悪役令嬢と名高い私ですが、巷で人気の『光の賢者様』の正体は私です

サトウミ

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悪魔祓い講習

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とある平日の午後。
今日は生徒会メンバー(とカイル殿下)が模範生として、悪魔祓い講習に参加する日だ。

一般の生徒が次々に帰っていく中、講習を行う予定の教室には、徐々に人が集まってきていた。
ブーケやキャリー、ジャズ先輩の叔父さんなど、かつて悪魔憑きになった人達が、年齢を問わず入ってくる。
だけどその中には、悪魔憑き常習者であるロザリアの姿が無かった。

「はいは~い! それじゃ、今日の悪魔祓い講習を始めます!」

予鈴と同時に、アベル殿下は教壇に立って講習を始めた。
私達は教壇の隣に用意された椅子に座って、静かに講習を受ける。

「今日は特別に模範生として、今まで悪魔憑きになったことのないメンバーを呼んでま~す!」

アベル殿下は簡単に私達のことを紹介する。
ユミル殿下やカイル殿下も来られたこともあって、講習生からは温かい拍手が送られた。

拍手の中、私は少し肩をすくめる。
悪い意味で注目を浴びるのは慣れているけれど、「模範」として見られるのはまた違うわね。
責任を感じて、背筋が自然と伸びた。

「じゃあ、今日は模範生かれらに、何で悪魔憑きにならずに済んでいるのか、コツを聞いてみようか。」

難しい質問だわ。
聞かれるだろうと思って事前に考えてはいたものの、結局何も思いつかなかった。
模範生といっても、たまたま悪魔憑きになったことのないだけの私達に、何が教えられるかしら?

アベル殿下の質問に困っていたのは私だけではないようで、ユミル殿下やジャズ先輩、アンサム様も眉間に皺を寄せて考えていた。

「まずは生徒会長のユミルく~ん! お願いね♪」
白羽の矢が立ったのはユミル殿下だった。

「そうですね...。僕は、全く怒らないというわけではありません。運良く悪魔憑きになったことがないだけですので、アドバイスできるようなことはありません。」

私と同じだ。
きっとジャズ先輩やアンサム様、それにカイル殿下も同じ考えだと思う。
悪魔憑きになったことがないとはいえ、怒りの感情が湧かない人間はいない。
だからこの件に関しては、アドバイスできるほど私達が優秀だとは思わない。

「そこを何とか! だったらさ、何で怒りの感情が湧いても悪魔憑きにならないんだと思う?」

「えっ?!」
ユミル殿下は当惑して、視線が泳いでいる。

「えーっと、その...。」
何も思いつかないのか、しばらく無言が続いた。

ここまで動揺しているユミル殿下は珍しい。
だけど、私が殿下の立場だったら同じように戸惑っていたと思う。

「こ、これは多分、推測なのですが...。」
「いいよ。続けて。」

「怒りの感情が弱いから、なのではないのでしょうか? 今まで怒りを感じても、大して強くなかったから悪魔王に見過ごされていたのではと思います。」

なるほど。
確かにユミル殿下が、ロザリアのように激しく怒っているところを見たことがない。

「なるほどねぇ~。それは一理あるかも。じゃあ次、副会長のジャズくん!」
「俺もユミルと同じッス!」

「ユミルと同じって、お前なぁ...。じゃあ会計のアンサムくんは?」
「俺も、殿下と同意見です。」

えっ、それでいいの?
と思ったけれど、私も喋ることが思いつかないから、流れに便乗しよう。

「庶務のジュリーちゃんは?」
「私も殿下達と同じ意見です。」

せっかく、頑張って意見を捻り出したユミル殿下には申し訳ない。
でも思いつかないものは、思いつかない。
心なしか、私達を見つめるユミル殿下の瞳は、責めるかのように鋭く感じた。

「どいつもこいつも、やる気ないなぁ。」
「そういう兄上はどうなのですか? 兄上だって、悪魔憑きになったことがないじゃないですか。」

「俺? 俺はユミルおまえと同じだよ。」
アベル殿下だって、やる気がないじゃない!

「それじゃあ、残るはカイルくん! なんか参考になりそうなことを頼む!」
無茶振りもいいところだわ。

「僕は、そうですね...。」
すると、カイル殿下が私を見つめた。
目が合うと少しはにかんで、講習生達の方を向いて話し始める。

「幻滅されたくないヒトのことを思い浮かべています。怒りにとらわれて悪魔憑きになったら、その人に幻滅されてしまう。そう思って、怒りが湧いてきた時はその人のことを想像して、冷静になるように努力しています。」

素晴らしいわ。
一番、参考になりそうな答えね。

「いいねぇ~! こういう話が聞きたかったんだよ! ちなみにカイルくん、その人って誰のことなの?」
「えっ? それは...。」

よほど大っぴらに言いたくない相手だったのか、カイル殿下の目は泳いでいる。
そんなカイル殿下と再び目が合うと、今度は私から目を逸らさなくなった。

...私の顔に、何かついているのかしら?
いつも目が合う度に逸らされるから、ここまでカイル殿下と見つめ合ったのは初めてな気がするわ。
心なしか、殿下の顔が火照っているような気もする。

それにしても、長いわね。
もしかしてカイル殿下は、私に何かを話して欲しくて、目配せしているのかしら?

「あーもう、わかった! それ以上は言わずもがなだ!」
何が、わかったの?
アベル殿下は両手を大きく振って、強制的に話を打ち切った。

「とにかく、カイルくんのアドバイスはみんなに伝わったかな? 講習生のみんなも、幻滅されたくない人を思い浮かべてみてね。」

幻滅されたくない人、ねぇ。
それを聞いて真っ先に思い浮かんだのは、ウイン様だった。
...ウイン様に幻滅されたら、ショックで生きていけないわ。

「それじゃあ次は、講習生の話を聞いていこっか。みんな、模範生かれらに自分が悪魔憑きになった時のことを教えてあげてよ。まずは年長者のアーム・スウィングさんから! お願いします!」

ジャズ先輩の叔父さんは名前を呼ばれると、『はいぃ!』と半分声が裏返りながら立ち上がり、話し始めた。

「私は、そこにいるジャズの叔父なんですが、酒屋の客にジャズのことを馬鹿にされて、それで......カッとなってしまいました。」

「なんて馬鹿にされたんですか?」

「......ジャズは雑魚だったから、水の賢者様はレディーナ様に変わったんだって、言われたんです。」

だからあの日『水の賢者に相応しいのはアクアマンだ』って叫んでいたのね。
それに賢者達わたしたちの正体を吐かせようとしていたのも、レディーナを妬んでのことだったのかもしれない。

「えっ、ちょっ、ちょっと待ってください! ということは......ジャズ先輩って、水の賢者様だったんですか?!」

「へへっ、まあな!」
「嘘っ?! 初耳です!」

叔父さんの発言に、教室中がざわめき立つ。
みんなが騒ぐのも無理はない。
私はフィーネの姿で会った時に聞いていたけれど、ジャズ先輩が元・賢者だという話は普通、知らないわよね。

「はいは~い! 静かに! 副会長のジャズくんが元・賢者だという衝撃事実が出てきましたが、ここで本人に話を聞いてみましょう。ジャズくん、どういうことか白状しなさい!」

「白状も何も、叔父さんの言った通りだ。レディーナの前にアクアマンって名前で水の賢者をやってたんだけど、親父達にバレてやめた。以上!」

まるでどうでもいい事のように、ジャズ先輩は端的に説明する。それとは対照的に、ブーケやキャリーを始めとした講習生達は、尊敬の眼差しでジャズ先輩を見つめていた。

「まさか、ジャズさんがアクアマン様だったとは、思いもしませんでした。アクアマン様も、強くて勇猛果敢で、格好良かったです。」
「へへ、よせやい。」

カイル殿下に褒められて、ジャズ先輩は照れくさそうに笑う。

「殿下の言う通りですわ。アクアマン様として戦う姿は、とても頼もしかったです。」
「きっとウイン様とフィーネ様も、ジャズさんと一緒に戦えなくて残念に思ってますよ。」

「カイルもジュリーも、褒めるのが上手じゃねえか。おだてても何も出ないぜ?」

けれど、耳がほんのり赤く染まっているのを私は見逃さなかった。
照れ隠しのつもりでも、顔に全部出ているあたりがジャズ先輩らしい。

「ジュリーちゃんもカイル殿下もいいなぁ~。私も、アクアマン先輩が活躍してるところ、見たかった!」
「そもそもレディーナ様の前にアクアマンがいたなんて、初めて知ったよ。ジュリーも殿下も、運が良かったわね。」

...あ!
そっか、アクアマンはすぐに辞めたから、一般的には知名度が低いのだったわ!
短期間とはいえ一緒に戦ったことがあるから印象に残っていたけど、普通は存在すら知らないのだった。

「...あははは。たまたま、偶然、アクアマン様が戦っている場面を見ることができてラッキーだったよ。」
「私も、本当に、ちょうど、タイミング良くアクアマン様の雄姿が見れて運が良かったわ。」

カイル殿下に同調したものの、表情がぎこちなくなった。

...大丈夫。
アクアマンの存在を知っているのは、不自然なことじゃない。
カイル殿下だって、アクアマンを知っているじゃないの。

そう自分に言い聞かせているけれど、不審に思われるんじゃないかとヒヤヒヤする。


「カイル殿下やジュリー様にそう仰っていただけて、本当に幸せです。ジャズは...アクアマンは、一族の誇りです。」

ジャズ先輩の叔父さんは、朗らかな笑顔で語った。
その嬉しそうな顔を見ていると、またアクアマンを馬鹿にされても悪魔憑きにはならないだろう、と思えてくる。

「はぁ...。レディーナ様もウチの身内の人間だったら、もっと嬉しかったんですけどねぇ。ウチはジャズ以外にも、ご先祖様に何人か水の賢者だった人がいるんですよ。だからレディーナ様も、もしかしたらって思ったんですが...。」

レディーナのことを思い出すと、叔父さんは小さくため息をついた。
レディーナは性格も顔の系統もジャズ先輩に似ているから、親戚だったとしてもおかしくない。
もしかしたら叔父さんが把握していないだけで、レディーナはジャズ先輩の遠い親戚だったりして?
...いや、レディーナの正体を探るようなことは考えないでおこう。

「ジャズ先輩の身内には、レディーナ様になりそうな人はいないんですか?」
「残念だけどレディーナ様と同世代の身内は、男ばっかりだ。」

「だったらレディーナ様に女装できそうな男の娘はいないんですか?」

またそれを言うの?
キャリーは百合だの男の娘だの、とにかくアレなものが好きね。

「だから、前にも言ったろ! レディーナは絶対に女だって!」
ジャズ先輩は少しムキになって、キャリーの話を否定する。

「それに、ウチの男どもが女装して戦うはずがねぇ! そんな奴は、一族の恥だ! なっ、ジャズ。」
「え? あ、うん。ソウダネ。」

心なしか、ジャズ先輩の表情が固まっているように見える。
どうしたのかしら?

「はいは~い! アクアマンとレディーナの話はそこまで! 話がだいぶズレたね。 それじゃあ本題に戻って、どんどん講習生達の話を聞いていくよ!」

その後、アベル殿下主導で、順番に講習生が悪魔憑きになった時の話を聞いていった。
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