その姿は最後に羽音が見た時よりも、更に衰弱していた。それは、痛々しい程で。その姿を見た羽音の胸がズキンと痛んだ。
「今日からまた頑張ってね」
「はい。ありがとうございます」
羽音は、ミセス・サラの笑顔を見ることが、とても辛く感じられる。
今回の騒動で、ミセス・サラは羽音を責めることはしなかった。だからこそ、常に彼女を裏切ってしまった、という罪悪感が羽音の心を苦しめ続けているのだ。
ミセス・サラの部屋を後にして、羽音は朝食のために食堂へと向かう。
他の生徒が、自分を見てどう思うだろうか……というのも、やはり気にはなるが、羽音は何より瑞稀と顔を合わせることに戸惑いを感じていた。
「いつ別れを切り出せばいいんだろう」
それに、瑞稀の顔を見てしまえば、きっと心が揺れてしまう。せっかく瑞稀から離れようと決心したのに、その決意は簡単に揺れてしまうだろう。だから、羽音は瑞稀に会うのが怖かった。
「おはようございます、生徒会長」
「お久しぶりです。お元気でしたか?」
「生徒会長!」
あっという間に羽音は生徒達に囲まれてしまい、びっくりしてしまう。
きっと自分は、生徒達に冷やかな視線を向けられるだろう……と覚悟をしていただけに、少しだけ拍子抜けしてしまった。
「えっと、心配とご迷惑をおかけしてすみませんでした」
羽音が丁寧に頭を下げると、彼を取り囲む生徒達は一様に目をキラキラ輝かせている。
『九条君と、お付き合いされているのは本当なんですか?』
『キスはもうお済なんですよね?』
『体の関係はあるのですか?』
明らかに、そう羽音を問い詰めてみたい……と、興味津々の生徒達。それが手に取るようにわかってしまい、思わず羽音は苦笑いを浮かべた。
「復帰早々、人気者は大変だな」
それを見た、ミスター・レンがククッと笑っている。ようやく訪れた日常に、羽音は少しだけ安堵した。
次の瞬間、食堂が一気にざわめき出す。たった今、食堂に入ってきた一人の生徒に、その場にいた生徒全員の視線が向けられたのだ。
「あ、九条君だ……」
「相変わらずかっこいい」
「生徒会長と、何かお話をするのだろうか……」
生徒が明らかに色めきだった。
瑞稀が食堂に入ってきてから、その場は甘い花の香りに包まれて、羽音の呼吸が浅くなる。鼓動が静かに高鳴り、頬が火照る。体が無意識に稀瑞を求め始めたことを感じた。それと同時に、キャソックのポケットの中にある水晶玉が、どんどんと熱を持っていくのがわかる。
生徒の視線など関係なく、瑞稀は羽音に歩み寄り、その目の前で立ち止まった。
一瞬にして食堂が騒がしくなる中、みんなが身を乗り出して二人を見守っている。傍にいたミスター・レンが羽音を庇うかのように身構えた。
久しぶりに見る瑞稀の姿に、羽音の胸は締めつけられる。
思わず、その姿に見惚れてしまった。そして、別れようと決意しつつも、久々に見る彼に一層魅力を感じてしまう自分に失望もしてしまう。
「やっぱり僕は……」
羽音は唇を噛み締めながら俯いた。少し力を抜いただけで、涙が出そうになる。
瑞稀が恋しくて仕方なかった。今すぐ抱き締めて口付けしたい思いを、羽音は必死に堪えた。
「おはようございます、来栖さん」
「あ、おはよう。九条君」
瑞稀がふわりと微笑むと同時に、花の香りが濃くなる。その香りを、羽音は控えめに吸い込んだ。
その香りがより一層強く感じられた瞬間、瑞稀の顔が近付いてきてそっと耳打ちされる。
「話がある。今日の放課後、薔薇園で待ってるから」
「え……?」
「ひゃあああああ‼」
それと同時に、食堂は生徒達の黄色い声援が飛び交う。
「もし、今、俺と別れようって考えてるなら……そんな事はさせないよ」
「どうして……それを……」
「お願い。離れてかないで……」
羽音の頬に、フワリと温かくて柔らかい物が触れ、瑞稀はそっと羽音の傍から離れて行った。
「やっぱり僕は……瑞稀から離れることなんてできない……」
羽音の心の中で、一つの新しい感情が芽吹いていた。
これからの、自分と瑞稀の事を……。
奏が言った通り、自分が誰かと愛し合うなんて夢を見過ぎていたのもしれない。今、魔法が溶けて現実に戻っただけ。ただ、それだけだ。
瑞稀に幸せになって欲しい……。それが、一番の羽音の望みだった。
「別れよう」
羽音の中で決意が固まる。
今なら、瑞稀から離れられる。彼を自由にしてあげられる……そう思えたから。
「別れようって言ったら、瑞稀はなんて言うだろう」
別れを受け入れて欲しいのに、別れを拒絶して欲しくもある。羽音の心が、まるで湖面に写り込む三日月のように儚く揺れた。
「でも……瑞稀に会いたい」
羽音の心は、大きく揺れる。揺れて揺れて、心が硝子玉のように粉々に砕け散りそうになった。
羽音の謹慎処分が終わりを迎えた朝。
その日は、朝日がキラキラと眩しくて、教会の鐘が朝を知らせるべく心地よい音色を響かせる。
羽音は、七日ぶりにミセス・サラの元へと向かう。また、いつものように彼女に会えることが嬉しかった。
「おはよう、羽音」
「おはようございます、ミセス・サラ」
ミセス・サラはいつものように笑顔で羽音を迎えてくれた。でも、その姿は最後に羽音が見た時よりも、更に衰弱していた。それは、痛々しい程で。その姿を見た羽音の胸がズキンと痛んだ。
「今日からまた頑張ってね」
「はい。ありがとうございます」
羽音は、ミセス・サラの笑顔を見ることが、とても辛く感じられる。
今回の騒動で、ミセス・サラは羽音を責めることはしなかった。だからこそ、常に彼女を裏切ってしまった、という罪悪感が羽音の心を苦しめ続けているのだ。
ミセス・サラの部屋を後にして、羽音は朝食のために食堂へと向かう。
他の生徒が、自分を見てどう思うだろうか……というのも、やはり気にはなるが、羽音は何より瑞稀と顔を合わせることに戸惑いを感じていた。
「いつ別れを切り出せばいいんだろう」
それに、瑞稀の顔を見てしまえば、きっと心が揺れてしまう。せっかく瑞稀から離れようと決心したのに、その決意は簡単に揺れてしまうだろう。だから、羽音は瑞稀に会うのが怖かった。
「おはようございます、生徒会長」
「お久しぶりです。お元気でしたか?」
「生徒会長!」
あっという間に羽音は生徒達に囲まれてしまい、びっくりしてしまう。
きっと自分は、生徒達に冷やかな視線を向けられるだろう……と覚悟をしていただけに、少しだけ拍子抜けしてしまった。
「えっと、心配とご迷惑をおかけしてすみませんでした」
羽音が丁寧に頭を下げると、彼を取り囲む生徒達は一様に目をキラキラ輝かせている。
『九条君と、お付き合いされているのは本当なんですか?』
『キスはもうお済なんですよね?』
『体の関係はあるのですか?』
明らかに、そう羽音を問い詰めてみたい……と、興味津々の生徒達。それが手に取るようにわかってしまい、思わず羽音は苦笑いを浮かべた。
「復帰早々、人気者は大変だな」
それを見た、ミスター・レンがククッと笑っている。ようやく訪れた日常に、羽音は少しだけ安堵した。
次の瞬間、食堂が一気にざわめき出す。たった今、食堂に入ってきた一人の生徒に、その場にいた生徒全員の視線が向けられたのだ。
「あ、九条君だ……」
「相変わらずかっこいい」
「生徒会長と、何かお話をするのだろうか……」
生徒が明らかに色めきだった。
瑞稀が食堂に入ってきてから、その場は甘い花の香りに包まれて、羽音の呼吸が浅くなる。鼓動が静かに高鳴り、頬が火照る。体が無意識に稀瑞を求め始めたことを感じた。それと同時に、キャソックのポケットの中にある水晶玉が、どんどんと熱を持っていくのがわかる。
生徒の視線など関係なく、瑞稀は羽音に歩み寄り、その目の前で立ち止まった。
一瞬にして食堂が騒がしくなる中、みんなが身を乗り出して二人を見守っている。傍にいたミスター・レンが羽音を庇うかのように身構えた。
久しぶりに見る瑞稀の姿に、羽音の胸は締めつけられる。
思わず、その姿に見惚れてしまった。そして、別れようと決意しつつも、久々に見る彼に一層魅力を感じてしまう自分に失望もしてしまう。
「やっぱり僕は……」
羽音は唇を噛み締めながら俯いた。少し力を抜いただけで、涙が出そうになる。
瑞稀が恋しくて仕方なかった。今すぐ抱き締めて口付けしたい思いを、羽音は必死に堪えた。
「おはようございます、来栖さん」
「あ、おはよう。九条君」
瑞稀がふわりと微笑むと同時に、花の香りが濃くなる。その香りを、羽音は控えめに吸い込んだ。
その香りがより一層強く感じられた瞬間、瑞稀の顔が近付いてきてそっと耳打ちされる。
「話がある。今日の放課後、薔薇園で待ってるから」
「え……?」
「ひゃあああああ‼」
それと同時に、食堂は生徒達の黄色い声援が飛び交う。
「もし、今、俺と別れようって考えてるなら……そんな事はさせないよ」
「どうして……それを……」
「お願い。離れてかないで……」
羽音の頬に、フワリと温かくて柔らかい物が触れ、瑞稀はそっと羽音の傍から離れて行った。
「やっぱり僕は……瑞稀から離れることなんてできない……」
羽音の心の中で、一つの新しい感情が芽吹いていた。
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