21 / 44
アベル先生
しおりを挟む
「そういえばキャリーさん。この前の休日、ロザリア嬢に襲われていたいけど、大丈夫だった?」
「はい! 賢者様達がロザリア様を倒してくれたので、何ともなかったです。カイル殿下達も大丈夫でしたか?」
「僕もアンサムも、あの後 彼女から逃げ切れたから、大丈夫だったよ。」
──午後の生徒会室。
室内には、いつもの生徒会メンバーに加えて、部外者であるはずのブーケやキャリー、カイル殿下までもがいた。
キャリーとカイル殿下は、珍しく二人で楽しそうに会話している。
この前、ロザリアが悪魔憑きになったとき、二人はたまたま遭遇していたらしい。
...この前の休みといえば、カフェでレディーナとお茶をしていた時に、カイル殿下達と偶然会った日だ。
あの日のカイル殿下とアンサム様のおかげで、ウイン様とまた話せるようになった。
いつかお二人に、フィーネの姿でお礼を言いたい。
「この前の休みって、確か悪魔祓い講習の時だよな? キャリーは講習を受けていたからロザリアに襲われたのは分かるけど、カイル達も襲われたのか?」
「はい。学校に悪魔憑きが出たと聞いて、またアベル兄上がロザリア嬢に襲われているんじゃないかと思い、学校へ駆けつけました。」
「お前なぁ、あんま無茶すんなよ? センセーが心配っつっても、悪魔憑き相手に何もできないだろ? ヒトの心配する暇があったら、さっさと逃げろよ。」
ジャズ先輩の言う通りだわ。
ロザリアはカイル殿下が好きとはいえ、悪魔憑きになった彼女にわざわざ近づくのは無謀よ。
「あはは...すみません。」
殿下は呑気に笑っているけど、本当に分かっているのかしら?
「カイル殿下。悪魔憑きから人々を守るのは賢者様の仕事ですよ? 殿下が悪魔憑きに近づいたら、賢者様達の足を引っ張ることになります。」
「は、はい...」
しまった。強く言い過ぎたかしら?
私が諫めると、殿下は意気消沈とした。
生徒会にいるみんなが優しいから忘れていたけど、私は見た目で誤解を受けやすいのだった。
もっと優しく言うべきだったわね。
あぁ、また陰で悪役令嬢だと言われてしまいそうね。
「ジュリー嬢の言う通りですよ。アベル殿下は無駄にしぶといのですから、あの人を助けに行く必要はありません。あの人を助けるだけ時間の無駄です。」
アンサム様、流石にそこまでは言っていません!
「アンサム卿の言う通りだ。カイル、兄上は助けに行くだけ無駄なんだから、賢者様の邪魔になることはするなよ? 兄上はすぐ近くに自分を狙う悪魔憑きが現れても、逃げ切れるくらい強いんだから。心配するだけ損だよ。」
意外なところでアンサム様とユミル殿下の意見が一致した!
二人の意見が合うなんて珍しい。
そりが合わない二人なのかと思っていたけれど、案外似たもの同士なのかもしれないわね。
「『心配するだけ損』って、冷たい奴だなぁ~。健気なカイルくんを見習ってくれよな。」
すると突然、生徒会室の扉が開く音とともに、おどけた声が聞こえてきた。
この声は、もしかして。
扉の方を見ると、そこにはヘラヘラと笑うアベル殿下がいた。
アメジストのように綺麗な紫色の髪と瞳に、細身で長身のアベル殿下は、異母兄弟とはいえユミル殿下達とは似ていない。
タレ目でいつもヘラヘラとしているからか、親しみやすく、それ故に民からも慕われている。
見た目で怖がられる私とは大違いだ。
「兄上、事実ではありませんか。なにせ賢者様や聖女様でもないのに魔法が使えるのですから。むしろ兄上は賢者様と一緒に悪魔憑きと戦われた方が良いのではないでしょうか?」
「俺も、ユミル殿下と同意見です。」
『魔法が使える』というのはアベル殿下が数千年に一人の天才と謳われる理由の一つだ。
聖女様と国王陛下の間に生まれた兄弟姉妹の中でも、魔法が使えるのはアベル殿下ただ一人だ。
その他にも、誰にも教わっていないのにレイムリアル帝国の言葉や礼儀作法を完璧に理解していたり、悪魔憑きが現れるのを予期して数々の悪魔憑き対策案を実施したりと、とにかく凄い。
いつもの軽薄そうな態度からは想像できない程、才能に恵まれている。
「賢者どもと一緒に戦う? この俺が? 勘弁してくれ。ただでさえ学校の教師やら生徒会顧問やら色々押し付けられているのに、これ以上の厄介ごとはごめんだ。俺は一生、怠惰に遊んで暮らしたいの!」
あぁ。せっかく才能に恵まれているのに、今のアベル殿下では宝の持ち腐れね。
国王陛下がアベル殿下に色々させようとする気持ち、十分に理解できるわ。
殿下の才能は、怠惰に遊んで暮らすには勿体なさすぎる。
「ところでアベル兄上。今日は一体、何の用ですか? 生徒会メンバーでない僕がここに呼ばれるなんて、何かあったのでしょうか?」
カイル殿下はアベル殿下に呼ばれて来ていたの?
てっきり、いつものように自習しに来たのかと思っていたわ。
「そうそう! 実はカイルと生徒会メンバーに頼みがあってさ。」
「頼み、ですか?」
「今度の悪魔祓い講習で、お前らには模範生として講習に付き合って欲しいんだ。ちょうど生徒会のメンバーは一回も悪魔憑きにされたことがないだろ? だからお手本を見せてくれよ。頼む!」
「お手本、と言われましても。私達はたまたま悪魔憑きになったことがないだけですので、何も教えられることはありません。」
「それにお手本であれば、生徒会メンバーだけでも良いのではないでしょうか? 僕が参加する必要はありますか?」
「それが大アリなんだよなぁ。むしろ、お前とユミルは絶対に来て欲しい。俺の命のためにも。」
アベル殿下の命のため?
「もしかして、ロザリア様をユミル殿下達になんとかしてもらうつもりですか?」
「キャリーちゃん、大正解! 察しがいいね!」
なるほど。
ロザリアはアベル殿下を嫌っているけれど、ユミル殿下達は慕っているものね。
「だったら、カイルがロザリア嬢と結婚すれば問題は解決するんじゃないかな? 彼女、カイルのことが好きだろ? カイルが彼女と結ばれれば、彼女が怒る機会も減るんじゃないか?」
「すみません、僕は遠慮します。彼女はユミル兄上を慕っているし、兄上が結婚されてはいかがでしょうか?」
「僕も遠慮しておくよ。」
優しいお二方ですらロザリアを押し付け合うだなんて。
彼女がこの会話を聞いたら、絶対に悪魔憑きになっていたでしょうね。
「...お前ら、その会話をロザリアの前で絶対するなよ?」
アベル殿下は苦々しい表情で、額に手を当てた。
「それはともかく、今度の悪魔祓い講習の件は学園長に話を通しているから。お前ら、サボるなよ?」
「えっ、決定事項ですか?」
「あぁ、勿論だ! なんなら今後、悪魔祓い講習は生徒会主導でやるよう、話をつけているから。」
「あっ! センセー、さりげなく俺らに面倒ごとを押しつけるつもりだな! 汚ねぇぞ! 職権濫用だ!」
「ふははは! なんとでも言うがいいさ! 恨むなら面倒ごとを俺に押しつけた国王陛下を恨むがいい!」
あぁ。こういう面倒くさがりなところがなければ、王太子になってもおかしくないのに。
だけど学園長に話が通っているのであれば、参加せざるを得ないわね。
こうして私たち生徒会メンバーは、悪魔祓い講習に参加することになった。
「はい! 賢者様達がロザリア様を倒してくれたので、何ともなかったです。カイル殿下達も大丈夫でしたか?」
「僕もアンサムも、あの後 彼女から逃げ切れたから、大丈夫だったよ。」
──午後の生徒会室。
室内には、いつもの生徒会メンバーに加えて、部外者であるはずのブーケやキャリー、カイル殿下までもがいた。
キャリーとカイル殿下は、珍しく二人で楽しそうに会話している。
この前、ロザリアが悪魔憑きになったとき、二人はたまたま遭遇していたらしい。
...この前の休みといえば、カフェでレディーナとお茶をしていた時に、カイル殿下達と偶然会った日だ。
あの日のカイル殿下とアンサム様のおかげで、ウイン様とまた話せるようになった。
いつかお二人に、フィーネの姿でお礼を言いたい。
「この前の休みって、確か悪魔祓い講習の時だよな? キャリーは講習を受けていたからロザリアに襲われたのは分かるけど、カイル達も襲われたのか?」
「はい。学校に悪魔憑きが出たと聞いて、またアベル兄上がロザリア嬢に襲われているんじゃないかと思い、学校へ駆けつけました。」
「お前なぁ、あんま無茶すんなよ? センセーが心配っつっても、悪魔憑き相手に何もできないだろ? ヒトの心配する暇があったら、さっさと逃げろよ。」
ジャズ先輩の言う通りだわ。
ロザリアはカイル殿下が好きとはいえ、悪魔憑きになった彼女にわざわざ近づくのは無謀よ。
「あはは...すみません。」
殿下は呑気に笑っているけど、本当に分かっているのかしら?
「カイル殿下。悪魔憑きから人々を守るのは賢者様の仕事ですよ? 殿下が悪魔憑きに近づいたら、賢者様達の足を引っ張ることになります。」
「は、はい...」
しまった。強く言い過ぎたかしら?
私が諫めると、殿下は意気消沈とした。
生徒会にいるみんなが優しいから忘れていたけど、私は見た目で誤解を受けやすいのだった。
もっと優しく言うべきだったわね。
あぁ、また陰で悪役令嬢だと言われてしまいそうね。
「ジュリー嬢の言う通りですよ。アベル殿下は無駄にしぶといのですから、あの人を助けに行く必要はありません。あの人を助けるだけ時間の無駄です。」
アンサム様、流石にそこまでは言っていません!
「アンサム卿の言う通りだ。カイル、兄上は助けに行くだけ無駄なんだから、賢者様の邪魔になることはするなよ? 兄上はすぐ近くに自分を狙う悪魔憑きが現れても、逃げ切れるくらい強いんだから。心配するだけ損だよ。」
意外なところでアンサム様とユミル殿下の意見が一致した!
二人の意見が合うなんて珍しい。
そりが合わない二人なのかと思っていたけれど、案外似たもの同士なのかもしれないわね。
「『心配するだけ損』って、冷たい奴だなぁ~。健気なカイルくんを見習ってくれよな。」
すると突然、生徒会室の扉が開く音とともに、おどけた声が聞こえてきた。
この声は、もしかして。
扉の方を見ると、そこにはヘラヘラと笑うアベル殿下がいた。
アメジストのように綺麗な紫色の髪と瞳に、細身で長身のアベル殿下は、異母兄弟とはいえユミル殿下達とは似ていない。
タレ目でいつもヘラヘラとしているからか、親しみやすく、それ故に民からも慕われている。
見た目で怖がられる私とは大違いだ。
「兄上、事実ではありませんか。なにせ賢者様や聖女様でもないのに魔法が使えるのですから。むしろ兄上は賢者様と一緒に悪魔憑きと戦われた方が良いのではないでしょうか?」
「俺も、ユミル殿下と同意見です。」
『魔法が使える』というのはアベル殿下が数千年に一人の天才と謳われる理由の一つだ。
聖女様と国王陛下の間に生まれた兄弟姉妹の中でも、魔法が使えるのはアベル殿下ただ一人だ。
その他にも、誰にも教わっていないのにレイムリアル帝国の言葉や礼儀作法を完璧に理解していたり、悪魔憑きが現れるのを予期して数々の悪魔憑き対策案を実施したりと、とにかく凄い。
いつもの軽薄そうな態度からは想像できない程、才能に恵まれている。
「賢者どもと一緒に戦う? この俺が? 勘弁してくれ。ただでさえ学校の教師やら生徒会顧問やら色々押し付けられているのに、これ以上の厄介ごとはごめんだ。俺は一生、怠惰に遊んで暮らしたいの!」
あぁ。せっかく才能に恵まれているのに、今のアベル殿下では宝の持ち腐れね。
国王陛下がアベル殿下に色々させようとする気持ち、十分に理解できるわ。
殿下の才能は、怠惰に遊んで暮らすには勿体なさすぎる。
「ところでアベル兄上。今日は一体、何の用ですか? 生徒会メンバーでない僕がここに呼ばれるなんて、何かあったのでしょうか?」
カイル殿下はアベル殿下に呼ばれて来ていたの?
てっきり、いつものように自習しに来たのかと思っていたわ。
「そうそう! 実はカイルと生徒会メンバーに頼みがあってさ。」
「頼み、ですか?」
「今度の悪魔祓い講習で、お前らには模範生として講習に付き合って欲しいんだ。ちょうど生徒会のメンバーは一回も悪魔憑きにされたことがないだろ? だからお手本を見せてくれよ。頼む!」
「お手本、と言われましても。私達はたまたま悪魔憑きになったことがないだけですので、何も教えられることはありません。」
「それにお手本であれば、生徒会メンバーだけでも良いのではないでしょうか? 僕が参加する必要はありますか?」
「それが大アリなんだよなぁ。むしろ、お前とユミルは絶対に来て欲しい。俺の命のためにも。」
アベル殿下の命のため?
「もしかして、ロザリア様をユミル殿下達になんとかしてもらうつもりですか?」
「キャリーちゃん、大正解! 察しがいいね!」
なるほど。
ロザリアはアベル殿下を嫌っているけれど、ユミル殿下達は慕っているものね。
「だったら、カイルがロザリア嬢と結婚すれば問題は解決するんじゃないかな? 彼女、カイルのことが好きだろ? カイルが彼女と結ばれれば、彼女が怒る機会も減るんじゃないか?」
「すみません、僕は遠慮します。彼女はユミル兄上を慕っているし、兄上が結婚されてはいかがでしょうか?」
「僕も遠慮しておくよ。」
優しいお二方ですらロザリアを押し付け合うだなんて。
彼女がこの会話を聞いたら、絶対に悪魔憑きになっていたでしょうね。
「...お前ら、その会話をロザリアの前で絶対するなよ?」
アベル殿下は苦々しい表情で、額に手を当てた。
「それはともかく、今度の悪魔祓い講習の件は学園長に話を通しているから。お前ら、サボるなよ?」
「えっ、決定事項ですか?」
「あぁ、勿論だ! なんなら今後、悪魔祓い講習は生徒会主導でやるよう、話をつけているから。」
「あっ! センセー、さりげなく俺らに面倒ごとを押しつけるつもりだな! 汚ねぇぞ! 職権濫用だ!」
「ふははは! なんとでも言うがいいさ! 恨むなら面倒ごとを俺に押しつけた国王陛下を恨むがいい!」
あぁ。こういう面倒くさがりなところがなければ、王太子になってもおかしくないのに。
だけど学園長に話が通っているのであれば、参加せざるを得ないわね。
こうして私たち生徒会メンバーは、悪魔祓い講習に参加することになった。
1
あなたにおすすめの小説
転生賢妻は最高のスパダリ辺境伯の愛を独占し、やがて王国を救う〜現代知識で悪女と王都の陰謀を打ち砕く溺愛新婚記〜
紅葉山参
恋愛
ブラック企業から辺境伯夫人アナスタシアとして転生した私は、愛する完璧な夫マクナル様と溺愛の新婚生活を送っていた。私は前世の「合理的常識」と「科学知識」を駆使し、元公爵令嬢ローナのあらゆる悪意を打ち破り、彼女を辺境の落ちぶれた貴族の元へ追放した。
第一の試練を乗り越えた辺境伯領は、私の導入した投資戦略とシンプルな経営手法により、瞬く間に王国一の経済力を確立する。この成功は、王都の中央貴族、特に王弟公爵とその腹心である奸猾な財務大臣の強烈な嫉妬と警戒を引き寄せる。彼らは、辺境伯領の富を「危険な独立勢力」と見なし、マクナル様を王都へ召喚し、アナスタシアを孤立させる第二の試練を仕掛けてきた。
夫が不在となる中、アナスタシアは辺境領の全ての重責を一人で背負うことになる。王都からの横暴な監査団の干渉、領地の資源を狙う裏切り者、そして辺境ならではの飢饉と疫病の発生。アナスタシアは「現代のインフラ技術」と「危機管理広報」を駆使し、夫の留守を完璧に守り抜くだけでなく、王都の監査団を論破し、辺境領の半独立的な経済圏を確立する。
第三の試練として、隣国との緊張が高まり、王国全体が未曽有の財政危機に瀕する。マクナル様は王国の窮地を救うため王都へ戻るが、保守派の貴族に阻まれ無力化される。この時、アナスタシアは辺境伯夫人として王都へ乗り込むことを決意する。彼女は前世の「国家予算の再建理論」や「国際金融の知識」を武器に、王国の経済再建計画を提案する。
最終的に、アナスタシアとマクナル様は、王国の腐敗した権力構造と対峙し、愛と知恵、そして辺境の強大な経済力を背景に、全ての敵対勢力を打ち砕く。王国の危機を救った二人は、辺境伯としての地位を王国の基盤として確立し、二人の愛の結晶と共に、永遠に続く溺愛と繁栄の歴史を築き上げる。 予定です……
悪役令嬢のビフォーアフター
すけさん
恋愛
婚約者に断罪され修道院に行く途中に山賊に襲われた悪役令嬢だが、何故か死ぬことはなく、気がつくと断罪から3年前の自分に逆行していた。
腹黒ヒロインと戦う逆行の転生悪役令嬢カナ!
とりあえずダイエットしなきゃ!
そんな中、
あれ?婚約者も何か昔と態度が違う気がするんだけど・・・
そんな私に新たに出会いが!!
婚約者さん何気に嫉妬してない?
私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~
あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。
「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さくら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
魔法学園の悪役令嬢、破局の未来を知って推し変したら捨てた王子が溺愛に目覚めたようで!?
朱音ゆうひ@11/5受賞作が発売されます
恋愛
『完璧な王太子』アトレインの婚約者パメラは、自分が小説の悪役令嬢に転生していると気づく。
このままでは破滅まっしぐら。アトレインとは破局する。でも最推しは別にいる!
それは、悪役教授ネクロセフ。
顔が良くて、知性紳士で、献身的で愛情深い人物だ。
「アトレイン殿下とは円満に別れて、推し活して幸せになります!」
……のはずが。
「夢小説とは何だ?」
「殿下、私の夢小説を読まないでください!」
完璧を演じ続けてきた王太子×悪役を押し付けられた推し活令嬢。
破滅回避から始まる、魔法学園・溺愛・逆転ラブコメディ!
小説家になろうでも同時更新しています(https://ncode.syosetu.com/n5963lh/)。
死亡予定の脇役令嬢に転生したら、断罪前に裏ルートで皇帝陛下に溺愛されました!?
六角
恋愛
「え、私が…断罪?処刑?――冗談じゃないわよっ!」
前世の記憶が蘇った瞬間、私、公爵令嬢スカーレットは理解した。
ここが乙女ゲームの世界で、自分がヒロインをいじめる典型的な悪役令嬢であり、婚約者のアルフォンス王太子に断罪される未来しかないことを!
その元凶であるアルフォンス王太子と聖女セレスティアは、今日も今日とて私の目の前で愛の劇場を繰り広げている。
「まあアルフォンス様! スカーレット様も本当は心優しい方のはずですわ。わたくしたちの真実の愛の力で彼女を正しい道に導いて差し上げましょう…!」
「ああセレスティア!君はなんて清らかなんだ!よし、我々の愛でスカーレットを更生させよう!」
(…………はぁ。茶番は他所でやってくれる?)
自分たちの恋路に酔いしれ、私を「救済すべき悪」と見なすめでたい頭の二人組。
あなたたちの自己満足のために私の首が飛んでたまるものですか!
絶望の淵でゲームの知識を総動員して見つけ出した唯一の活路。
それは血も涙もない「漆黒の皇帝」と万人に恐れられる若き皇帝ゼノン陛下に接触するという、あまりに危険な【裏ルート】だった。
「命惜しさにこの私に魂でも売りに来たか。愚かで滑稽で…そして実に唆る女だ、スカーレット」
氷の視線に射抜かれ覚悟を決めたその時。
冷酷非情なはずの皇帝陛下はなぜか私の悪あがきを心底面白そうに眺め、その美しい唇を歪めた。
「良いだろう。お前を私の『籠の中の真紅の鳥』として、この手ずから愛でてやろう」
その日から私の運命は激変!
「他の男にその瞳を向けるな。お前のすべては私のものだ」
皇帝陛下からの凄まじい独占欲と息もできないほどの甘い溺愛に、スカーレットの心臓は鳴りっぱなし!?
その頃、王宮では――。
「今頃スカーレットも一人寂しく己の罪を反省しているだろう」
「ええアルフォンス様。わたくしたちが彼女を温かく迎え入れてあげましょうね」
などと最高にズレた会話が繰り広げられていることを、彼らはまだ知らない。
悪役(笑)たちが壮大な勘違いをしている間に、最強の庇護者(皇帝陛下)からの溺愛ルート、確定です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる