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第八章 天使になった悪魔
天使になった悪魔④
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瑞稀はずぶ濡れのまま、羽音を抱いて湖のすぐ傍にある教会へと向かう。
教会に入ってすぐに棟が建っており、その棟の二階には個室があった。そこは以前、教会の管理者が寝泊まりしていた部屋として使われていたようだ。今はその管理者はおらず、誰もこの部屋を使う者はいない。一晩過ごすには、十分過ぎる家具も揃っていた。
「とりあえず、ここで温まりましょう。こんなずぶ濡れでは、学園まで辿り着けないから」
「は、はい」
瑞稀は棚からマッチを取り出し、蝋燭に火を灯した。火が灯ると同時に、淡く室内が照らし出された。
生活感の残る家具の配置。そして部屋の片隅には、ベッドがポツンと設置されていた。
それを見た羽音は頬を赤らめて俯いた。少しずつ心臓の鼓動が速まっていくのを感じた。ここに寝泊まりしていた管理者が使っていたベッドだということはわかっているが、気恥ずかしくて仕方ない。
そんなことは気にせず、瑞稀は手際よく暖炉に木をくべて、火を付けている。フワッと温かい空気が狭い室内を包み込み、その温もりに羽音はホッと息をついた。暖炉にくべられた薪が燃える音が心地いい。
ブルッと羽音が身震いするのを見た瑞稀が、羽音のコートにそっと手を掛けた。
「これ、って言うか、洋服を全部脱いでください」
「え?」
「え? じゃなくて、このままじゃ風邪引くでしょう? 暖炉の火で乾かしましょう」
「でも……でも全部脱いだら……」
「裸……ですね」
羽音の体が一瞬にして強張り、強い戸惑いを感じてしまう。
「だって、こんなびしょ濡れの洋服を着ていたら、寒いでしょ?」
瑞稀が悪戯っぽく囁きながら、羽音に近付いてきた。
「大丈夫。奏はもうここにはいません」
「んッ……」
そっと耳打ちされれば、羽音の体がピクンと跳ねた。
「それとも、期待……してたりして?」
羽音が恐る恐る顔を上げれば、優しい顔で微笑む瑞稀がいた。
「俺は……少しだけ……すみません、めちゃくちゃ期待してます」
「瑞稀……」
瑞稀に、痛いくらいギュッと抱き締められたから、羽音は思わず目を見開く。触れ合う胸からは、まるで雷のような 瑞稀の拍動が伝わってきた。
「わかるでしょ? こんなに心臓がドキドキしている」
「瑞稀、僕……」
「羽音は、俺の事が好き?」
「うん……僕は瑞稀が好き……」
羽音は瑞稀にギュッとしがみついた。
「僕は、君が戒めの白百合だからじゃなくて……君だから、好きなんです」
必死に言葉を紡ぐ羽音を、瑞稀はそっと抱き締めてくれる。優しく、雫が垂れる髪を搔き上げてくれた。
「貴方を抱きます。いいですよね? 羽音……」
「……うん。抱いて……」
瑞稀がそっと羽音の洋服を脱がせれば、重たい音をたてて床へと落ちる。全て脱がされてしまえば、羽音を隠すものはもう、何もなかった。
「綺麗です。羽音」
「僕は、綺麗なんかじゃ……」
「いいえ。貴方は綺麗です。例え、インキュバスだとしても……」
「瑞稀……」
「貴方が何者かなんて、関係ないです。羽音はいつも綺麗だから……」
フワリと微笑む瑞稀が愛おしくて、再び羽音の瞳からボロボロと涙が溢れ出す。
「大好きです」
瑞稀は自らの洋服も脱ぎ捨て、そっとベッドに羽音を押し倒した。
「体が冷え切っている」
「んん……あっ……」
瑞稀が、羽音の体に手を這わせる。その刺激に、羽音はピクンと体を震わせる。
「俺が、温めてあげます」
優しく口付けられれば、羽音はそれだけで気持ち良くて……蕩けてしまいそうになる。
夢中で瑞稀の首にしがみついて、唇が離れそうになれば、更にその腕に力を込めた。
「俺とのキス、好きですか?」
「うん。好き……好き……」
羽音は、瑞稀が自分の全てを受け入れてくれたことが、嬉しくて仕方ない。
この人になら、自分の全てを捧げたい……。そう素直に思えた。
瑞稀に抱かれて蕩け切って……ドロドロになってしまいたい。羽音は、瑞稀に溺れてしまっていた。
自分の膨らみのない胸をまさぐる手も、食べられてしまうのでないか、というくらい激しく口付けてくる唇も、気持ち良くて仕方ない。自分からも瑞稀の唇を吸い、舌を絡める。
「あ、ふぁ……瑞稀……気持ちぃ……」
「ふふっ。今日はやけに積極的ですね。可愛い」
「んぁ、あ、あ、はぁ……」
羽音はぼんやりする頭の中で、瑞稀の体から、甘ったるい花の香りを感じた。
「もう聖水の効果が……」
あの薬の効果が切れてしまえば、インキュバスである羽音が、白百合の香りに飲み込まれてしまう。そしたら、心だけでなく、体までもが瑞稀を求めてしまうことだろう。そんなインキュバスみたいな姿を、羽音は見られたくなかった。
教会に入ってすぐに棟が建っており、その棟の二階には個室があった。そこは以前、教会の管理者が寝泊まりしていた部屋として使われていたようだ。今はその管理者はおらず、誰もこの部屋を使う者はいない。一晩過ごすには、十分過ぎる家具も揃っていた。
「とりあえず、ここで温まりましょう。こんなずぶ濡れでは、学園まで辿り着けないから」
「は、はい」
瑞稀は棚からマッチを取り出し、蝋燭に火を灯した。火が灯ると同時に、淡く室内が照らし出された。
生活感の残る家具の配置。そして部屋の片隅には、ベッドがポツンと設置されていた。
それを見た羽音は頬を赤らめて俯いた。少しずつ心臓の鼓動が速まっていくのを感じた。ここに寝泊まりしていた管理者が使っていたベッドだということはわかっているが、気恥ずかしくて仕方ない。
そんなことは気にせず、瑞稀は手際よく暖炉に木をくべて、火を付けている。フワッと温かい空気が狭い室内を包み込み、その温もりに羽音はホッと息をついた。暖炉にくべられた薪が燃える音が心地いい。
ブルッと羽音が身震いするのを見た瑞稀が、羽音のコートにそっと手を掛けた。
「これ、って言うか、洋服を全部脱いでください」
「え?」
「え? じゃなくて、このままじゃ風邪引くでしょう? 暖炉の火で乾かしましょう」
「でも……でも全部脱いだら……」
「裸……ですね」
羽音の体が一瞬にして強張り、強い戸惑いを感じてしまう。
「だって、こんなびしょ濡れの洋服を着ていたら、寒いでしょ?」
瑞稀が悪戯っぽく囁きながら、羽音に近付いてきた。
「大丈夫。奏はもうここにはいません」
「んッ……」
そっと耳打ちされれば、羽音の体がピクンと跳ねた。
「それとも、期待……してたりして?」
羽音が恐る恐る顔を上げれば、優しい顔で微笑む瑞稀がいた。
「俺は……少しだけ……すみません、めちゃくちゃ期待してます」
「瑞稀……」
瑞稀に、痛いくらいギュッと抱き締められたから、羽音は思わず目を見開く。触れ合う胸からは、まるで雷のような 瑞稀の拍動が伝わってきた。
「わかるでしょ? こんなに心臓がドキドキしている」
「瑞稀、僕……」
「羽音は、俺の事が好き?」
「うん……僕は瑞稀が好き……」
羽音は瑞稀にギュッとしがみついた。
「僕は、君が戒めの白百合だからじゃなくて……君だから、好きなんです」
必死に言葉を紡ぐ羽音を、瑞稀はそっと抱き締めてくれる。優しく、雫が垂れる髪を搔き上げてくれた。
「貴方を抱きます。いいですよね? 羽音……」
「……うん。抱いて……」
瑞稀がそっと羽音の洋服を脱がせれば、重たい音をたてて床へと落ちる。全て脱がされてしまえば、羽音を隠すものはもう、何もなかった。
「綺麗です。羽音」
「僕は、綺麗なんかじゃ……」
「いいえ。貴方は綺麗です。例え、インキュバスだとしても……」
「瑞稀……」
「貴方が何者かなんて、関係ないです。羽音はいつも綺麗だから……」
フワリと微笑む瑞稀が愛おしくて、再び羽音の瞳からボロボロと涙が溢れ出す。
「大好きです」
瑞稀は自らの洋服も脱ぎ捨て、そっとベッドに羽音を押し倒した。
「体が冷え切っている」
「んん……あっ……」
瑞稀が、羽音の体に手を這わせる。その刺激に、羽音はピクンと体を震わせる。
「俺が、温めてあげます」
優しく口付けられれば、羽音はそれだけで気持ち良くて……蕩けてしまいそうになる。
夢中で瑞稀の首にしがみついて、唇が離れそうになれば、更にその腕に力を込めた。
「俺とのキス、好きですか?」
「うん。好き……好き……」
羽音は、瑞稀が自分の全てを受け入れてくれたことが、嬉しくて仕方ない。
この人になら、自分の全てを捧げたい……。そう素直に思えた。
瑞稀に抱かれて蕩け切って……ドロドロになってしまいたい。羽音は、瑞稀に溺れてしまっていた。
自分の膨らみのない胸をまさぐる手も、食べられてしまうのでないか、というくらい激しく口付けてくる唇も、気持ち良くて仕方ない。自分からも瑞稀の唇を吸い、舌を絡める。
「あ、ふぁ……瑞稀……気持ちぃ……」
「ふふっ。今日はやけに積極的ですね。可愛い」
「んぁ、あ、あ、はぁ……」
羽音はぼんやりする頭の中で、瑞稀の体から、甘ったるい花の香りを感じた。
「もう聖水の効果が……」
あの薬の効果が切れてしまえば、インキュバスである羽音が、白百合の香りに飲み込まれてしまう。そしたら、心だけでなく、体までもが瑞稀を求めてしまうことだろう。そんなインキュバスみたいな姿を、羽音は見られたくなかった。
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