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ユキと僕らの、家族日和
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ユキと僕らの、家族日和
おれ、コウジ。39歳の会社員。
街で、同じ高校・同じ水泳部だったレナと再会した。
当時、彼女はマドンナ的な存在。でも今は少しぽっちゃりしていて──それでも可愛さは変わっていなかった。
それがきっかけで、レナと週に一度ウォーキングを始めた。やがて一緒にプールにも通うようになり、自然と距離が縮まっていった。
そして俺たちは結婚し、レナは女の子を出産した。そして今、新しい命を宿している。
周りの人たちに支えられながらの妊活。待望の第二子の報告に、俺たちは歓喜した。
第二子というだけあって、体調には少し慣れた様子のレナ。でも、娘のユキの世話をしながらの妊娠はやっぱり大変だった。
ユキは保育園に通ってはいるものの、それでも手はかかる。そこで、お義母さんに手伝ってもらうことになった。
性別は男の子だとわかり、ユキも「弟ができる」と大喜び。
日に日に大きくなるお腹に、ユキは小さな手を当てて胎動を感じていた。その喜びは保育園にも伝わって、先生も友達もみんなが応援してくれた。
お義母さんがいてくれたことで、ユキの行動も安定した。話し相手もでき、時には遊んでもらえる。その支えは本当に大きかった。
レナの妊娠も順調に進み、そして出産当日──
俺は仕事帰りに産婦人科へ向かった。
椅子に腰掛け、手を合わせて祈っていると、隣にはお義母さん。優しい目でユキを見守っていた。
「パパ、おかえり。ママから赤ちゃん、生まれるんだよ」
ユキの顔には、嬉しさがにじんでいた。
「コウジくん、そろそろ生まれるから、私、帰るわね」
「お義母さん、今回は本当にお世話になりました。ぜひ残って……」
「だめよ。私はレナとユキの世話をしたの。これからは赤ちゃんの番。いい男に育てるんだから」
「おばあちゃん、帰っちゃうの?」
「ユキ、もうお姉ちゃんなんだから、しっかりね。パパをよろしくね」
「うん、私、頑張るね」
芯のあるお義母さんの言葉。その気持ちが、きっとユキにも受け継がれている。そう思うと嬉しくなった。
お義母さんが帰ったその直後──赤ちゃんの産声が響いた。
初めて見る弟に、ユキは興味津々。
そして、出産を終えたレナのもとへ。
「ママ、すごいね。赤ちゃん、生まれたよ」
「そうだよ。頑張ったよ、お姉ちゃん」
「ママ、お疲れさま。今日はゆっくり休んでね。明日、おばあちゃんが来るって」
「わかった、ありがとう。無事に生まれて本当に良かった」
レナの手を、俺とユキがギュッと握った。
「ママ、また明日ね」
ユキは手を振って病院をあとにした。
「明日、パパとおばあちゃんと一緒にママに会いに行こうね。赤ちゃんには優しくしてあげよう」
「うん、わかった」
「今日はパパと一緒に寝ようか」
「うん、寝よう。パパの腕枕で寝るの、気持ちいいんだって。ママが言ってた」
……レナ、なにを教えてるんだよ。でも、悪くないな。
「じゃあ、お風呂入って、早く寝よう」
「うん!」
ユキのときとは、少し違う景色。
だけど──新しい家族と、また一歩、幸せな毎日が始まる。そう思えた。
おれ、コウジ。39歳の会社員。
街で、同じ高校・同じ水泳部だったレナと再会した。
当時、彼女はマドンナ的な存在。でも今は少しぽっちゃりしていて──それでも可愛さは変わっていなかった。
それがきっかけで、レナと週に一度ウォーキングを始めた。やがて一緒にプールにも通うようになり、自然と距離が縮まっていった。
そして俺たちは結婚し、レナは女の子を出産した。そして今、新しい命を宿している。
周りの人たちに支えられながらの妊活。待望の第二子の報告に、俺たちは歓喜した。
第二子というだけあって、体調には少し慣れた様子のレナ。でも、娘のユキの世話をしながらの妊娠はやっぱり大変だった。
ユキは保育園に通ってはいるものの、それでも手はかかる。そこで、お義母さんに手伝ってもらうことになった。
性別は男の子だとわかり、ユキも「弟ができる」と大喜び。
日に日に大きくなるお腹に、ユキは小さな手を当てて胎動を感じていた。その喜びは保育園にも伝わって、先生も友達もみんなが応援してくれた。
お義母さんがいてくれたことで、ユキの行動も安定した。話し相手もでき、時には遊んでもらえる。その支えは本当に大きかった。
レナの妊娠も順調に進み、そして出産当日──
俺は仕事帰りに産婦人科へ向かった。
椅子に腰掛け、手を合わせて祈っていると、隣にはお義母さん。優しい目でユキを見守っていた。
「パパ、おかえり。ママから赤ちゃん、生まれるんだよ」
ユキの顔には、嬉しさがにじんでいた。
「コウジくん、そろそろ生まれるから、私、帰るわね」
「お義母さん、今回は本当にお世話になりました。ぜひ残って……」
「だめよ。私はレナとユキの世話をしたの。これからは赤ちゃんの番。いい男に育てるんだから」
「おばあちゃん、帰っちゃうの?」
「ユキ、もうお姉ちゃんなんだから、しっかりね。パパをよろしくね」
「うん、私、頑張るね」
芯のあるお義母さんの言葉。その気持ちが、きっとユキにも受け継がれている。そう思うと嬉しくなった。
お義母さんが帰ったその直後──赤ちゃんの産声が響いた。
初めて見る弟に、ユキは興味津々。
そして、出産を終えたレナのもとへ。
「ママ、すごいね。赤ちゃん、生まれたよ」
「そうだよ。頑張ったよ、お姉ちゃん」
「ママ、お疲れさま。今日はゆっくり休んでね。明日、おばあちゃんが来るって」
「わかった、ありがとう。無事に生まれて本当に良かった」
レナの手を、俺とユキがギュッと握った。
「ママ、また明日ね」
ユキは手を振って病院をあとにした。
「明日、パパとおばあちゃんと一緒にママに会いに行こうね。赤ちゃんには優しくしてあげよう」
「うん、わかった」
「今日はパパと一緒に寝ようか」
「うん、寝よう。パパの腕枕で寝るの、気持ちいいんだって。ママが言ってた」
……レナ、なにを教えてるんだよ。でも、悪くないな。
「じゃあ、お風呂入って、早く寝よう」
「うん!」
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