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溺愛し合う二人
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窓から見える景色はすごくキラキラして見えた。空はどこまでも続いてるんだ。人はこんなに沢山いるんだ。全部が見たことの無い景色。窓の外に釘付けだった。途中で公爵邸の前を通って、レオン様に紹介されたんだけど、初めてのお外は街じゃなくてレオン様のお邸が良かったかもってちょっと落ち込んでしまった。そんな僕を見て、結婚したらここに住むんだからってレオン様は笑っていた。そんなこと言われたら一気に嬉しくなってしまう。レオン様は物語の魔法使いみたいだ。
「着いたよ、降りようか。お手をどうぞ」
先に馬車を降りてエスコートしてくれるレオン様はまるで王子様だ。爪先に初めての石畳の感触。見回すと、小さな建物が沢山。どこもかしこも大きな窓の奥に沢山の商品が並んでいる。
「わぁ~! 素敵です……! 全部キラキラしてます! 人も沢山います!」
「ここは貴族街だよ。洋服に雑貨に宝飾品に本、だいたいなんでも揃うかな。ずっと奥に行って川を渡ると平民街があるんだけど、今日はまずここを見て回ろうか」
「はい! あ! あそこにケーキ屋さんがありますよ!」
浮かれてはしゃぐ僕の手をしっかりと握って、後からついてきてくれるレオン様。ウィンドウを覗くと、見覚えのある薔薇の形を模したスイーツが並んでいる。
「やっぱりここ気になってくれた? わぁ、すごいよシェル! このお店はいつも人気で並んでるんだけど、今日はたまたま空いてるみたいだ! ラッキーだね、寄ってみる?」
「見た目も綺麗ですっごく美味しかったから人気なはずですよね! 実際に行けるなんて幸せです! 僕たちとってもついてますね!」
お店のドアをくぐるのもはじめて。嬉しすぎて終始頬が緩んでしまう。何もかもがキラキラと輝いて見えた。
「いらっしゃいませ」
給仕に挨拶されてぺこりと頭をさげてみる。レオン様の袖をくいっとひっぱって耳打ちした。
「初いらっしゃいませでした、ふふっ」
「ほんとだな、今日はいらっしゃいませ記念日だ」
こしょこしょと小さな声で話ながら案内される。案内されるのもはじめてだ。席に着く前、給仕がショーケースの方を掌でしめす。
「当店は本日は他のお客様はいらっしゃいませんので、どうぞご自由にショーケースをご覧下さい」
「普段は違うのですか?」
「普段はメニューを見て文字だけで決めるのがほとんどかな。でも今日は本当にラッキーだから色々と見れるみたいだよ」
やったぁ! と喜ぶ僕をにこにこと見守るレオン様は、僕の手を取ってショーケースの前まで進んでいく。何種類もの色とりどりのケーキに迷ってしまう。
「シェルはどれがいい?」
「うーんと……こっちのフルーツののったケーキも美味しそうなんですけど……やっぱり薔薇のケーキも捨てがたいです……悩む」
「ふふっ、すごいな、私も全く同じふたつで悩んでた! 良かったら半分ずつ食べないか?」
「わぁ~! それ、とっても素敵です!!」
ケーキを2種類頼んで席に戻る途中、本来の半分こはこれなんだよな、と聞こえた。レオン様の方を見て首を傾げると、なんでもないよと言って頬にキスされる。とにかくケーキが楽しみで仕方なかった僕は気にするのをやめた。
「着いたよ、降りようか。お手をどうぞ」
先に馬車を降りてエスコートしてくれるレオン様はまるで王子様だ。爪先に初めての石畳の感触。見回すと、小さな建物が沢山。どこもかしこも大きな窓の奥に沢山の商品が並んでいる。
「わぁ~! 素敵です……! 全部キラキラしてます! 人も沢山います!」
「ここは貴族街だよ。洋服に雑貨に宝飾品に本、だいたいなんでも揃うかな。ずっと奥に行って川を渡ると平民街があるんだけど、今日はまずここを見て回ろうか」
「はい! あ! あそこにケーキ屋さんがありますよ!」
浮かれてはしゃぐ僕の手をしっかりと握って、後からついてきてくれるレオン様。ウィンドウを覗くと、見覚えのある薔薇の形を模したスイーツが並んでいる。
「やっぱりここ気になってくれた? わぁ、すごいよシェル! このお店はいつも人気で並んでるんだけど、今日はたまたま空いてるみたいだ! ラッキーだね、寄ってみる?」
「見た目も綺麗ですっごく美味しかったから人気なはずですよね! 実際に行けるなんて幸せです! 僕たちとってもついてますね!」
お店のドアをくぐるのもはじめて。嬉しすぎて終始頬が緩んでしまう。何もかもがキラキラと輝いて見えた。
「いらっしゃいませ」
給仕に挨拶されてぺこりと頭をさげてみる。レオン様の袖をくいっとひっぱって耳打ちした。
「初いらっしゃいませでした、ふふっ」
「ほんとだな、今日はいらっしゃいませ記念日だ」
こしょこしょと小さな声で話ながら案内される。案内されるのもはじめてだ。席に着く前、給仕がショーケースの方を掌でしめす。
「当店は本日は他のお客様はいらっしゃいませんので、どうぞご自由にショーケースをご覧下さい」
「普段は違うのですか?」
「普段はメニューを見て文字だけで決めるのがほとんどかな。でも今日は本当にラッキーだから色々と見れるみたいだよ」
やったぁ! と喜ぶ僕をにこにこと見守るレオン様は、僕の手を取ってショーケースの前まで進んでいく。何種類もの色とりどりのケーキに迷ってしまう。
「シェルはどれがいい?」
「うーんと……こっちのフルーツののったケーキも美味しそうなんですけど……やっぱり薔薇のケーキも捨てがたいです……悩む」
「ふふっ、すごいな、私も全く同じふたつで悩んでた! 良かったら半分ずつ食べないか?」
「わぁ~! それ、とっても素敵です!!」
ケーキを2種類頼んで席に戻る途中、本来の半分こはこれなんだよな、と聞こえた。レオン様の方を見て首を傾げると、なんでもないよと言って頬にキスされる。とにかくケーキが楽しみで仕方なかった僕は気にするのをやめた。
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