15 / 19
愛は突然の雨のように。
エピソード ☆4☆
しおりを挟む
俺が正月のところに世話になって二週間が過ぎた。
俺の右腕もわずかばかりの痛みを残し殆ど治っていた。
早い回復だ。若さのおかげか、はたまたここ最近の栄養状態と規則正しい生活のおかげか……。
俺は気になっている事があった。
正月は俺の世話を本当にかいがいしくやいてくれた。
おはようからおやすみまで。
お昼用に弁当を持たせてくれたり車で送り迎えをしてくれたり。
食事は相変わらず「あーん」だ。本当は最初から自分で食べる事ができた。
お風呂だって左手でなんとでもなった。
だけど俺はその事実を告げない。そして正月のその瞳の奥を探るように見つめるのだ。
正月はきちんと仕事もしている。その上俺の世話まで加わって、正月が仕事で遅い時には俺のお迎えのためだけに途中で仕事を抜けてくれたりもした。
明らかに疲弊していて。
流石にこれは申し訳ない。
「送り迎えは明日から……いい」
夕食の時そう切り出せば正月は少し目を見開いて、次に心配そうな顔を俺に向けた。
「ん? どうした? 学校で何か言われた?」
「…………」
今じゃ自分のほうがボロボロだというのに、俺の心配ばかりする。
どうしてこの正月一という男はこんなにも親切で、こんなにも優しくて、こんなにもこんなにも……俺を大切にしてくれるんだ……。
俺の心配をよそに「車内で歌でも歌って応援してくれ」という正月のふざけた台詞でうやむやにされた。
正月さん、こんな俺の事でも愛してくれる?
俺の右腕もわずかばかりの痛みを残し殆ど治っていた。
早い回復だ。若さのおかげか、はたまたここ最近の栄養状態と規則正しい生活のおかげか……。
俺は気になっている事があった。
正月は俺の世話を本当にかいがいしくやいてくれた。
おはようからおやすみまで。
お昼用に弁当を持たせてくれたり車で送り迎えをしてくれたり。
食事は相変わらず「あーん」だ。本当は最初から自分で食べる事ができた。
お風呂だって左手でなんとでもなった。
だけど俺はその事実を告げない。そして正月のその瞳の奥を探るように見つめるのだ。
正月はきちんと仕事もしている。その上俺の世話まで加わって、正月が仕事で遅い時には俺のお迎えのためだけに途中で仕事を抜けてくれたりもした。
明らかに疲弊していて。
流石にこれは申し訳ない。
「送り迎えは明日から……いい」
夕食の時そう切り出せば正月は少し目を見開いて、次に心配そうな顔を俺に向けた。
「ん? どうした? 学校で何か言われた?」
「…………」
今じゃ自分のほうがボロボロだというのに、俺の心配ばかりする。
どうしてこの正月一という男はこんなにも親切で、こんなにも優しくて、こんなにもこんなにも……俺を大切にしてくれるんだ……。
俺の心配をよそに「車内で歌でも歌って応援してくれ」という正月のふざけた台詞でうやむやにされた。
正月さん、こんな俺の事でも愛してくれる?
0
あなたにおすすめの小説
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
アルファの双子王子に溺愛されて、蕩けるオメガの僕
めがねあざらし
BL
王太子アルセインの婚約者であるΩ・セイルは、
その弟であるシリオンとも関係を持っている──自称“ビッチ”だ。
「どちらも選べない」そう思っている彼は、まだ知らない。
最初から、選ばされてなどいなかったことを。
αの本能で、一人のΩを愛し、支配し、共有しながら、
彼を、甘く蕩けさせる双子の王子たち。
「愛してるよ」
「君は、僕たちのもの」
※書きたいところを書いただけの短編です(^O^)
僕がそばにいる理由
腐男子ミルク
BL
佐藤裕貴はΩとして生まれた21歳の男性。αの夫と結婚し、表向きは穏やかな夫婦生活を送っているが、その実態は不完全なものだった。夫は裕貴を愛していると口にしながらも、家事や家庭の負担はすべて裕貴に押し付け、自分は何もしない。それでいて、裕貴が他の誰かと関わることには異常なほど敏感で束縛が激しい。性的な関係もないまま、裕貴は愛情とは何か、本当に満たされるとはどういうことかを見失いつつあった。
そんな中、裕貴の職場に新人看護師・宮野歩夢が配属される。歩夢は裕貴がΩであることを本能的に察しながらも、その事実を意に介さず、ただ一人の人間として接してくれるαだった。歩夢の純粋な優しさと、裕貴をありのまま受け入れる態度に触れた裕貴は、心の奥底にしまい込んでいた孤独と向き合わざるを得なくなる。歩夢と過ごす時間を重ねるうちに、彼の存在が裕貴にとって特別なものとなっていくのを感じていた。
しかし、裕貴は既婚者であり、夫との関係や社会的な立場に縛られている。愛情、義務、そしてΩとしての本能――複雑に絡み合う感情の中で、裕貴は自分にとって「真実の幸せ」とは何なのか、そしてその幸せを追い求める覚悟があるのかを問い始める。
束縛の中で見失っていた自分を取り戻し、裕貴が選び取る未来とは――。
愛と本能、自由と束縛が交錯するオメガバースの物語。
アプリで都合のいい男になろうとした結果、彼氏がバグりました
あと
BL
「目指せ!都合のいい男!」
穏やか完璧モテ男(理性で執着を押さえつけてる)×親しみやすい人たらし可愛い系イケメン
攻めの両親からの別れろと圧力をかけられた受け。関係は秘密なので、友達に相談もできない。悩んでいる中、どうしても別れたくないため、愛人として、「都合のいい男」になることを決意。人生相談アプリを手に入れ、努力することにする。しかし、攻めに約束を破ったと言われ……?
攻め:深海霧矢
受け:清水奏
前にアンケート取ったら、すれ違い・勘違いものが1位だったのでそれ系です。
ハピエンです。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
自己判断で消しますので、悪しからず。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる