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悪役の次期公爵
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部屋の空気が重くなるのを感じて、慌てて取り繕う。
「あ、すみません! 大それたことを伺いたかったんじゃないんです。前世で読んでいた、お二人みたいに愛の深い恋人同士が描かれた物語では、たいてい辛い過去からお相手が救ってくださったみたいな経緯があるというか……。お相手が居なくなってしまったら心にぽっかり穴が空いてしまうんだとか……って、何言ってるんでしょう私。頭がこんがらがりました。すみません、忘れてください」
主の婚約者様に、しかもとても地位の高い方に何を言ってしまったのかと次から次に焦りが重なって早口になる。罰せられるかもと下を向いたが、返ってきたのは小さな笑い声だった。
「ははっ、そんなに焦らなくてもいいよ。でもそうだなぁ特に辛い過去はないかな。私は親との関係も良好だし、自分で言うのもなんだけれど順風満帆だよ。」
「そうなのですか……? 何もかもが完璧すぎて辛いとかもなく……?」
「シェルも君もそう言ってくれるけど、私は別にたいして完璧では無いよ。私の近くに、私なんかよりもっと完璧でもっと孤独でな方もおられるしね」
婚約者様と話す度に、物語の悪役としてのレオンスティードとのギャップが感じられる。この方は生身の人間なんだ。物語のように、取ってつけたような"全科目成績1位""文武両道"なんて称号はなくて、ただ懸命に努力なさってる。きっと、ご本人は気づくことは無いだろうけど、そういう所が完璧なんだと思う。
「あぁあと、シェルが居なくなったら心にぽっかり穴があくだっけ?そんなことは無いかな」
「そ、そんな……! あまりにも酷いと思います……!」
「まったく……私の周りには私の言うことを聞かずにどんどん話を進めてしまう人が多いな」
誰かを思い出したようにそう微笑むと、天使のように慈愛に満ちた笑みを浮かべる。美しすぎて、もはや血の通った人間には見えない程だった。
「なにかきっかけがあってシェルを愛している訳では無い。特段の理由があってシェルを大切にしている訳でもないよ。ただ、出会ってから今日までの、毎日の愛情の蓄積なんだ。彼のふとした動作、何気ない言葉ひとつでまたシェルを好きになるんだ。
……シェルが例え亡くなったとしても、心に大きな穴が空くわけじゃない。その穴に耐えられなくて苦しむんじゃない。シェルは……私のたった1部を占めている訳じゃないんだ。
私にとってシェルは血液だ。酸素だ。彼が居ないのなら私は存在できないんだよ。本当に、私が彼を愛している特別な理由は無いんだ。日々増えていく愛が、私の全身を血液や酸素のように流れているんだ。
シェルは私の胸の辺りにある存在じゃなくて、私を構成する私の1部なんだよ。」
淡々と語る言葉の節々に坊っちゃまへの執着を感じる。
前世で読んでいた物語のどんなヤンデレよりも怖いじゃないか。辛い過去から救ってくれた相手に執着しているヤンデレの方が数億倍理解が容易い。もし、おふたりの相思相愛具合を身をもって知っていなければ、恐怖しか感じなかっただろう。当の本人も、坊っちゃまも、この愛情が少しだけ普通では無いことには気が付かずに幸せそうにしてらっしゃるから、お二人の関係に深入りするのはやめておこうと改めて思った。
「さぁ、シェルが待っているから今度こそ部屋に戻ろうか」
そう言うと、スタスタと私を置いて坊っちゃまの待つお部屋へと歩きはじめた。
「シェル、待たせてしまってごめんね?つまらなかったよね。」
レオン様は戻ってくるなり僕を抱きあげる。視界が高くなっておもしろい。
「ふふっ、楽しいことをしていたので大丈夫です! ね、レオン様、小さい頃にやってくれたみたいにクルクルって回ってください……!」
「落ちないようにしっかり捕まっていてね」
レオン様に抱き上げられたまま、くるくると視界が移り変わる。小さな頃、よくレオン様がダンスの練習だと言ってこんな風に遊んでくれたんだ。その頃の僕はまだレオン様を大好きなもう1人のお兄様のように思っていたんだけれど、だんだんとかけがえのない存在になった。
「楽しいことって何をしてたんだい?」
レオン様は僕を優しく床に下ろすと、少し乱れた僕の髪を手ぐしで整えながらそう聞いた。
「んふふっ! レオン様、ソファに座って目を瞑っていてください! 僕が合図するまで絶対に開けちゃダメですからね…!」
「私の天使の仰せの通りに」
彼の目が閉じたのを確認すると、僕は綺麗な箱に収まったネックレスを持ってくる。レオン様を待っている間、どんなふうに渡すか色々と考えていたんだけれど、たまにはレオン様にかっこいいなと思って欲しい。だって僕もこれでも男だから。もちろん、僕がこれからすることは正式なものでもなんでもないんだけどね。レオン様の額に僕から口付けると、幸せそうな吐息が聞こえる。僕はレオン様のそばに片膝を着いて箱を差し出す。
「いいですよ」
「……!? シェル、なんで床に座ってるんだい!? 冷えてしま…っ!?」
僕が箱を開けたのを見て、これから起こることに気がついたらしい。深いネイビーに薄く水の膜がはって、きらりとひかる。
「レオン様っ……! 僕の気持ちです!僕と結婚してください……!!」
落ち着いた色味の銀細工にはめられた小ぶりのオリーブカラーの魔石。上質な布でできた箱に恭しく収められている。
「もちろんだ……!」
嬉しそうな声が聞こえてきて、すぐに視界が暗くなる。口付けされているんだと気がついたのは少ししたあと。触れるだけのながくて甘くて切ないキス。
「あの、僕がつけてもいいですか……?」
「ありがとう、よろしく頼むよ」
僕にキスするために床に膝をついたままのレオン様の後ろに回り、ネックレスをつける。いつもレオン様がアクセサリーをプレゼントしてくれる時、こんな風に付けてくれるのがものすごく嬉しいんだ。まるでレオン様の……
「ふふっ、まるでシェルのものだって証みたいだ。すごく嬉しい」
「僕もいつも同じことを考えていました」
レオン様は何度も何度も魔石に愛おしそうに触れたり眺めたりしながら、突然落ち込み始めた。
「昨日シェルに会いに来ていれば、シェルの魔力入れを見ることができたのか……いやそれだけじゃない昨日はそんなに元気だったんだな!? あぁ何が何でもこちらにくるべきだった……」
僕からのサプライズプレゼントがものすごく嬉しいのに、それを用意する過程の僕を見られなかったのが悔しい! と百面相するレオン様は、いつものかっこいいレオン様とは少し違って面白くて可愛らしかった。
「あ、すみません! 大それたことを伺いたかったんじゃないんです。前世で読んでいた、お二人みたいに愛の深い恋人同士が描かれた物語では、たいてい辛い過去からお相手が救ってくださったみたいな経緯があるというか……。お相手が居なくなってしまったら心にぽっかり穴が空いてしまうんだとか……って、何言ってるんでしょう私。頭がこんがらがりました。すみません、忘れてください」
主の婚約者様に、しかもとても地位の高い方に何を言ってしまったのかと次から次に焦りが重なって早口になる。罰せられるかもと下を向いたが、返ってきたのは小さな笑い声だった。
「ははっ、そんなに焦らなくてもいいよ。でもそうだなぁ特に辛い過去はないかな。私は親との関係も良好だし、自分で言うのもなんだけれど順風満帆だよ。」
「そうなのですか……? 何もかもが完璧すぎて辛いとかもなく……?」
「シェルも君もそう言ってくれるけど、私は別にたいして完璧では無いよ。私の近くに、私なんかよりもっと完璧でもっと孤独でな方もおられるしね」
婚約者様と話す度に、物語の悪役としてのレオンスティードとのギャップが感じられる。この方は生身の人間なんだ。物語のように、取ってつけたような"全科目成績1位""文武両道"なんて称号はなくて、ただ懸命に努力なさってる。きっと、ご本人は気づくことは無いだろうけど、そういう所が完璧なんだと思う。
「あぁあと、シェルが居なくなったら心にぽっかり穴があくだっけ?そんなことは無いかな」
「そ、そんな……! あまりにも酷いと思います……!」
「まったく……私の周りには私の言うことを聞かずにどんどん話を進めてしまう人が多いな」
誰かを思い出したようにそう微笑むと、天使のように慈愛に満ちた笑みを浮かべる。美しすぎて、もはや血の通った人間には見えない程だった。
「なにかきっかけがあってシェルを愛している訳では無い。特段の理由があってシェルを大切にしている訳でもないよ。ただ、出会ってから今日までの、毎日の愛情の蓄積なんだ。彼のふとした動作、何気ない言葉ひとつでまたシェルを好きになるんだ。
……シェルが例え亡くなったとしても、心に大きな穴が空くわけじゃない。その穴に耐えられなくて苦しむんじゃない。シェルは……私のたった1部を占めている訳じゃないんだ。
私にとってシェルは血液だ。酸素だ。彼が居ないのなら私は存在できないんだよ。本当に、私が彼を愛している特別な理由は無いんだ。日々増えていく愛が、私の全身を血液や酸素のように流れているんだ。
シェルは私の胸の辺りにある存在じゃなくて、私を構成する私の1部なんだよ。」
淡々と語る言葉の節々に坊っちゃまへの執着を感じる。
前世で読んでいた物語のどんなヤンデレよりも怖いじゃないか。辛い過去から救ってくれた相手に執着しているヤンデレの方が数億倍理解が容易い。もし、おふたりの相思相愛具合を身をもって知っていなければ、恐怖しか感じなかっただろう。当の本人も、坊っちゃまも、この愛情が少しだけ普通では無いことには気が付かずに幸せそうにしてらっしゃるから、お二人の関係に深入りするのはやめておこうと改めて思った。
「さぁ、シェルが待っているから今度こそ部屋に戻ろうか」
そう言うと、スタスタと私を置いて坊っちゃまの待つお部屋へと歩きはじめた。
「シェル、待たせてしまってごめんね?つまらなかったよね。」
レオン様は戻ってくるなり僕を抱きあげる。視界が高くなっておもしろい。
「ふふっ、楽しいことをしていたので大丈夫です! ね、レオン様、小さい頃にやってくれたみたいにクルクルって回ってください……!」
「落ちないようにしっかり捕まっていてね」
レオン様に抱き上げられたまま、くるくると視界が移り変わる。小さな頃、よくレオン様がダンスの練習だと言ってこんな風に遊んでくれたんだ。その頃の僕はまだレオン様を大好きなもう1人のお兄様のように思っていたんだけれど、だんだんとかけがえのない存在になった。
「楽しいことって何をしてたんだい?」
レオン様は僕を優しく床に下ろすと、少し乱れた僕の髪を手ぐしで整えながらそう聞いた。
「んふふっ! レオン様、ソファに座って目を瞑っていてください! 僕が合図するまで絶対に開けちゃダメですからね…!」
「私の天使の仰せの通りに」
彼の目が閉じたのを確認すると、僕は綺麗な箱に収まったネックレスを持ってくる。レオン様を待っている間、どんなふうに渡すか色々と考えていたんだけれど、たまにはレオン様にかっこいいなと思って欲しい。だって僕もこれでも男だから。もちろん、僕がこれからすることは正式なものでもなんでもないんだけどね。レオン様の額に僕から口付けると、幸せそうな吐息が聞こえる。僕はレオン様のそばに片膝を着いて箱を差し出す。
「いいですよ」
「……!? シェル、なんで床に座ってるんだい!? 冷えてしま…っ!?」
僕が箱を開けたのを見て、これから起こることに気がついたらしい。深いネイビーに薄く水の膜がはって、きらりとひかる。
「レオン様っ……! 僕の気持ちです!僕と結婚してください……!!」
落ち着いた色味の銀細工にはめられた小ぶりのオリーブカラーの魔石。上質な布でできた箱に恭しく収められている。
「もちろんだ……!」
嬉しそうな声が聞こえてきて、すぐに視界が暗くなる。口付けされているんだと気がついたのは少ししたあと。触れるだけのながくて甘くて切ないキス。
「あの、僕がつけてもいいですか……?」
「ありがとう、よろしく頼むよ」
僕にキスするために床に膝をついたままのレオン様の後ろに回り、ネックレスをつける。いつもレオン様がアクセサリーをプレゼントしてくれる時、こんな風に付けてくれるのがものすごく嬉しいんだ。まるでレオン様の……
「ふふっ、まるでシェルのものだって証みたいだ。すごく嬉しい」
「僕もいつも同じことを考えていました」
レオン様は何度も何度も魔石に愛おしそうに触れたり眺めたりしながら、突然落ち込み始めた。
「昨日シェルに会いに来ていれば、シェルの魔力入れを見ることができたのか……いやそれだけじゃない昨日はそんなに元気だったんだな!? あぁ何が何でもこちらにくるべきだった……」
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