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2-3「そんなこと言ってー。お兄ちゃん、照れてるんだよねっ! 妹のあたしにはわかるよーっ!!」
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「あ、お兄ちゃん」
大学からの帰り道、妹が通っている高校の前を通りかかったところで、横から声を掛けられた。
声がした方を見る。校門の奥に久瑠葉が立っていた。
おれと目が合うと、久瑠葉は満面の笑みを浮かべて、こちらに向かって二、三度大きく右手を振った。
それから、小走りでおれの方に駆け寄ってくる。耳の上で束ねた二本の長い黒尻尾がぴょこぴょこと揺れる。(ささやか過ぎる胸は揺れない)
「お兄ちゃん、今帰り?」
「ああ」
「あたしも今から変えるとこなんだ。丁度いいタイミングだね」
「そうだな」
「こんなタイミングで出くわすなんて、運命感じ……」
「それはもういい」
「酷いっ!」
「酷いのはお前の言おうとしたセリフだ」
デジャヴを感じるやり取りを終え、一息つく。
「それより、お兄ちゃん……またあたしを迎えに来てくれたの?」
「たまたま通りかかっただけだ」
「そんなこと言ってー。お兄ちゃん、照れてるんだよねっ! 妹のあたしにはわかるよーっ!!」
ニヤニヤしながら、そんなことを言う久瑠葉。
言い返すのも面倒で、おれはため息をつく。
そんなおれの様子を見ても、久瑠葉は気にすることなく、そのままのテンションで言葉を続けた。
「お兄ちゃん、今日の晩ご飯何がいい? これから買い物行くから、リクエストがあれば今のうちに……」
「別になんでもいいぞ。お前の料理はどれも絶品だからな」
「えへへー」
料理を褒められて、久瑠葉の表情が緩む。
「買い物なら、おれも付き合うぞ」
「えっ、一緒にイってくれるの?」
微妙にいかがわしい言い方をする久瑠葉。
「やっぱやめる」
おれは真顔でそう告げ、久瑠葉を置いて歩き出す。
「うわぁぁん! ごめん、冗談だよーっ!」
久瑠葉がおれを引き留めようと腕に抱き着いてきた。
ちらりと視線をやると、薄っすらと涙を浮かべて見上げてくる瞳が目に入った。
「……ごめんね」
微かな声で囁かれたその言葉。
まったく……これがあるから女の子はずるい。
「はぁ……わかったよ。おれも一緒に行くから」
「ありがと、お兄ちゃん」
久瑠葉はぱあっと笑顔になり、さらに俺の腕に密着してきた。
「……外でベタベタするなって言ってるだろ」
おれは久瑠葉を引きはがす。
「はは~ん……さてはお兄ちゃん、妹におっぱい当てられて勃起しちゃいそうなんでしょ?」
「当たってるのはまな板だろ……そういうセリフはおっぱいがおっぱいたる大きさになってから言うんだなっ」
「ひどいっ!」
……と、これまでに何度やったかわからないような下らないやり取りをしつつスーパーへと向かった。
大学からの帰り道、妹が通っている高校の前を通りかかったところで、横から声を掛けられた。
声がした方を見る。校門の奥に久瑠葉が立っていた。
おれと目が合うと、久瑠葉は満面の笑みを浮かべて、こちらに向かって二、三度大きく右手を振った。
それから、小走りでおれの方に駆け寄ってくる。耳の上で束ねた二本の長い黒尻尾がぴょこぴょこと揺れる。(ささやか過ぎる胸は揺れない)
「お兄ちゃん、今帰り?」
「ああ」
「あたしも今から変えるとこなんだ。丁度いいタイミングだね」
「そうだな」
「こんなタイミングで出くわすなんて、運命感じ……」
「それはもういい」
「酷いっ!」
「酷いのはお前の言おうとしたセリフだ」
デジャヴを感じるやり取りを終え、一息つく。
「それより、お兄ちゃん……またあたしを迎えに来てくれたの?」
「たまたま通りかかっただけだ」
「そんなこと言ってー。お兄ちゃん、照れてるんだよねっ! 妹のあたしにはわかるよーっ!!」
ニヤニヤしながら、そんなことを言う久瑠葉。
言い返すのも面倒で、おれはため息をつく。
そんなおれの様子を見ても、久瑠葉は気にすることなく、そのままのテンションで言葉を続けた。
「お兄ちゃん、今日の晩ご飯何がいい? これから買い物行くから、リクエストがあれば今のうちに……」
「別になんでもいいぞ。お前の料理はどれも絶品だからな」
「えへへー」
料理を褒められて、久瑠葉の表情が緩む。
「買い物なら、おれも付き合うぞ」
「えっ、一緒にイってくれるの?」
微妙にいかがわしい言い方をする久瑠葉。
「やっぱやめる」
おれは真顔でそう告げ、久瑠葉を置いて歩き出す。
「うわぁぁん! ごめん、冗談だよーっ!」
久瑠葉がおれを引き留めようと腕に抱き着いてきた。
ちらりと視線をやると、薄っすらと涙を浮かべて見上げてくる瞳が目に入った。
「……ごめんね」
微かな声で囁かれたその言葉。
まったく……これがあるから女の子はずるい。
「はぁ……わかったよ。おれも一緒に行くから」
「ありがと、お兄ちゃん」
久瑠葉はぱあっと笑顔になり、さらに俺の腕に密着してきた。
「……外でベタベタするなって言ってるだろ」
おれは久瑠葉を引きはがす。
「はは~ん……さてはお兄ちゃん、妹におっぱい当てられて勃起しちゃいそうなんでしょ?」
「当たってるのはまな板だろ……そういうセリフはおっぱいがおっぱいたる大きさになってから言うんだなっ」
「ひどいっ!」
……と、これまでに何度やったかわからないような下らないやり取りをしつつスーパーへと向かった。
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