38 / 61
第八章 天使になった悪魔
天使になった悪魔⑤
しおりを挟む
「聖水を……」
羽音が体を起こそうとすると、すぐに瑞稀に捕まってしまい、再びベッドへと連れ戻されてしまった。
「聖水ってなんですか?」
瑞稀が不思議そうに首を傾げる。
「……えっと………」
「教えてください」
引き下がりそうもない瑞稀に、羽音は溜息をついた。
「……瑞稀に会うと体に不調をきたすと相談したら、ミセス・サラがくれたんです。今思えば……戒めの白百合が、インキュバスに与える影響を無効化するものなんだと思います」
「……なるほど……」
「だから、聖水を飲まないと……」
「飲まないと?」
瑞稀が悪戯っ子のように目を輝かせながら、羽音の顔を覗き込んだ。
「飲まないと、どうなるんですか?」
なんて意地悪なんだろう……と羽音は思う。
本当はわかってるくせに、こんなことを聞くなんて……。でも、言ってあげたいと思う羽音もいる。
自分の口から紡いだ言葉で、瑞稀を誘惑してみたい。快楽の世界へ突き落してしまいたい。結局、羽音はインキュバスなのかもしれない。
「聖水を飲まないと、瑞稀が欲しくて仕方なくなる……」
大きな瞳を潤ませて、瑞稀の瞳を覗き込む。首にそっと腕を回して、その体を抱き寄せた。
「抱いて欲しくて、めちゃくちゃにして欲しくて……狂いそうになる。インキュバスの本能が、覚醒していくのを感じるんです」
ペロッといやらしく瑞稀の唇を舐めた。それに、瑞稀がピクンと反応する。それから、優しく羽音の頬を撫でてくれた。
「なら、そんなもの飲まないでください。俺は見たい。本当の貴方の姿を。ねぇ、見せて?」
「むぅ……あ、あん……はぁ……」
繰り返される深い深い口付けに、羽音はどんどん追い詰められてしまう。ただ夢中で、瑞稀のキスを受け止めた。
ベッドに組み敷かれた羽音は、どんどん濃くなっていく白百合の香りを、思いきり吸い込んだ。
「いい匂い……」
羽音はうっとりと目を細める。もう、『戒めの白百合』に飲み込まれて、羽音の残された理性も脆い硝子のように砕け散ってしまった。
「瑞稀、瑞稀……お願い……中には出さないで……」
「え?」
「体内に精液を吸収してしまうと……インキュバスに戻っちゃう……だから、中には出さないで……」
「インキュバスに?」
その言葉に、羽音がピクンと反応する。もしかして、あまりにも淫乱な自分を見て、ガッカリしてしまったのだろうか……。強い強い不安が羽音を襲った。
「瑞稀は……こんな淫らな子は嫌いですか?」
「……いいえ。大好きです」
その言葉に、羽音の心は満たされる。
「だから、もっと羽音を可愛がってもいいですか?」
「うん……」
目の前にある瑞稀の手を掴めば、ギュッと握り返してくれた。
「もっと、ねぇ、もっと……瑞稀、瑞稀……」
「あんまり煽らないでください。羽音を壊してしまうかもしれません」
「いいよ、それでも……」
白百合の、甘ったるい香りが小部屋に充満し、羽音はむせ返りそうなった。
「羽音、気持ちいいです。好きな人と抱き合うって、こんなに気持ちいいんですね。羽音……可愛い……可愛い。んん、ん……はぁ……」
「瑞稀、お願い……抱き締めて」
羽音は必死に瑞稀に向かって両手を広げる。
「羽音……」
「抱き締めてほしい……」
瑞稀が泣きそうな顔で微笑んだ。
「わかりました。おいで、羽音」
瑞稀は羽音をギュッと抱き締めてくれて……そのまま二人は、結ばれた。
瑞稀の甘い口付けを感じながら、激しく体を揺さぶられる。そのまま羽音は意識を手放した。
窓の外には、白い蝶々がヒラヒラと舞い落ちる、静かな静かな夜……。二人は、身も心も結ばれたのだった。
羽音が体を起こそうとすると、すぐに瑞稀に捕まってしまい、再びベッドへと連れ戻されてしまった。
「聖水ってなんですか?」
瑞稀が不思議そうに首を傾げる。
「……えっと………」
「教えてください」
引き下がりそうもない瑞稀に、羽音は溜息をついた。
「……瑞稀に会うと体に不調をきたすと相談したら、ミセス・サラがくれたんです。今思えば……戒めの白百合が、インキュバスに与える影響を無効化するものなんだと思います」
「……なるほど……」
「だから、聖水を飲まないと……」
「飲まないと?」
瑞稀が悪戯っ子のように目を輝かせながら、羽音の顔を覗き込んだ。
「飲まないと、どうなるんですか?」
なんて意地悪なんだろう……と羽音は思う。
本当はわかってるくせに、こんなことを聞くなんて……。でも、言ってあげたいと思う羽音もいる。
自分の口から紡いだ言葉で、瑞稀を誘惑してみたい。快楽の世界へ突き落してしまいたい。結局、羽音はインキュバスなのかもしれない。
「聖水を飲まないと、瑞稀が欲しくて仕方なくなる……」
大きな瞳を潤ませて、瑞稀の瞳を覗き込む。首にそっと腕を回して、その体を抱き寄せた。
「抱いて欲しくて、めちゃくちゃにして欲しくて……狂いそうになる。インキュバスの本能が、覚醒していくのを感じるんです」
ペロッといやらしく瑞稀の唇を舐めた。それに、瑞稀がピクンと反応する。それから、優しく羽音の頬を撫でてくれた。
「なら、そんなもの飲まないでください。俺は見たい。本当の貴方の姿を。ねぇ、見せて?」
「むぅ……あ、あん……はぁ……」
繰り返される深い深い口付けに、羽音はどんどん追い詰められてしまう。ただ夢中で、瑞稀のキスを受け止めた。
ベッドに組み敷かれた羽音は、どんどん濃くなっていく白百合の香りを、思いきり吸い込んだ。
「いい匂い……」
羽音はうっとりと目を細める。もう、『戒めの白百合』に飲み込まれて、羽音の残された理性も脆い硝子のように砕け散ってしまった。
「瑞稀、瑞稀……お願い……中には出さないで……」
「え?」
「体内に精液を吸収してしまうと……インキュバスに戻っちゃう……だから、中には出さないで……」
「インキュバスに?」
その言葉に、羽音がピクンと反応する。もしかして、あまりにも淫乱な自分を見て、ガッカリしてしまったのだろうか……。強い強い不安が羽音を襲った。
「瑞稀は……こんな淫らな子は嫌いですか?」
「……いいえ。大好きです」
その言葉に、羽音の心は満たされる。
「だから、もっと羽音を可愛がってもいいですか?」
「うん……」
目の前にある瑞稀の手を掴めば、ギュッと握り返してくれた。
「もっと、ねぇ、もっと……瑞稀、瑞稀……」
「あんまり煽らないでください。羽音を壊してしまうかもしれません」
「いいよ、それでも……」
白百合の、甘ったるい香りが小部屋に充満し、羽音はむせ返りそうなった。
「羽音、気持ちいいです。好きな人と抱き合うって、こんなに気持ちいいんですね。羽音……可愛い……可愛い。んん、ん……はぁ……」
「瑞稀、お願い……抱き締めて」
羽音は必死に瑞稀に向かって両手を広げる。
「羽音……」
「抱き締めてほしい……」
瑞稀が泣きそうな顔で微笑んだ。
「わかりました。おいで、羽音」
瑞稀は羽音をギュッと抱き締めてくれて……そのまま二人は、結ばれた。
瑞稀の甘い口付けを感じながら、激しく体を揺さぶられる。そのまま羽音は意識を手放した。
窓の外には、白い蝶々がヒラヒラと舞い落ちる、静かな静かな夜……。二人は、身も心も結ばれたのだった。
3
あなたにおすすめの小説
美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜
レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」
魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。
彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
転移先で辺境伯の跡継ぎとなる予定の第四王子様に愛される
Hazuki
BL
五歳で父親が無くなり、七歳の時新しい父親が出来た。
中1の雨の日熱を出した。
義父は大工なので雨の日はほぼ休み、パートに行く母の代わりに俺の看病をしてくれた。
それだけなら良かったのだが、義父は俺を犯した、何日も。
晴れた日にやっと解放された俺は散歩に出掛けた。
連日の性交で身体は疲れていたようで道を渡っているときにふらつき、車に轢かれて、、、。
目覚めたら豪華な部屋!?
異世界転移して森に倒れていた俺を助けてくれた次期辺境伯の第四王子に愛される、そんな話、にする予定。
⚠️最初から義父に犯されます。
嫌な方はお戻りくださいませ。
久しぶりに書きました。
続きはぼちぼち書いていきます。
不定期更新で、すみません。
異世界転移してΩになった俺(アラフォーリーマン)、庇護欲高めα騎士に身も心も溶かされる
ヨドミ
BL
もし生まれ変わったら、俺は思う存分甘やかされたい――。
アラフォーリーマン(社畜)である福沢裕介は、通勤途中、事故により異世界へ転移してしまう。
異世界ローリア王国皇太子の花嫁として召喚されたが、転移して早々、【災厄のΩ】と告げられ殺されそうになる。
【災厄のΩ】、それは複数のαを番にすることができるΩのことだった――。
αがハーレムを築くのが常識とされる異世界では、【災厄のΩ】は忌むべき存在。
負の烙印を押された裕介は、間一髪、銀髪のα騎士ジェイドに助けられ、彼の庇護のもと、騎士団施設で居候することに。
「αがΩを守るのは当然だ」とジェイドは裕介の世話を焼くようになって――。
庇護欲高め騎士(α)と甘やかされたいけどプライドが邪魔をして素直になれない中年リーマン(Ω)のすれ違いラブファンタジー。
※Rシーンには♡マークをつけます。
入社1ヶ月のワンコ系男子が、知らずのうちに射止めたのはイケメン社長!?
monteri
BL
CM制作会社の新入社員、藤白純太は入社1ヶ月で教育係の先輩が過労で倒れたため、特別なクライアントの担当を引き継ぐことになる。
そのクライアントは、女子禁制ミーハー厳禁の芸能事務所だった。
主人公の無知で純なところに、翻弄されたり、骨抜きにされるイケメン社長と、何も知らない純太がドキドキするお話です。
※今回の表紙はAI生成です
※小説家になろうにも公開してます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる