俺のかわいい婚約者さま リメイク版

ハリネズミ

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もう少しだけ待っていて

待っていて 番外編1 僕の恰好いい番さま(1) R-18少しだけ

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二次性判定すり替え事件から6年が過ぎようとしていた。
あれから大きな事件もなくかけるは大学生になり19歳に、彼方は38歳になった今も変わらず商社に勤めていた。



*****
僕はΩにしてはもともとそんなに性欲が強い方ではないけれど、定期的に訪れる発情期ヒートは違った。ヒート中は自分でもどうする事もできない熱が全身を支配して、成熟した自分の身体を持て余していた。
身体がαを――翔を求めて仕方がないのだ。

僕たちは未だ清いままだ。

6年前、まだ中学生だった翔と覚悟して番になろうとした事があった。禁じていた交わりだったけど、場合が場合だったし翔の気持ちが痛いほど分かったから、僕は何を犠牲にしても翔の願いを叶えたいと思った。

――ううん。単純に翔の事が欲しかったんだ。
だけど翔はまだ幼くて、初めての事に緊張したのか猛った中心を僕に擦り付けただけでイってしまった。当時僕は32歳で、翔とのキスで昂められた身体は続きを求めたけど、粗相に驚きこの世の終わりみたいな顔をする翔に「続けて」なんて言えなかった。淫らに誘ったりなんかできなかった。
自分がひどくイヤラシイ存在だと知られる事が怖かったんだ。
綺麗な翔。穢れを知らない翔。キラキラの瞳で僕を見つめる翔。
僕はこんなに――。
激しく上下する筒状の手と後ろをかき混ぜる指と、――昇りつめていく。

「う……はぁ……あっあっ……か、け……るぅ……んんんんんんん――っ!!」

自身の中心から吐き出される白濁と後ろからこぽりと溢れる蜜。

こんな姿――嫌いにならないで……?

ヒートがくる度僕はこの隔離部屋でひとり、自分を慰めてきた。
僕の家は華道の家元で不特定多数の人間が出入りする。当然αだっているわけで。だから僕には隔離部屋が必要だった。無機質な壁と必要最低限の物だけが置かれた部屋。浅ましく淫らな僕にはお似合いだ――。
身体中色々なものでべとべとにさせながら「はぁはぁ」と熱い吐息だけを響かせる中、そっと瞳を閉じた。

――こうして今回のヒートも終わりを告げた。



*****
今日は、大学生になってますます忙しそうにしている翔との久しぶりのデート。
子どもっぽさも段々なくなって、どんどん格好よくなっていく翔。
いつの間にか僕を追い越していた身長。
時々見え隠れする大人の色香に僕のドキドキは止まらない。

「ねぇ、翔。今度の土曜日もたしか授業もバイトもなかったよね?たまには映画でも観ない?翔の好きな――」

「あーえっと、ごめん。無理っぽい」

「あ、じゃあ……その次――」

「ごめん。しばらく会えそうにないんだ」

スケージュールを確認する事もなくそう答える。

「そっか。大学生だし色々と忙しいよね」

「う、ん。ごめんな」

申し訳なさそうに両手を前で合わせる翔の顔が隠し事をしている時の顔で、言わなきゃよかったって思った。
言わなければ気づかなかったし、黙って待っていれば良かったんだ。
翔はメッセージや通話で連絡はちゃんとくれるわけだし――。
それで満足していれば――。

僕は無理矢理笑顔を作った。
翔は安心したようにほっと息を吐く。

今のは何に対しての「ほっ」?
今日は久しぶりのデートでずっと楽しみにしていた。
だけど会って早々用事ができたって言うんだ。
だから切り出した次のデートの誘いだったんだ。

「本当今日ごめんな。俺そろそろ行かなくちゃ……」

「うん、分かった。あまり無理しないでね」

もうすぐ翔の20歳の誕生日だ。大事な区切りを迎える日。
でも――その日も会えないかも……しれないね――。

走って行く翔の後ろ姿を見つめぼんやりとそう思った。

ねぇ翔、知ってた?僕ってこの歳になってもモテるんだよ?
同じ職場の人に番になって欲しいって言われたんだ。
ねぇ、いいの?僕が他の人のモノになってもいいの……?

いくら待ってみても翔からの返事なんかないのに、翔の声ではっきりと否定して欲しかったんだ。

ひとり佇む道端で、ぽろりと涙が零れた。
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